猫砂やペットシーツは緊急時に非常用トイレとして使えるか(3)

ペットシーツは非常用トイレとして使えるかの実験

一口に「ペットシーツ」と言っても厚さも吸水力もいろいろ。

そこで、薄型・厚型・超厚型と３種類を製造販売しているアイリスオーヤマ社から商品を選びました。いずれもレギュラーサイズ(約44cm×33cm)で実験しています。それぞれ、使用枚数を最小限にした場合と、300ml毎に使い捨てた場合で試します。

実験では、尿のかわりに水を吸水させています。吸水量は、１回に付き300ml（最大尿意）ずつ、合計1500ml（成人の平均尿量の上の方）。

実験方法の詳細はこちら↓

猫砂やペットシーツは緊急時に非常用トイレとして使えるか(1)

※メーカーや銘柄により、特徴や性質・価格はかなり違ってきます。以下は参考資料としてご覧ください。

薄型ペットシーツは「小型犬のおしっこ１回分30ccをしっかり吸収」とのことですので、まず30ccの水をかけてみました。画像はわかりやすいようにコントラストを調整しています。

まだ余裕がありそうなので、限界まで吸水させてみました。なぜならこれは「緊急時・非常時」のための実験、トイレが使えないくらいであれば流通が止まり物資も不足する可能性があります。なるべく無駄をなくした使い方で実験しなければ意味がありません。

写真のように、注水直後はシーツの上に水が乗っていますが、広がりながらゆっくり吸収されていきます。

200mlでこのように零れ落ちるようになりましたので、吸水限界を超えたようです。零れ落ちた水は２枚目のシーツできれいに拭きとり、その２枚目にさらに100mlを吸水させて、計300mlにしました。

300mlの水を吸水したシーツ（２枚使用）。

以後は１枚につき150mlずつ吸水させました。30ml用のシーツにその５倍も吸水させているのですから、表面は濡れている感じで、触ってもかなり水を感じますが（30ml程度なら表面はサラサラしている）、なんとかしたたり落ちずに保水できました。

300mlずつ並べたところ

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめました。重量は約1.58kg。

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次に、500mlを３枚ずつに吸水させてみました。というのも、上の実験で２枚で吸水させることは可能ではあるが、そのためにはかなり注意深く注水しないとこぼれるとわかったからです。そうでなくとも大変な災害時、できれば排尿時までそんな神経を使いたくありませんからね。

ペットシーツは、容器の下に１枚を広げ、その上に２枚のシーツを、表が外側になるように折って置きました。その中心に300mlを注水します。

こうすれば水がまんべんなく広がって吸水され、シーツからあふれません。こんな図でわかりますでしょうか。

300mlを３枚に吸水させたもの。

300ml×5回=1500ml分。

キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめたもの。重量は約1.69kg。

使用枚数を最小限にした場合「薄」と、１回毎に使い捨てにした場合「薄２」。

なお、「薄２」はシーツを畳んでいれていますが、「薄」はかなりぐちゃっといれています。その理由は；

「薄２」のシーツはどれもまだ吸水余裕があり、表面もわりとサラっとしていて、それほど「濡れている感」がないので、あまり抵抗なく折り畳めます。また折り畳めば裏側のビニール部分を持って袋に入れることができ、水（尿）がしみ込んだ表側に触れずに済みます。
「薄」のシーツは限界まで吸水させていることから、表面もいかにも「濡れている感」があり、もしこれが本当に尿なら触りたくないだろうと思われました。なので端っこを持って袋に押し込みました。（多分誰もがそうするでしょう。）

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