顕微鏡で自宅で猫尿チェック
*同居の工夫:猫と暮らす知恵*
顕微鏡で自宅で猫尿チェック
【著:すぎたま様 2017年10月1日】
顕微鏡を購入
顕微鏡を購入し、用品をそろえ、実際に見てみたんですが…。
一応性能としては以下の感じで
- 400倍が見られる
- カメラ接続可能
- 学生顕微鏡のレベル(生物系の学生や小学生から高校生くらい生徒さんが、実験で使うくらい)
- 双眼。メカニカルステージ。透過ライト付き。
…という感じで「アーテック3MD400」を選択。
ところが、それだけだとしっこの潜血はなかなかよく見えない。遠心分離機が必要だ、ということで、卓上の電池式遠心分離機[PR]と、それ用のエッペンドルフチューブ[PR](密閉式の超小型試験管のようなもの)も購入。
それで見てみましたが、以下の問題が…。
- 自分の飛蚊症を拾ってしまう(笑)
- おしっこ1回分のうちの1ccをスポイトで取って、それを遠心機で回し、沈んだものを1~2滴なので、目的のものがプレパラートに出来るか難しい
- 自分のまつげの映り込み、眼球表面のゴミの流れが反射して写り、細菌などと勘違いしてしまう
- ピントのあわせは難しく、接眼レンズにデジタルカメラを当てて撮影する(コリメート法)のはなかなか鮮明な画像が撮れない
…ということで、専用の動画撮影も可能な鏡筒に差し込んで使うカメラを投入!。
ところがですね、このカメラがなんと131万画素…。
この画素数の問題点は、視野の広さから見て、これ以上画素数を増やしても、暗くなるとメーカーは考えているのかもしれません。これはもしかすると、光学顕微鏡の特性かもしれませんが、それにしても…。
画像を作りましたのでご覧下さい。
左側顕微鏡本体と上部のケーブルがついている部分がカメラ。
小形遠心機とチューブ、スポイト類。
撮影した画像。散らばって見えるのが血球細胞など。
今のところこの「システム構築」では、諭吉さんを15人くらい派遣してしまいました…。高いです。システム側から見れば、「やや高画質のスマホを、固定器具(顕微鏡接眼レンズ取り付けスマホアダプタ等で検索)に取り付けて観察・撮影」のほうが簡単ではないかという気はします。
人的な話としては、この種の光学機器を使っての「観察」は、ある程度のスクリーニング検査(細菌がいるのか、どの程度の血球細胞があるのか等)には使えると思いますが、病気かどうかの判断をして、対処を考えるのは獣医の役目だと思うので、頻繁にチェックしたい事情がある場合以外は、その必要性はよく考えたほうがいいかとは思いました。
その他の補足といたしまして、顕微鏡用カメラとしては、
http://www.3rrr.co.jp/2013/06/3r-dkmc01.html
このようなものもあるようです(メーカーHP)。実売価格は19800円位ですが、だいたいの顕微鏡に付けられるようです。視野を広くする0.5倍レンズがついて、アダプターが付き、500万画素です(これくらいあれば、普通に見るには十分かと)。
アドバイスやコツ
昨日ちょうどうちの猫の通院をしたのですが(尿潜血…)、その際先生からのアドバイス。
「遠心機で中身と上澄みに分かれたものを、プレパラート用に取る時に、まず上澄みを0.1~0.2CC残して捨てる。それから残りの部分を一度エッペンドルフチューブごと手で振って、再度混ぜてしまう。そうして混ざったものから1滴分取ると、割とうまく細胞などが散らばったサンプルが得られる」
…のだそうです。今度やってみます(笑)。
また、先生のところのモニタも見せていただきましたが、もう少し全体を明るめに(光源の絞りを開けるなど)し、カメラの設定でもっと画面全体に見えている視野の中央部のみ写し、回りの黒い部分を除去するように見る方が、見やすいのかもしれないと思いました。絞りや「コンデンサ」と呼ばれる部品が、顕微鏡についていますが、ここの設定を適切にすることも大事なようです(添付画像の色むらが出ているのは、これらの調整がまだうまくいっていないためと思えます)。
でも、一見奥が深く、多少の試行錯誤が必要ではありますが、慣れてしまえば、便利なツールになり得ます。何しろ医院に持って行かなくとも、わかるデータがあるかもしれないのですから。近い将来、または先生によっては、あらかじめカメラで撮影した画像をPCで加工、そのまま先生のアドレスに送信して、「簡易遠隔診断」してもらうことも、不可能な夢ではありませんね。
それで値段の件は、モニタやスマホに映してみる前提にするのであれば、ごく普通の顕微鏡で問題ないと思います。双眼でなくてもよさそうですし、大まかな位置合わせやピントのだいたいの合わせだけしてから、あとはモニタやスマホで画像を見ながら、ということであれば、ぶっちゃけ「ちゃんと400倍までの倍率で映っていれば良い」わけなので、中学生用でも問題ないと思います。
まあ、カメラ専用鏡筒(3眼顕微鏡という言い方に)があれば便利だし(顕微鏡本体の横の棒を引っ張るとカメラ、押し込むと目というように光の向きが変わります)、LED光源だとメンテが楽とかありますが、「猫のしっこ」ばかり見るわけでも無い(それじゃあまりに実験室的で面白くないですよね(笑))のであれば、もっと自由に選んでいいのかもしれません。
遠心機や、それ用のエッペンドルフチューブ、スポイトなどは遠心機以外使い捨てにせざるを得ないので、安く売っている業者を探すことになります。
機材もそうですが、「学生顕微鏡」などで検索し、「送料無料!×××の最安値」などと、妙な外国ドメインや.comドメインになっているところは、たとえ在庫ありになっていても、変に安かったりして、保証がどうなのか、在庫切れの時に支払ったお金の返金は…など、疑問な点が多いので、やはり「楽天」や、「ヤフーショッピング」、「モノタロウ」他の大手通販会社や、直販ネットショップのほうが、高くても安心できると思います。
その他の補足事項
【著:すぎたま様 2017年11月27日】
●レンズの汚れに注意
対物レンズは、ピントが合わない時、よくプレパラートにぶつけてしまいます。これは慣れないとよく起こることなんですが、この時に「スプリング内蔵レンズ」(型番がX40Sなど、Sという記号が入っているのが多いようです)ですと、プレパラートやレンズ自身を壊さないですむのですが、レンズ先端が試料で汚れることがあります。特に水分を多量に含む場合は、カバーグラスの間から試料が漏れ、それがレンズを汚しているのに、気づかず観察を続けていることがあります
よくピントが合わなくて困る時は、一度対物レンズを外して、柔らかい綿棒などに、レンズクリーナー液を付けてそっと掃除してみることをおすすめします。私の場合、レンズを外したら、レンズのどこから出たのか、緑青が出ていました(爆)。
●対物レンズがはずれにくい場合
対物レンズはねじ込んであるだけなので、レンズ穴に対して「反時計回り」に回せばはずれるはずですが、このネジが固くなってしまっていることがあります。そのような場合は、市販の「滑り止めマット」を小さく切り、それごとレンズを回すようにすると、はずれやすくなります。
●レンズ類を破損した場合など
対物レンズや接眼レンズも、壊してしまったり、別な倍率のものが欲しくなったりする場合が考えられます。たいていの顕微鏡は、そのあたりの規格が共通化されている(はず)なので、他機種用のものを転用しても大丈夫だと思います。
●油浸レンズについて
倍率の大きい対物レンズは、試料-空気-レンズというように、間に空気層が入ると、よく見えないことになるそうです。そのためカバーグラスとレンズの間を、専用の油で満たすようにするものがほとんどです(型番にX**oilなどの表記あり)。これは扱いにくいので、そこまでの高倍率は求めない方が楽ですが、どうしても必要な場合は、使った油は必ず拭き取っておくようにします。
●光源が反射式(自然光か天井灯などの光を鏡筒に反射させるタイプ)の光源の確保
小学校の実験などでは、窓際に向けることで対処しますが、夜にも観察する大人の場合は、それでは困ることがあります。簡易的にはそのような場合、クリップライトなどにLED電球を付けて反射鏡に光を当てれば、必要な光量が得られることもあります。
copyright of this chapter ©2017 すぎたま all rights reserved
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