ライオンはあなたよりヴィーガンですけど?

アンチ・ヴィーガンの人達の反論。
「肉を食べちゃいけないなら、ライオンがシマウマを食べるのもダメってことだよな。まずライオンにヴィーガンになれって言えよ」
テンプレートといってもよいくらいのお決まりの反論。

でもね。
私からしてみれば、
「いえいえ、ライオンの方が、一般的な日本人より、よほどヴィーガンなんですけど?」

論を進める前に、まず、「ヴィーガン/ヴィーガニズム」とは何か、正しくご理解いただかなければなりません。
ほとんどの人が間違って理解しているために、トンデモ反論が噴出するのです。
間違った理解のままでは話になりません。

The Vegan Societyによれば、(https://www.vegansociety.com/go-vegan/definition-veganism

ヴィーガニズムとは、可能かつ実践可能な限り、食用、衣料用、その他のあらゆる目的のために動物を搾取したり、動物に残酷な扱いをしたりすることを排除しようとする哲学であり、生き方である。さらに、動物、人間、環境の利益のために、アニマルフリーの代替品の開発と使用を促進することである。

https://www.vegansociety.com/go-vegan/definition-veganism

上をよーくお読みくださいね。
そしてちゃんと理解してくださいね。

ヴィーガンとは「完全菜食主義者」のことではありません。
「植物だけを食べること」ではありません。

ヴィーガンとは
「脱搾取派=動物を搾取したり、動物に残酷な扱いをしたりすることを可能な限り排除しようとする生き方」
を実践する人のことです。
不必要に動物達を殺さない・苦しめない生き方のことです。

そこをしっかりご理解いただいた上で、「ライオンの方が一般的な日本人より、よほどヴィーガンである」という私の論証をお読みください。

なお、ヒトも動物の一種です。ですから本来は人間と動物を分けること自体が間違っているわけですが、便宜上、「人間=ホモ・サピエンス種」「動物=ホモ・サピエンスを除く動物界に属する生き物種」と定義することとします。

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ライオンが獲る獲物はその直前までは自由に暮らしている。
人間の家畜は生まれた瞬間から囚われの身。

ライオンが獲る獲物はその直前までは好きなだけ動き回れる。
人間の家畜は行動範囲を制限されている。それはしばしば、あまりに狭く限られた範囲である。

ライオンは自分が知っている限りをつくして獲物が最短の方法で死ぬように尽くす。たいていわずか数分だ。
人間の家畜、とくに屠殺場まで運搬される家畜は、殺されるまで何時間も、しばしば何日も苦しむ。

ライオンの獲物は逃げるチャンスがある。ライオンの狩りの成功率は20〜30%だが、それはライオンが獲物を狙って行動を起こしてからの確率。ライオンが行動を起こす前に獲物が気づけば逃げられる確率はさらに高くなる。
人間の家畜には逃げるチャンスは無い。

ライオンは自分の牙と爪で殺した獲物と知っている。どのように死んだかも知っている。
人間の多くは考えたこともないか、あえて考えようとしないか、知る機会があっても忘れようとする。

ライオンは同一個体を一つの目的のために意図的に繰り返し苦しめることはない。
人間は同一個体から繰り返しダウンをむしり取ったり、レイプして無理矢理出産させては仔を奪ったりする行為を、その個体が健康上耐えられる極限まで繰り返し、その後、殺す。

ライオンは、獲物を捕らえる数分の間しか動物を傷つけない。
人間は、家畜を食料として殺す前にも、くり返し動物を傷つける。麻酔無しの去勢・麻酔無しの断尾/断耳/断嘴/抜歯・麻酔無しのミュールジング・麻酔無しの除角・麻酔無しの焼きごて・麻酔無しの毛や羽毛の毟り取り・その他、書ききれない。

ライオンは獲物をレイプしない。
人間は家畜もペットもレイプで繁殖させる。

ライオンは空腹な時だけ殺す。
人間は満腹でも殺し、余らせて、生ごみとして焼却する。

ライオンは自分の生命維持に必要なだけの量の獲物を殺す。
人間は必要以上に殺して残りを捨てる。

ライオンは自分の楽しみだけのためには殺さない。獲物にじゃれて遊んでいるように見える場合も、それは狩りの練習であり、つまり自身の命に直結する行為のためである。しかもじゃれるのは子ライオンだけ。狩りの技術を習得したライオンは無駄に殺さない。
人間は殺しを楽しむだけのために殺す。それも大量に殺す。

ライオンが殺した獲物は決して無駄にされない。すべて誰かの栄養分となり、残された最後の破片まで分解され土に戻る。
人間は欲しい部分以外は捨てる。それは多くの場合焼却処分である。

ライオンは動物の一部だけを欲して殺害することはない。たとえば蹄一個をおもちゃにするためにシマウマを殺すことはない。
人間は動物の一部のみが欲しくて殺す。それがたとえ羽1枚であっても、ときには写真を1枚撮りたいだけであっても。

ライオンは他の動物を着ない。
人間は、ほかにいくらでも代替品があるにもかかわらず、生きたまま毛皮をはいで着る。その毛皮コートは、しばしば、年1~2回の特別なお出かけの時だけ用だったりもする。

ライオンは肉を食べるしかないように進化した動物なので肉を食べる。
人間は肉を食べなくてもよい動物だが肉を食べる。

ライオンの体は肉を消化するようにできているので、少しくらい悪くなった肉でも平気で食べられる。
人間の体は肉を消化するようにはできていないので、少しでも悪くなった肉を食べれば(時には少しも悪くなっていない肉でも)たちまちお腹を壊す。そのため肉を安全に食べるには加熱する必要がある。

ライオンの歯や爪は肉食用に進化している。
人間の歯や爪は肉食用には進化していないので、加熱するか道具で細かく切り刻む必要がある。

ライオンの食糧は地産地消。
人間の肉のほとんどは遠くから、ときには飛行機で運ばれてくる。

ライオンは、ただ殺すだけのために遠出しない。
人間は殺すだけのためにいくらでも遠出する。飛行機に乗って地球の反対側まで出かけることもある。自分の手で直接動物を殺すハンターだけでない。グルメ旅行もしばしば不必要に殺すための遠出となっていることに変わりはない。

ライオンは見て楽しむだけのために動物を監禁しない。
人間は見て楽しむだけのために、動物園をつくり、水族館をつくり、自分でも動物を閉じ込めて飼う。

ライオンは自分の私欲のために他の動物を使役しない。
人間は金銭欲他私欲のために家畜を使うが、その家畜が使役不能になると殺す。

ライオンは他の動物に無理やり芸をさせたりしない。
人間は金儲けのために動物を訓練して芸をさせ、その動物が期待通りに芸をしなかったり、年老いて役に立たなくなれば殺す。

ライオンは農作は出来ない。自然破壊もしない。
人間は農作できるので、自然を破壊してそこに生活する動物達を追い出し、農地で作物をつくるが、その作物をまず拘束した家畜に食べさせ、その家畜の一部を食べ、残りを捨てる。

etc.,etc.

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上記↑をお読みになっても、まだ納得できない方はこちらのブログ↓をご覧ください。人間が動物達をどのように扱っているかがわかるでしょう。
※注:可哀想な画像が多くあります。心が優しすぎる方は閲覧注意です。

チロ・ツグミ・メリーと動物問題 ~VEGAN~https://chirotsugu.com/ より

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こちらの動画も。必ず再生して最後までご覧ください。逃げないでください。

以下は、日本語版吹き替え版と、オリジナルの英語版。
※注:可哀想な画像が多くあります。心が優しすぎる方は閲覧注意です。

 

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繰り返します。

ヴィーガニズムとは、可能かつ実践可能な限り、食用、衣料用、その他のあらゆる目的のために動物を搾取したり、動物に残酷な扱いをしたりすることを排除しようとする哲学であり、生き方である。さらに、動物、人間、環境の利益のために、アニマルフリーの代替品の開発と使用を促進することである。

ヴィーガニズム=肉を食べないこと(誤)

ヴィーガニズム=実践可能な限り動物を殺したり苦しめたりしない生き方のこと

ライオンと人間。

どちらが、より「動物を必要以上に殺して」いますか?
どちらが、より「動物を無駄に苦しめて」いますか?

どちらが、より「ヴィーガン的」な生き方をしていますか?

子猫と子ライオン

The Vegan Society

“Veganism is a philosophy and way of living which seeks to exclude—as far as is possible and practicable—all forms of exploitation of, and cruelty to, animals for food, clothing or any other purpose; and by extension, promotes the development and use of animal-free alternatives for the benefit of animals, humans and the environment. In dietary terms it denotes the practice of dispensing with all products derived wholly or partly from animals.”

https://www.vegansociety.com/go-vegan/definition-veganism
People talk sometimes of a bestial cruelty, but that's a great injustice and insult to the beasts; a beast can never be so cruel as a man, so artistically cruel. The tiger only tears and gnaws, that's all he can do. He would never think of nailing people by the ears, even if he were able to do it. - Fyodor Dostoevsky

「実際の話が、よく人間の残忍な行為を《鬼畜のようだ》なんていうけれど、そんな形容は獣類に甚だ不公平だし、且つ侮辱に値するものだよ。だってお前、獣は決して人間のように残忍でなどあり得ないからね。そんなに凝った、芸術的な残忍さなんか、獣には発揮できやしないよ。虎だって咬むとか食いちぎるとか、そんなことしかできやしない。ひと晩じゅう人間の耳を釘づけにしておくなんて、よしんば実際にできるとしても、虎のあたまには思い及ばないことなんだよ。」
ドストエフスキー 原久一郎訳『カラマーゾフの兄弟』第五編四「叛逆」(新潮文庫) 

“People talk sometimes of a bestial cruelty, but that’s a great injustice and insult to the beasts; a beast can never be so cruel as a man, so artistically cruel. The tiger only tears and gnaws, that’s all he can do. He would never think of nailing people by the ears, even if he were able to do it.”
―Fyodor Dostoevsky (2017). “The Brothers Karamazov (English Russian Edition illustrated): Братья Карамазовы (англо-русская редакция иллюстрированная)”, p.565, Clap Publishing, LLC.

(注:この会話の直前に、「人家を焼く、人を斬る、女子供に暴行を加える、捕虜の耳を塀に釘づけにしたまんま、終夜ほったらかしておいて、朝になるとくびり殺してしまう」ということばがあります。)

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