猫砂やペットシーツは緊急時に非常用トイレとして使えるか(6)

災害時の緊急用トイレのイラスト:©いらすとや

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キッチンタオル・トイレットペーパーは非常用トイレとして使えるかの実験

猫砂・ペットシーツ・猫システムトイレ用シート・人間用おむつと実験してきました。ここまでは人間用・ペット用の違いこそあれ、「吸収を目的とした」トイレ用品です。

でも、ペットがいない人や、オムツを置いていない人の場合は?

こうなったら続けます。キッチンタオル、トイレットペーパー等、一般家庭にふつうにあるもの。

実験では、尿のかわりに水を吸水させています。吸水量は、計1500ml(成人の平均尿量の上の方)。

実験方法の詳細はこちら↓

なお、なぜこの特定銘柄を実験素材に選んだかにつきましては、深い考えはありません。私がいつも使っているものです。同じような素材(原材料)のものであっても、。メーカーや銘柄により、特徴や性質・価格は大きく違ってきます。以下はあくまで参考資料としてご覧ください。

(1)キッチンタオルは非常用トイレに使えるか?

使用した商品

  • 商品名:エリエール peach キッチンタオル
  • 製造販売:大王製紙株式会社
  • 材質:パルプ100%
  • 特徴:スーパーWエンボスで納得の吸収力!
  • サイズ約:228mm×210mm×2枚重ね50カット(210mm×50カット=1ロール10,500mm(=10.5m))
  • 価格:6ロール入り税込み294円/1ロール約49円/1カット約1円(近所のホームセンターで2022年10月に購入)

吸水実験

以下、この1カット分(228×210mm)を「1枚」と表現しています。

毎日使うものでありながら、キッチンタオルが何mlを吸収できるか等なんて考えたこともありません。そこでまず、300mlの水を容器に入れ、そこに2枚ずつキッチンタオルを敷くように入れて吸水させます。

30枚で、このようにめくっても下に水がほぼ残らない状態になりました。

この30枚を、水がこぼれないようにそっと折り畳みました。容器の底はかなり濡れている感じがあります。

持ち上げるとポタポタと水滴が落ちます。キッチンタオルは吸収力に優れていますが、オムツ等と違い、吸収した水を閉じ込めるようには作られていませんから、たれてくるのは仕方ないでしょう。

さらに2枚使って、容器に残った水を拭き、垂れ落ちる水を受けます。このようにザルに立てかけてもすぐには水がたれない程度まで吸収させることができました。しかし上記の通りキッチンタオルに保水力はありませんので、放置すればまたすぐたれてきます。もし本当にこれが尿なら、吸収させたら即ポリ袋等にいれなければ、ですね。

300mlを吸収した32枚のキッチンタオル。

以上、丁寧にやれば32枚で300mlを吸収できることがわかりました。でも、もしキッチンタオルを簡易トイレに使用するばあい、まず容器に排尿してから1枚1枚様子をみながらキッチンタオルを入れて吸水させる人なんて、ふつう、いませんよね。

そこで次は、もう少し現実的な方法をとります。つまり、30枚をあらかじめ容器に敷いてから水を注水します。

ポリ袋を裏返して手を入れて、キッチンタオルを集めます。もしこれが本物の尿なら、皆さんもきっとそうするのでは。

なるべく容器に水分を残さないように、拭き取るような感じで集めたにもかかわらず、最初のときより多くの水分が残りました。

この残った水は2枚では拭き取れず、3枚必要でした。従いまして、今回の使用枚数は33枚ということになります。ところで、このキッチンタオルの1ロールは50枚(カット)。300mlを吸水させるには1ロールの半分以上が必要だとわかりました。

300ml×5=1500ml。使用枚数は、向かって左端の丁寧に折りたたまれている袋だけ32枚、ほか4袋は33枚、計164枚。

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめました。重量は1.84kg。

ニャンとも清潔トイレ用「脱臭・抗菌シート」との比較。ニャンともの方がひとまわり小さいです。

木製猫砂との比較。

(2)トイレットペーパーは非常用トイレに使えるか?

私は買い物は多くて週1回、積雪時は月1回なんてことも。なのでコロナ禍以後は「3倍ロール」を愛用しています。

使用した商品

  • 商品名:スコッティ フラワーパック 3倍長持ち ダブル
  • 製造販売:日本製紙クレシア株式会社
  • 材質:記載無し
  • 特徴:1ロールの長さが3倍
  • サイズ約:ロールサイズ:114mm×75m/1カット114mm×232mm(=1ロール323カット)
  • 価格:8ロール入り税込み767円/1ロール75m約95.987円/1カット約0.3円(近所のホームセンターで2022年10月に購入)

以下、1カット114mm×232mmを「1枚」と表現します。

吸水実験

トイレットペーパーが「どのくらいで何ml吸収するか」は不明でしたので、今回もまず容器に300mlの水を入れ、トイレットペーパーを2枚ずつ入れて吸収させていきました。

キッチンペーパーと同じ枚数「30枚」では、当然ですが、まだビチャビチャで底に水がたまっています。

70枚でほぼ吸収できました。

これをていねいに畳めば、底に残る水分もわずか。

濡れているところをきれいに拭きとるのにさらに2枚必要でした。ザルに置いてもすぐに滴り落ちるとかありませんでしたので、全部吸水できたようです。

トイレットペーパーの方が、キッチンペーパーより保水力(一度取り込んだ水分を閉じ込める力)が強いこともわかりました。トイレットペーパーは拭き取り専用の商品、一方、キッチンペーパーは拭き取りだけでなく濾したり水切り他にも使うもの。ちゃんと差が出るんですね。商品開発って奥が深いです。

300mlを吸水したトイレットペーパー。

およそ何枚で吸収できるかわかりましたので、次はもう少し現実的な方法で。70枚をざっくり入れて300mlを注水します。

これを集めてポリ袋にいれます。

拭き取るように集めても、丁寧に吸水させた1回目に比べ、残った水は多めです。

これを全部拭き取るには、さらに6枚が必要でした。トイレットぺーパーが300mlの水分を吸収するには、少なくとも70+6枚=76枚が必要とわかりました。1枚の長さが232mmですので、232mm×76枚=17,632mm(=17.632m)。

300ml×5回=計1500ml。

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめます。ふつうに使えば76枚が必要ですので、全部では、232mm×76枚×5=88,160mm(=88.16m)。この「3倍ロール」でも1ロールでは足りませんでした。重量は1.81kgでした。

トイレットペーパー(向かって左)とキッチンタオル(右)。実験前は、キッチンタオルの方が厚いので適しているかと思ったのですが、実験後の今、私ならトイレットペーパーを選びます。トイレットペーパーの方がすこしコンパクトですし、なんといっても、持ち上げた時の保水力が理由です。ちゃんと吸収させたつもりだったのに袋にいれようとしたらポタポタこぼれたなんてイヤですもの。

(3)ポリ袋に直接入れたら?

キッチンタオルもトイレットペーパーも、大量に必要とわかりました。ならいっそ直接・・・!?

使用した商品

  • 商品名:Home Make 強力素材保存袋大 ホームメーカーシリーズKH-18
  • 表示者:ハウスホールドジャパン株式会社
  • 原料樹脂:ポリエチレン
  • 特徴:半透明 食品用
  • サイズ約:320mm×380mm×暑さ0.010mm
  • 価格:50枚入り税込み140円/1枚約2.8円(近所のホームセンターで2022年11月に購入)

実験

ポリ袋をセットして、300mlの水を入れます。

口をしっかり縛ります。もちろん自立はしません。ごろん。

300ml×5回=計1500ml。デローン。水だから平気ですが、もしこれが自分の尿なら・・・なんかイヤだ。あまりに露骨で、すっごくイヤだ。ぜったいイヤだ・・・

さて、次はこれを1袋にまとめるわけですが、実際のところ、もしこれが本物の尿なら?皆さんが必死に何かに吸収させようとするのは、要するにそのまんまな液体状態で置きたくないからですよね。穴があいて漏れたら嫌だし、ポリ袋なんて簡単に穴があいてしまうし。

もし本物の尿なら、私なら、同じ袋に溜め続けてするとか、一度縛ったポリ袋をあけて追加注入するなんてしないと思いました。私なら、縛ったらもう二度とあけないだろうし、集めるなら袋のままさらに別の袋にいれて二重にし、漏れないようにするだろうと。

なので、上の5袋をさらにキッチン用Lサイズ320mm×380mmひと袋にまとめました。重量は1.52kg。

人間用新生児用おむつとの比較。ほとんど大きさはかわりません。

木製猫砂との比較。

(4)ペットボトルに直接入れたら?

「ポリ袋にそのまま」が想像するだけでイヤなモノだったので、次。

使用した商品

  • 素材:記載無し ただしPETのリサイクルマークあり
  • 容量:1500ml
  • 価格:リサイクル品につき0円

1500mlの水とペットボトル

ペットボトルだけの映像ではつまらないので、他の品々と一緒に。私には男性の事情はわかりませんが、女性ならおそらく一緒に使いたいだろうものたちです。トイレにする容器(バケツ等)、ペットボトルに注入するための漏斗、トイレットペーパー、それを捨てるポリ袋、あればなにかと安心なペットシーツワイドタイプ、トイレが使えないような不安時には不可欠な猫(?)。

ポリ袋と違って、ペットボトルなら満杯になるまで追加で注入していく・・・でしょう・・・多分・・・。なので、300ml×5回なんて分けず、最初から1500mlを入れました。重量は1.55kg。

水を入れて、さっそく比較。まずは上のポリ袋と。これを見てもペットボトルの勝ち。ずっと扱いやすいし、なにより安心感が違います。

上が厚型ペットシーツ「厚2」(5枚使用)、下がニャンとも清潔トイレ用脱臭・抗菌シート(1枚使用)。

上は新生児用おむつ(5枚使用)、下は、猫砂以外でもっともボリュームが大きくなった大人用おむつ「大人用2」(5枚使用)。

木製猫砂と。

結論

キッチンタオルもトイレットペーパーも、非常用トイレとしては使いたくない素材だと思います。理由は

  • 素材そのものに猫砂やおむつ系統のような「消臭機能」は期待できない
  • 消費量が膨大
  • 水分を閉じ込める保水力がなく、うっかり持ち上げるとポタポタ垂れる
  • とくにキッチンタオルは他の(本来の)用途に使い道が多く、物資不足時に無駄に消費したくない

それでもポリ袋に直接よりはいいかな・・・

そして、吸収させる素材が何もない場合は、ポリ袋より、ペットボトルがお勧め。

次は⇒携帯トイレセット、トイレの凝固剤

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