猫砂やペットシーツは緊急時に非常用トイレとして使えるか(2)

災害時の緊急用トイレのイラスト:©いらすとや

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猫砂は非常用トイレとして使えるかの実験

猫砂として市販されているもののうち、紙製・木製・おから製・ベントナイト製・シリカゲル製の5種類からそれぞれ一つの商品を選び、実験してしました。

なお、なぜその特定銘柄を実験素材に選んだかにつきましては、深い理由はありません。いつも行くホームセンターにたまたまあった物や、自宅にたまたま在庫があった物です。同じような素材(原材料)の砂であっても、メーカーや銘柄により、特徴や性質・価格はかなり違ってきますので、参考資料としてご覧ください。

(1)紙製猫砂は非常用トイレに使えるか?

紙砂は実験第一号となりますので、少し丁寧に過程の写真を乗せます。木製・おから製・ベントナイト製の砂につきましても、同じ方法で実験しました。

使用した商品

  • 商品名:ブルーの紙砂
  • 販売:株式会社ペットプロジャパン
  • 原材料:再生紙、吸水性ポリマー、食品性粘着剤
  • 特徴:固まる、燃やせる、トイレに流せる(但し1回につきゴルフボール位の大きさまで)、吸水すると青くなる
  • 内容量:7ℓ、総重量:1.97kg
  • 価格:税込み712円(2022年10月ホームセンターで購入)
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

300ml×5回=計1500mlの水をかけます

猫砂を一袋全部「ニャンとも清潔トイレ」の下部(すのこではない方)に投入し、300mlの水をゆっくりとかけ、吸水させます。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

300mlの固まり。一緒に写っているのは十円玉です。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

さらに4か所、300mlの水を吸水させます。のぞき込んでいる頭は愛猫くるるん。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

吸水後の大きさや重さ

一つずつポリ袋に詰めて並べてみました。けっこう量があります。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

これを、ひとつの袋に詰めなおしてみます。紙砂(ポリマー)はふわりと固まりますので、押せば潰れて小さくできます。Lサイズ320mm×380mmひとつにギュウギュウ押し込むことはできました。が、口を結ぶ余裕は残っていませんでしたので、輪ゴムで留めました。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

重量は2.65kgでした。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:紙製猫砂の場合

残った未使用砂の重さを測ったところ、0.76kgでした。一袋7ℓで1.97kgでしたから、大雑把な計算で、約4.3ℓ使ったことになります。

(2)木製猫砂は非常用トイレに使えるか?

使用した商品

  • 商品名:hinoki ひのきの猫砂
  • 販売:株式会社ペットプロジャパン
  • 主材料:木粉、澱粉
  • 特徴:固まる、燃やせる、トイレに流せる(但し1回につきゴルフボール位の大きさまで)
  • 内容量:7ℓ、総重量:1.76kg
  • 価格:税込み767円(2022年10月ホームセンターで購入)
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:木製猫砂の場合

300ml×5回=計1500mlの水をかけます

猫砂に300mlの水をゆっくりとかけて吸水させ、取り出しました。一緒に写っているのは十円玉です。これを5回繰り返します。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:木製猫砂の場合
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:木製猫砂の場合

吸水後の大きさや重さ

一つずつポリ袋に詰めて並べたところ。最後の一袋は漏れ落ちていた砂も集めて詰めたので他の袋より少し大きくなっています。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:木製猫砂の場合

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつに詰め込んだところ。押し込めば袋の口を縛ることは可能でしたが、前例と合わせるため、輪ゴムで留めています。重さは2.24kgでした。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:木製猫砂の場合

未使用砂の重さは0.97kgでした。一袋7ℓで1.76kgでしたから、大雑把な計算で、約3.15ℓ使ったことになります。

この砂の詳細はこちらのレポートをご覧ください↓。

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(3)おから製猫砂は非常用トイレに使えるか?

使用した商品

  • 商品名:ニオイをとるおから砂
  • 販売:ライオン商事株式会社
  • 原材料:おから、デンプン、吸収促進剤(再生パルプ)、香料
  • 特徴:固まる、燃やせる、トイレに流せる(但し1回につき直径5cm位の大きさまで)
  • 内容量:5ℓ、総重量:2.37kg
  • 価格:税込み712円(2022年10月ホームセンターで購入)
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:おから砂

300ml×5回=計1500mlの水をかけます

猫砂に300mlの水をゆっくりとかけて吸水させ、取り出しました。一緒に写っているのは十円玉です。これを5回繰り返します。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:おから砂
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:おから砂

吸水後の大きさや重さ

一つずつポリ袋に詰めて並べたところ。やはり最後のひとつは取りこぼし砂も詰め込んだため大きいですね。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:おから砂

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつに詰め込んだところ。重さは2.76kgでした。写っている頭は愛猫くるるん。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:おから砂

未使用砂の重さは1.10kgでした。一袋5ℓで2.37kgでしたから、大雑把な計算で、約2.7ℓ使ったことになります。

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(4)ベントナイト(鉱物)製猫砂は非常用トイレに使えるか?

使用した商品

  • 商品名:ニオイをとる砂
  • 販売:ライオン商事株式会社
  • 原材料:ベントナイト、消臭・抗菌材
  • 特徴:固まる
  • 内容量:5ℓ、総重量:4.00kg
  • 価格:税込み712円(2022年10月ホームセンターで購入)
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:鉱物製(ベントナイト)砂

300ml×5回=計1500mlの水をかけます

猫砂に300mlの水をゆっくりとかけて吸水させ、取り出しました。一緒に写っているのは十円玉です。これを5回繰り返します。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:鉱物製(ベントナイト)砂
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:鉱物製(ベントナイト)砂

吸水後の大きさや重さ

一つずつポリ袋に詰めて並べたところ。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:鉱物製(ベントナイト)砂

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつに詰め込んだところ。ベントナイト砂の固まりは固めで、紙・木・おから砂のように袋に入れて少々押し込んだくらいでは一塊にまとまらず、割ったり指で押したりし、それでも多くの隙間が残っています。なんとかひとつの袋に入れられましたが、輪ゴムで留めるのもギリギリでした。もしこれが人尿の固まりであれば、ほとんどの人は無理に1袋にいれるより、2袋に分ける方を選ぶのではないでしょうか。

重さは4.05kgでした。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:鉱物製(ベントナイト)砂

未使用砂の重さは1.40kgでした。一袋5ℓで4.0kgでしたから、大雑把な計算で、約3.25ℓ使ったことになります。

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(5)シリカゲル製猫砂は非常用トイレに使えるか?

使用した商品

  • 商品名:消臭砂シリカゲルサンド
  • 販売:アイリスオーヤマ株式会社
  • 材質 主原料:シリカゲル
  • 特徴:固まらない、燃えるゴミか不燃ゴミかは各自治体判断(※)
  • 内容量:5ℓ、総重量:2.18kg
  • 価格:4袋税込み3580円、1袋895円(2022年9月ネットショップで購入)

※食品の袋に乾燥剤としてはいっている少量のシリカゲルであれば通常「燃えるゴミ」で出せますが、猫砂は大量となるため、自治体により判断が異なります。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

300ml×5回=計1500mlの水を吸水させます

シリカゲル系の猫砂は、吸水しても固まりません。尿や糞の水分は砂に吸水され脱臭されますが、その後水分だけがゆっくりと空中に再放出されるのが特徴の猫砂です。ですから水をかけてもサラサラなままで、紙・木・おから・ベントナイト砂のように、吸水した部分だけを取り出すことはできません。

そこで、この砂ではまず器に300mlの水を入れ、そこに少しずつ砂を入れて吸水させます。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

このように、底を露出させても、片側に集めても、水が見られない状態になるまで砂を投入して吸水させました。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

吸水後の大きさや重さ

300ml吸水させた砂。器の大きさは直径20cmです。よく見かけるパイレックスの耐熱ガラスボウルです。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂
猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

一つずつポリ袋に詰めて並べたところ。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつに詰め込んだところ。重さは2.96kgでした。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:シリカゲル砂

未使用砂の重さは0.64kgでした。一袋5ℓで2.18kgでしたから、大雑把な計算で、約3.5ℓ使ったことになります。

この砂の詳細はこちらのレポートをご覧ください↓。

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猫砂の実験結果まとめ

まず、ボリュームについて。計1500mlの水を吸水させた各種猫砂の画像です。いずれもビニール袋1枚になんとか収まる大きさで、顕著な差は出ませんでした。強いて言えば、一番コンパクトにまとまったのはシリカゲル砂ですが、その理由は固まらない砂なので、袋にサラサラと隙間なく入ったからでしょう。一方、ベントナイト砂はしっかりと固った分、ひとつにまとめようとしても隙間が多く出、その分かさばりました。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:各素材で比較

シリカゲル砂とベントナイト砂。袋の口をとめている輪ゴムの位置で、大きさの違いが分かるかと思います。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:各素材で比較

1500ml×5袋でこんな感じ。でもこれは尿だけの想定。実際には。これプラスうんち袋も必要になると考えれば・・・4人家族で1週間分の保管スペースなんて、考えたくない量になりそう(汗)。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:各素材で比較

さて、保存時のボリュームに大差ないとなりますと、つぎに気になるのが処分時です。重いか、軽いか、燃えるゴミで出せるか、燃えないゴミか、等。

猫砂は緊急時に非常用トイレとして使えるか:各素材で比較

猫砂に計1500mlの水を吸水させた結果表

重量必要量(約)処分法
木製2.24kg3.15ℓ燃えるゴミ
紙製2.65kg4.3ℓ燃えるゴミ
おから製2.76kg2.7ℓ燃えるゴミ
シリカゲル2.96kg3.5ℓ自治体による
ベントナイト4.05kg3.25ℓ燃えないゴミ

【注!】猫砂によっては「トイレに流せる」ものも多くありますが、人尿を処理した固まりはトイレには流さないでください。猫尿と人尿の量は10倍くらい違うため、トイレが詰まります。

結論

猫砂は非常用トイレとして利用できなくはありませんが、嵩張ることが気になります。1~2人の少人数や、家族使用でも短期間であれば使えるでしょう。しかし、都市部の一般的な広さのマンション等での長期利用は置き場所に困ることになりそうで、お勧めできません。まして多人数が利用する避難施設等での使用は無理があると思います。

なお、吸水後のボリューム・重量・処理法・コストすべてを勘案の上今回テストした5銘柄に限っていえば、私のお勧めは「木製猫砂」ということになります。

※くりかえしになりますが、同じ素材(原材料)の砂であっても、メーカーや銘柄により、特徴も性質も異なります。上記は参考資料としてご覧ください。

⇒次は:ペットシーツは非常用トイレとして使えるかの実験

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