腎臓病の猫の尿:猫砂やペットシーツでの見方

17歳の猫、腎不全

腎不全で亡くなる猫さんはとても多い

腎不全(慢性腎臓病)は、死因として常に1位2位を争うほど、猫にとって深刻な病気です。

2022年1月現在、猫の腎臓病を完全に治す治療法はまだ見つかっていません。一度機能が落ちてしまった腎臓は、もう回復することはないのです。しかも、15歳以上の高齢の猫は、80%以上がすでに慢性腎臓病に罹患しているそうです(”CLINIC NOTE” 2020年11月号 エデュワードプレス)。

となると重要なのが「早期発見」ということになります。なるべく早い段階で病気をみつけ、その進行のスピードを遅らせることが、愛猫を守ることになります。

猫のオシッコが薄くなったら、実はもう・・・

宮川雄一著『猫の腎臓病がわかる本』によりますと、濃いオシッコをするはずの猫が、薄いオシッコをたくさんするようになれば、その時点で腎臓の機能は正常時の1/3程度まで低下しているのだそうです。もし愛猫のオシッコが薄かったり、尿量が多いことに気づいたら、動物病院に即行して検査してもらわなければなりません。

以下、健康な尿と腎臓病の尿の写真を載せますので、どうぞ参考にしてください。

白い紙砂なら、腎不全尿がこんなにわかりやすい

うちの17歳の猫と、8歳の猫の尿比較です。色もサイズもはっきり違うことが、写真でもわかると思います。このとき、直近の検査で17歳猫の数値は、BUN(尿素窒素)69.2mg/dl、Cre(クレアチニン)4.14mg/dl、腎臓の機能は75%以上失われている状態と推測されます。なお同じ猫が11歳の時は、BUN28.0、Cre1.6と正常でした。

腎不全の猫の尿、猫砂

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腎不全の猫の尿、猫砂

上の写真に使った砂について、下の「猫砂レポート」で詳細に紹介させていただいています。よろしければご覧ください。

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ペットシーツでも腎不全の尿はわかります

お勧めは、色が薄い、極薄型タイプ。シーツの色が薄ければ尿の色がわかりやすく、また薄型の方が尿の広がり具合がわかりやすい=尿量を推測しやすいと思います。システムトイレ(すのこ下に採尿シートを使うタイプ)をお使いの場合は、ときどき極薄型ペットシーツを敷いて、尿の色や量を確認されると良いのではないでしょうか。(ただし極薄型の場合、1~2回毎にとりかえないと尿があふれてしまうことがありますのでご注意ください。)

腎不全の猫の尿、ペットシーツ
腎不全の猫の尿、ペットシーツ
腎不全の猫の尿、ペットシーツ

↑上のように並べると、色の違いがよくわかりますね。写真でも十分わかると思いますが、肉眼だとさらに差が鮮明にわかります。腎不全猫の尿はほぼ無色透明です。また尿の広がり=尿量もかなり違います。

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猫の慢性腎臓病のための主な食事療法食・処方食

「療法食・処方食」とは、特定の疾病または健康状態にある猫の食事療法に利用することを目的とし、栄養成分の量や比率を調整又は特別な方法で製造したフードのことです。必ず獣医師の診断・指導の基で与えてください。(その猫の病状によっては、不適切な投与はかえって猫の健康状態を悪化させる事があります。また健康な猫では栄養面で過不足が生じる恐れがあります。)

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腎臓病の種類

猫の腎臓病は1種類だけではありません。急性(命に係わる)、慢性、炎症性、遺伝性のほか、尿路結石症も関わってきます。ここでは病名の例だけをあげますので、詳細は専門書や獣医師サイトをご覧ください。なお「腎不全」とは、腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態をいいます。

  • 慢性腎臓病
  • 水腎症
  • 腎盂腎炎
  • 腎結石
  • 糸球体腎炎
  • 多発性のう胞腎
  • 急性腎不全
  • 生まれつき腎臓が未形成、など

腎臓病の早期発見には?

腎臓は「沈黙の臓器」といわれ、はっきりとした症状はなかなかわかりません。飼い主が気づいたときにはすでにかなり症状が進んでいる場合が多いようです。

腎臓病が進行すると、以下のような症状があらわれます。

  • 多飲多尿=水をよく飲み薄い尿をたくさん出す
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 体重の減少
  • 体温の低下(尿毒症の状態)、など

病院で腎臓病を見つけるには、以下のような検査があります。

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 超音波(エコー)検査
  • 血圧測定

中でも血液検査がよく行われています。できれば定期的な健康診断を実施してあげてください。

【血液検査の指標】

単位基準値
BUN(尿素窒素)mg/dl15.6-33.0
Cre(クレアチニン)mg/dl0.75-1.85
P(リン)mg/dl2.6-6.0
Ca(カルシウム)mg/dl8.2-12.1
Na(ナトリウム)mEq/L147-156
K(カリウム)mEq/L3.4-4.6
SDMA(腎機能マーカー)μg/dl1-14

参考:宮川雄一著『猫の腎臓病がわかる本』腎臓病専門の獣医師による一般向けの本。わかりやすく、丁寧に書かれていて、読みやすい本です。

猫の腎臓病のステージ(国際的ガイドライン)

IRIS(The International Renal Interest Society)では、猫・犬の慢性腎臓病(CKD:Chronic kidney disease)に国際的な基準を設けています。

*IRIS:11か国15人の専門獣医師が代表として参加(2022年1月現在)。臨床獣医師の腎臓病に対する理解・診断・維持・管理のための国際的なガイドラインを制定するなど。

2019年のIRISによるCKDステージング

  • Cre:血漿クレアチニン濃度(mg/dL)
  • SDMA:血中SDMA濃度(μg/dL)

ステージ1 Cre:<1.6 SDMA:<18

  • Creは正常で、SDMAは軽度に上昇。
  • 腎臓に何らかの異常がある。(尿の濃縮能の低下、触診や画像診断による腎臓形成の異常、腎性の尿タンパク、腎臓の生検により検出された異常、Creの数週間~数か月に及ぶ上昇)
  • SDMAが持続的に14μg/dL以上を示す場合は、初期CKDを考慮する。

ステージ2 Cre:1.6-2.8 SDMA:18-25

  • Creは正常あるいは軽度の上昇。
  • 軽度の尿毒症。
  • SDMAが軽度に上昇。
  • 臨床兆候は軽度あるいは認められない。

ステージ3 Cre:2.9-5.0 SDMA:26-38

  • 中程度の高窒素血症。
  • 腎臓以外が原因の臨床兆候はあるが、その程度や重症度はさまざまである。もし臨床兆候がない場合はステージ3の初期とし、明らかな全身性の臨床兆候を示す場合はステージ3の末期として扱う。

ステージ4 Cre:>5.0 SDMA:>38

  • 全身的な臨床兆候や尿毒症による危機的状況が発現する危険性が高まる。

尿サンプルを提供してくれた愛猫達

うちの場合は多頭飼いですから、健康な猫のオシッコやウンチと、問題のある猫のそれらを簡単に比較できます。でも、下痢便・血便等ならわかりやすいですが、猫の腎臓病はゆっくり悪化し、尿もそれとともに徐々に薄く・多くなっていくため、気づきにくいものです。

単独飼育の場合は、若い時から定期的に尿の写真を撮っておくことをお勧めします。「ウンチやオシッコの写真!?」なんて言わないでくださいね。それが将来、健康管理の良いバロメーターになるかもしれないのですから。

ハナ、腎不全の猫
腎不全尿のサンプルはこの子の尿です。撮影時17歳。
栄ちっち、くるるん、腎不全ではない
8歳♂(向かって右、猫砂の子)と、11歳♀(左、ペットシーツの子)

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