日本人のウンチの話
尾籠な話で恐縮ですが
猫砂等で実験してこちらのコンテンツを作ったとき
人の排便量についても調べました。現代日本人の排便量は150-200g/日とされているそうです。
それを見て、あれ?っと思いました。というのも私はそれまで、子供の頃にどこかで読んだ「人の排便量は300-350g/日」をずっと信じてきたからでした。ずいぶん多く間違えていたものだ、と、最初は思ったのですが。
さらに調べて、まんざら記憶違いでもなかったらしいことがわかりました。
戦前の日本人の排便量は令和のなんと2倍、400gもあったそうです。それが、食の欧米化とともに減少し、とくに若年層では減って今では150gしかないとか。
昭和の子供時代に人の排便量を300-350gと記憶したのは、きっとその当時としては正解だったのでしょう。その後、日本人の排便量の方が減ったのです。
と知りますと、当然、では自分は今、どのくらい出しているのだろうかと興味がわいてきます。
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自分のウンチ量を計る
計測してみました。
●排便はできるだけ溜めて1回でスッキリ全部出るように心がけます。
●トイレに体重計を置き、排便直前と直後に体重を計り、差をメモします。
それを何日か続けました。
うちの体重計は0.1kg(100g)までしか表示されませんので、細かい数字まではわかりません。が、平均で、0.3kg減っていました。表示は四捨五入とのこと。ということは、0.3kg=250g-349g。
私は平均300gを出していることがわかりました。-0.4kgの日もありましたから、四捨五入の四捨の方(300g超)と推測。私の体はやはり昭和?
いえ、食事内容でしょう。自分で育てた野菜を中心とするプラントベースの食事は、令和より昭和に近い食事ということなのでしょう。
それにしても、小柄な初老女が、ガタイの良い若者たちや大柄なアメリカ人より出す量が多いって、なんというか、ちょっと恥ずかしいような(なら公表するなよ)。
しかし、ということはですよ。もしヴィーガン/ベジタリアン人口が増えたら、トイレ業界も計算しなおす必要がでてくるかもしれないということですね。
トイレでいちどに流す水量はどんどん減ってきていますけれど、その理由は、便器形状の研究が進んだというのが最大の理由と思いますが、排便量が減ったというのも多少はあるでしょう。もし排便量が昭和に戻るなら、水量も増やさないとならないかも。
※TOTO株式会社によりますと、水洗トイレで1回に流す水量は、1976年以前は20リットル、1999年で8リットル、現在では最小モデルで3.8リットル(大洗浄)だそうです。
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日本人のウンチ量は減っている
長谷川政美著『ウンチ学博士のうんちく』(海鳴社、2019年、ISBN:9784875253464)という面白い本があります。それによれば、
●ヒトの糞の量は、1日当たり20~1500グラムで、欧米人はだいたい100~200グラムの範囲。(page30)
●アフリカの辺境の地に住む人々は欧米人の3~5倍(page31)
●イギリス人女性は104グラム、ウガンダ人女性は470グラム(page23)
●ニューギニア高地人のなかには糞の量が非常に多くて時に一日1000グラムを超える人たちがいる(page30)
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排便量の国際比較のグラフを掲載しているサイトもみつけました。
↓【社会実情データ図録】様より、グラフ拝借↓
日本人より、全体的に体の大きいアメリカ人の方が排便量が少ないとは意外ですね。
これについては面白い話があるそうです。
それに関連し江第二次世界大戦中の激戦地だったガダルカナル島でのエピソードがあります。アメリカ軍は日本軍の露営地に残された糞の量から日本軍の兵力を割り出そうとしましたが、日本人一人あたりの糞の量が多いことを知らなかったため、実際より4倍もの兵力があると推定していました。当時の日本人の糞の量は一人当たり一日およそ400グラムだったのですが、アメリカ人の糞は100グラムしかなかったのです
(長谷川政美「ウンチ学博士のうんちく」海鳴社、2019年、p.29)
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私の未来構想に、江戸時代に回帰するというのがあります。
大量に排出されている人間の糞尿を、捨てるのではなく、江戸時代のようにすべて回収して堆肥化して農業に使う。それができたらどんなに良いか!
江戸時代の江戸は人口100万を超える大都会でした。一八〇一年のロンドン、パリの人口は、それぞれおよそ86万、54万で、江戸は中国の北京と並んで世界最大の都市でした。このような巨大都市で清潔さが維持できたのは、糞尿の価値を認めてこれを経済システムに組み込んだ近隣農民のおかげだったのです。
(長谷川政美「ウンチ学博士のうんちく」海鳴社、2019年、p94)
化学肥料は日本は大半を輸入に頼っている一方、世界的な資源不足が懸念されています。その一方、現代でも、牛糞・鶏糞はふつうにホームセンターで売っていますし、珍しいところでは動物園の象糞なども堆肥化されています。
人糞も昔のように堆肥化して使えばいいのに、と思うのですが、ダメですか?
人類が、排泄物を即座に水に流すよう努力してきた理由の一つに、感染病対策というのがあります。でも人類が本気になれば、現在の快適な排泄システムを維持しつつ、排泄物を効率よく収集して安全に堆肥化する仕組みも作れそうな気がするのですけれど。
そんな未来は来てくれるのでしょうか?それこそ、サステイナブルな社会構造になります!
さいごに、・・・😀
300グラムのウンチをもりもりっと出すのは快感ですよ!固すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い固さの健康的なウンチを300グラム、サクっと出したあとは思わず「きもちいい~~!」と声が出るほど、体がすっきりします。多分150グラムぽっちでは味わえない快感度です。
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おまけの話
藤田紘一郎著『パラサイトの教え』に、日本のトイレ事情について、おもしろい話があります。
便器で有名なTOTOさんが僕のところに来ました。便器を抗菌仕様にするとおしりがかぶれます。だから、うちの便器は「抗菌度を落として」きました。ですから、今は抗菌仕様といっても、菌にはほとんど影響を与えていません。それでこれからは「TOTOの便器は抗菌剤で処理していない」ことをユーザーに説明します、というのです。僕はこれは本当によいことだからすぐ実行して下さい、と頼みました。ところが、TOTOさんの同業会社のINAXさんが「うちの便器は抗菌剤使用です」と宣伝したら、売り上げが逆転してしまいました。
(p.39~)
さらに、ウォシュレットばかりを使っている人は、紙で拭いただけではお尻が痛くなるそうですが、その理由が、
しかし、一日に何度もおしりをウォッシュレットで洗っていると、おしりの皮膚を守っている皮膚常在菌が流されて、おしりの皮膚が中性になってしまう。そうすると、ウンコの中のちょっとしたバイ菌にやられて、おしりが痛くなるのだ。皮膚常在菌がいるおかげで、皮膚の脂肪を脂肪酸に変化させ、皮膚を酸性に保つことができる。だから、悪いバイ菌がきてもはねのけてしまうというわけだ。
(p.82)
ちなみに・・・うちのトイレはウォッシュレットではありません。ですから今も紙で拭いていますが、お尻が痛くなったことは一度もありません(*´∀`*)
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