猫砂やペットシーツは緊急時に非常用トイレとして使えるか(4)
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システムトイレ用尿取りシートは非常用トイレとして使えるかの実験
ここでいう「システムトイレ」とは、以下の条件を満たす猫トイレのことです。（※）
- 上部のすのこ部分と、下部の採尿部分から構成されている。
- すのこの上に吸水しないタイプの猫砂をいれる。
- 採尿部分には１週間分の尿とニオイ（１頭につき）を吸水できる採尿シート等を敷く。
※濡れると粉に崩れるタイプの猫砂を使用するタイプのシステムトイレもあります。
今回は、猫システムトイレの元祖、花王の『ニャンとも清潔トイレ』ラインアップの『脱臭・抗菌シート』『複数ねこ用脱臭・抗菌シート』で実験しました。
シートの断面。犬用ペットシーツとちがい、表・中身・裏は接着していません。ペットシーツは上を動物が踏んだり掘ったり引っかいたりしますので、しっかり接着する必要があるのでしょう。一方、猫システムトイレ用シートは動物には直接触れない前提ですから、接着させる必要はないのだと思います。
中の吸水部分は綿のようです。手で裂くと、簡単にボロボロにできます。
以下の画像では便宜上、ふつうの『脱臭・抗菌シート』を『１頭用』『複数ねこ用脱臭・抗菌シート』を『複数ねこ用』と表記しています。
厚みの比較。わかりにくかったので、間に透明アクリル板を挟んで撮影しました。
ペットシーツとの比較。どのように持っても、表・中身・裏がわかれてしまい、ちょっとわかりにくい写真になっていますが、厚みの違いはわかるかと思います。
実験では、尿のかわりに水を吸水させています。吸水量は、計1500ml（成人の平均尿量の上の方）。
実験方法の詳細はこちら↓
※メーカーや銘柄により、特徴や性質・価格はかなり違ってきます。以下は参考資料としてご覧ください。
(1)システムトイレ用尿取りシート（１～２頭用）は非常用トイレに使えるか？
使用した商品
- 商品名：脱臭・抗菌シート
- 製造販売：花王株式会社
- 素材：ポリオレフィン不織布、綿状パルプ、吸水紙、高分子吸収材、ポリエチレンフィルム、ホットメルト接着剤、抗菌剤、中和消臭剤、吸着消臭剤
- 特徴：愛猫１頭の場合１枚で約１週間、愛猫２頭の場合１枚で約３～４日間
- サイズ約：45cm×35cm
- 価格：８枚入り1,138円/１枚約142円（2022年11月Amazon.co.jp)
吸水実験
「愛猫１頭の場合１枚で約１週間、愛猫２頭の場合１枚で約３～４日間」というシート。花王のサイトその他いろいろ調べましたが、猫１頭の１日の尿量を何ml(cc)として想定しているのかについての記述は見つかりませんでした。
そこで、猫の１日尿量を仮に180mlとして計算してみます。この180mlというのは、7kg前後の猫の平均的な尿量です。7kgというのは、メインクーンなど一部の大型種をのぞき、一般的な猫としてはかなり重量級ではありますが、珍しいほどのサイズ感ではありません。
180ml×１頭×７日＝1,260ml、180ml×２頭×４日 ＝1,440ml。
メーカーさんは余裕を見て２頭３～４日等とうたっているはずですから、これなら1500mlも問題なく吸水してくれるだろうと判断。注水してみました。
直後は表面に水が乗っていますが、みるまに吸収されていきます。
1500mlが難なく吸収されました。
持ち上げても、まったくたれません。
キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめたところ。１枚ですからコンパクトです。重さは1.582kgでした。
限界に挑戦してみます。1700mlではまだ余裕。
1800mlであふれはじめました。このくらいが限界なのでしょう。たっぷり吸水したポリマーがかなりブヨンブヨンに膨れています。
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(2)システムトイレ用尿取りシート（複数ねこ用）は非常用トイレに使えるか？
使用した商品
- 商品名：複数ねこ用 脱臭・抗菌シート
- 製造販売：花王株式会社
- 素材：ポリオレフィン不織布、綿状パルプ、吸水紙、高分子吸収材、ポリエチレンフィルム、ホットメルト接着剤、抗菌剤、中和消臭剤、吸着消臭剤
- 特徴：愛猫２頭の場合１枚で約１週間、愛猫３頭の場合１枚で約４～５日間、愛猫４頭の場合１枚で約３～４日間
- サイズ約：45cm×35cm
- 価格：８枚入り1,309円/１枚約163円（2022年11月Amazon.co.jp)
吸水実験
猫の１日尿量を仮に180mlとして計算します。
180ml×2頭×7日＝2520ml、180ml×3頭×4日＝2160ml、180ml×4頭×3日＝2160ml
当然、1枚で1500mlの吸水は問題ないはず。で、注水。きれいに吸水されました。
キッチン用Lサイズ320mm×380mmのポリ袋ひとつにまとめました。重量は1.66kg。
メーカー想定では、180ml×2頭×7日＝2520mlも可能なはずですので、やってみます。あふれていません。
では、例によって限界に挑戦。3000mlであふれました。
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まとめ
以下、ふつうの『脱臭・抗菌シート』を『１頭用』『複数ねこ用脱臭・抗菌シート』を『複数ねこ用』と表記します。
ならべたところ。ほぼ同じ大きさで、わずかに『複数ねこ用』が大きいのはシートの厚みの差でしょう。
ペットシーツの中では私が一番使えそうだと思った「厚型ペットシーツ」との比較。システムトイレ用採尿シートは１枚で済んでいる分、ボリュームも小さくなりました。
上から見たところ。
結論
今回実験した『ニャンとも清潔トイレ』シリーズ純正『脱臭・抗菌シート』『複数ねこ用脱臭・抗菌シート』は、どちらも緊急時に非常用トイレとして使えそうです。
１頭用シート１枚で、人間１人１日分を吸水できます。複数ねこ用なら、たとえばお母さんと幼いお子さんの、二人分を１枚ですませるという使い方もできそうです。
おそらく他社製品も同様に使えるでしょう。どれも「１頭１週間分」というコンセプトは同じなのですから。
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⇒次は：人間用オムツ等は非常用トイレとして使えるかの実験
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