化粧品に含まれる動物由来成分について

↓こちらのページ↓の続きです。

 

動物由来成分の美容オイル・保湿クリームは意外と多い

顔や体につける美容オイル/美容クリームには、多くの動物由来成分が使われています。以下のような成分名が表示されている商品は気をつけて下さい。

【注】記載されやすい原材料名・成分名で書いていますので、含まれる化学成分には重複するものがあります。また同名の植物由来の成分が存在するものもあります。

※「乳酸」=乳酸はAHA(α-ヒドロキシ酸)と呼ばれる酸の一種のこと。乳製品みたいで紛らわしい名前ですが、化粧品に使われる乳酸は、サトウキビやトウモロコシなどの植物由来の糖やデンプンを乳酸菌(ラクトバチルス属など)で発酵させて作られたものです。動物由来の乳酸使用は理論上は可能だが実際に使われることはまず無いとのことです。

 

コラーゲン・ゼラチン

ご存じ、動物タンパク質です。ヒトの体にも多く含まれていて、全タンパク質の約30%を占めるといわれています。その役目は、細胞と細胞をつなぎ合わせる接着剤のようなものとして、骨の柔軟性を保つ、血管壁を構成して強さや柔軟性を維持する、軟骨の主成分として関節の動きを支えるなど様々な役割がありますが、化粧品関係では、お肌のハリや弾力を保つ効果が期待される成分です。

化粧品に配合されるコラーゲンは主に、豚や牛の皮・骨、および、魚の鱗・皮などから採取・精製されたものとなります。コラーゲンに熱を加えて抽出・精製したものがゼラチンとなります。

 

生成AI画像(NanoBanana)牛、豚、鮫、マグロ
生成AI画像

馬油(ばあゆ/マーユ)

その名の通り、馬の皮下脂肪から採取される動物性油脂。肌に浸透しやすいとされる「馬セラミド」分が入っているなど、人間の皮脂と脂肪酸の構成が非常に似ていて肌なじみが良く、保湿力が高いといわれています。お顔のスキンケアや、ひじやかかとの角質ケアのほか、髪の毛のパサつきケア、さらに石鹸までと、様々に使われています。

そんな馬油の中でももっとも高価とされる「こうね馬油」 。“こうね”とはたてがみ部分の脂肪のことで、1頭の馬からごくわずか(5キロ程度)しか取れず、そこから搾油・精製して作られるのですから、量もわずかでしょう。そんなものを商品化し一般に販売するためには何頭の馬が殺される必要があるのか、考えたくもありません。

【注】参考サイト:横濱馬馬油商店:「馬油の豆知識vol.3 『馬刺の人気部位「こうね」は、 上質な馬油が取れるたてがみ下の脂』

馬のフリー写真 

 

エミューオイル

オーストラリア大陸の固有種で、ダチョウに次ぐ飛べない巨鳥「エミュー」の皮下脂肪から抽出される動物性オイルです。人間の皮脂成分に極めて近い必須脂肪酸(オメガ3・6・9)を含んでおり、優れた浸透力と高い保湿力で乾燥肌や敏感肌のスキンケアから全身のボディケアまで幅広く使われています。

エミュー1頭からは、およそ4〜5リットル(約250オンス)の精製エミューオイルが採取されるそうです。そんなエミューオイルの世界市場は2026年に約3億8,755万米ドルと評価され、年平均成長率(CAGR)約7%で推移しているとか。どれだけのエミューを殺そうというのでしょうか?

【注】参考:Global Information / エミューオイル市場:製品タイプ別、販売チャネル別、用途別、エンドユーザー別- 世界の予測2026-2032年

エミュー親子のフリー画像

 

オーストリッチオイル(ダチョウ油)

ダチョウ(オーストリッチ)の脂肪組織より搾油され、精製された油。

オーストリッチオイルにはオレイン酸とパルミチン酸が約70%以上含まれており、皮膚浸透性が高いので保湿剤等でも活用されています。また、人体に元々備わっていて「若さの脂肪酸」と言われる不飽和脂肪酸のパルミトレイン酸も豊富に含有されています。

山桂産業株式会社

オーストリッチオイルは人間の皮脂成分に非常に近く、体温(約28℃)ですっと溶けて角質層の隅々に浸透するのが特徴だそうで、保湿力に優れながらベタつかないので、基礎化粧品やエイジングケア、サンタンオイル、その他に使われています。

 

ラノリン

羊の毛から抽出される天然の羊毛脂(ウールグリース)を精製した成分。非常に高い保湿力(抱水性エモリエント効果)のほか、光沢付与や乳化安定化効果があるとされ、メイクアップ製品、化粧下地製品、スキンケア製品、コンディショナー製品、トリートメント製品、ボディケア製品、ハンドケア製品、洗顔料など様々な製品に使用されています

上で青いニベアに入っていた動物由来成分のラノリンアルコールとは、このラノリンの加水分解により得られる高級アルコールとステロールの混合物です。

【注】参考サイト:化粧成分オンラインラノリンの基本情報・配合目的・安全性

羊親子のフリー画像

スクワラン

調べているうちに、私が一番問題があると思った動物由来成分です。

スクワランは、「スクワレン」に水素を加えて生成された成分のこと。その「スクワレン」は、深海鮫が過酷な環境で生き抜くために体重の25%もある巨大な肝臓で作り出す肝油(不飽和脂肪酸の一種)から採取されます

【注】参考サイト:株式会社SUNAO製薬スクワレン

この「スクワレン」は、免疫反応を強めてワクチンの効果を高める「アジュバント」(抗原性補強剤)としても使われるもので、コロナ禍に大量消費されたことで、保護活動家たちに注目されました。 

世界全体では、密漁も合わせると毎年数千万頭のサメが捕獲、取引されている。大半は肉やヒレが目的だが、スクアレンが目的で捕獲されるサメも300万頭以上にのぼる。1トンのスクアレンを抽出するには、2500頭から3000頭のサメの肝臓が必要だ。

ただでさえ、サメの種の3分の1は絶滅の危機にひんしており、保護活動家たちは、ワクチンに使われるスクアレンの需要が高まることを危惧している。

「サメなどの有限な自然資源では、まかないきれない需要です」と話すのは、米カリフォルニア州を本拠地とする非営利保護団体「シャーク・アリーズ」の創設者兼事務局長のステファニー・ブレンドル氏だ。

ただし、スクアレンのうち、ワクチンに使われるのはわずか1%にすぎない。用途の大半は、日焼け止め、肌用クリーム、保湿剤などの化粧品だ。それでも、世界の人口が増えているため、ワクチンに使用される量は増える一方だ。しかも、医学の専門家によれば、新型コロナウイルス感染症のワクチンは1度接種すれば終わりではなく、複数回の接種が必要になる可能性もある。

日本経済新聞NIKKEI STYLEサメの絶滅を加速? コロナワクチンで狙われる肝油(2020年12月14日) 

 

乱暴な言い方をすれば、馬・羊は家畜であり、繁殖方法は確立しています。エミューも、その人工孵化成功率は1/3以下と低いものの、人の手による繁殖や飼育は可能で、最悪の事態=絶滅は防げます。

しかし、深海サメは養殖もできません。捕りすぎればたちまち絶滅してしまう生き物です。

そのようなサメたちを、たかが肌の保湿のために、大量殺戮してよいものでしょうか?サメを殺さなくても植物性の保湿クリーム・保湿オイルはわんさとあるというのに?

たかが保湿のために殺されたのでは、まさにサメたちも「救ワレン」です。使用するのは止めましょう!

 

幸いなことに、サトウキビやオリーブ由来の「植物性スクワラン」というものもあります。保湿化粧品を購入するときは、裏書きをよく読んで、「植物性スクワラン」であることを確認して下さい。

シュモクザメ。https://unsplash.com/ Michael Wordenが撮影したイラスト素材
https://unsplash.com/ Michael Wordenが撮影したシュモクザメ(Hammer Head Shark)のイラスト素材。
アカシュモクザメ(Sphyrna lewini、絶滅危惧種)は主に浅海や外洋の表層に生息するサメだが、狩りのために水深800メートル以上の深海へ繰り返し潜水することが知られている。

 

プラセンタ

プラセンタとは、哺乳動物の「胎盤(たいばん)」から抽出されたエキスのことで、10数種類のアミノ酸や多種のビタミン、ミネラル、酵素をはじめ、栄養成分や成長因子が豊富に含まれています。豚や馬などの動物から主に作られるほかに、魚卵を包んでいる卵巣膜から抽出した「海洋性プラセンタ」もあります。
プラセンタの主な効果美容には、肌のターンオーバーを整える、シミやくすみを改善する、コラーゲン生成によるハリ・弾力を維持する、等が期待できるとされています。

※最近では、胎盤と似た働きをする、発芽が起きる部分胎座から抽出した「植物性プラセンタ」も登場しています。

 

妊娠しないと胎盤も作られません。ってことは・・・

 

はちみつ、みつろう(蜜蝋)、ローヤルゼリー

ミツロウは、ミツバチが巣を作るために分泌する天然のロウ(ワックス)です。ミツロウの主成分はロウエステル(ワックスエステル)と呼ばれるもので、飽和脂肪酸であるパルミチン酸や高級アルコールであるミリシルアルコールなどが含まれます。保湿効果や抗菌・防水作用があるとされており、ハンドクリームなどの化粧品のほか、家具や床用のワックス、革製品のメンテナンス、ろうそく、クレヨンの材料、エコラップにまで、幅広く使われています。

ローヤルゼリーは、働き蜂が女王蜂だけのために分泌する栄養豊富な「王乳」のこと。働き蜂が分泌する乳白色の天然物質です。特有成分のデセン酸(脂肪酸)をはじめ40種以上の栄養素(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)を含み、栄養補助食品、化粧品、医薬品その他、様々な用途に使われています。

【参考サイト】はちみつ専門店秋田屋蜜蝋(ミツロウ)とは?、ほか

花にとまるミツバチ

シルク、セリシン

カイコ蛾の幼虫、カイコが作る繭がシルク(絹)の原材料であることは、日本人なら誰でも知っていることです。カイコが繭を作るときに口から出す糸にはセリシンとフィブロインという2種類の液体タンパク質が含まれています。人の肌(角質層)と非常に近いアミノ酸組成を持つため親和性が高く、優れた保湿効果、紫外線防止効果、そしてなめらかな使用感を与える美容成分としてスキンケアやメイクアップに広く活用されているとのことです。

【参考サイト】シルクの化粧品 上智製薬シルクの効果ISILK Co.Ltd.シルクの化粧品効果を徹底解説|フィブロイン・セリシンの保湿・UVケア・エイジングケア成分としての可能性 最終更新日:2026.03.8、ほか

 

蚕と繭

卵(卵殻膜、卵黄油、卵黄レシチン、加水分解卵白)

人間は、鶏たちを、様々な形で、あらゆる段階で利用しています。卵のときは食べたり化粧品等に使い、育てば卵を産ませる道具として使い、産めなくなったり雄の鶏は肉に潰されます。
以下、卵の主な利用法です。

卵殻膜(らんかくまく)エキス

卵の殻の内側にある0.07mmの薄い膜から抽出されます。

『肌の真皮に存在する線維芽細胞にはⅢ型コラーゲンやプロテオグリカン、ヒアルロン酸といった美肌に欠かせない細胞外マトリクス成分を分泌する働きがあり、卵殻膜には線維芽細胞を活性化して分泌を促進させる働きがあることが研究によって実証されました。』
『卵殻膜には、普段の食事ではなかなかバランスよく摂ることの出来ないアミノ酸を自然由来のたんぱく質やペプチドの形で18種類も含有しているだけでなく、人の肌に近いアミノ酸組成で親和性が高く、化粧品として肌なじみがよいのも特長です。』

https://www.almado.co.jp/aboutesm/

卵黄油(らんおうゆ)、卵黄レシチン

卵黄から熱を加えて抽出した油分です。ビタミンEやレシチンやオレイン酸などミネラルを含み、肌を柔軟に保つエモリエント効果があるとされています。
卵黄レシチンは、卵の黄身に多く含まれるリン脂質の一種で、強い乳化作用を持つ成分とされています。

卵黄リゾレシチンは、卵黄に含まれるレシチン(リン脂質)を酵素などで分解し、水となじみやすい性質(親水性)を高めた成分のことです。

※レシチンには「大豆由来(植物性)」と「卵黄由来(動物性)」があります。

加水分解卵白

鶏の卵白を酵素などで分解(加水分解)し、分子を小さくした水溶性のタンパク質(ペプチド)です。水分を保持する力が強く、乾燥を防ぐ働きがあるとされています。

バタリーケージ
このような環境で強制的に産まされた卵をお肌に・・・

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、「N-アセチルグルコサミン」と「グルクロン酸」という2種類の糖が交互に結びついてできたムコ多糖類(糖の一種)です。もともと人間の体内(皮膚、関節、目など)に広く存在している物質で、保水力の高さが特徴です。動物由来と微生物発酵由来とがあります。

【動物由来】

鶏のトサカ、牛の目、サメの軟骨や皮などから抽出・精製されます。最初は医薬品として利用されていましたが、その保湿効果のため、スキンケア化粧品にも配合されるようになりました。現在は微生物発酵由来のヒアルロン酸が主流となりつつも、今なお一定の需要があるようです。

【微生物発酵由来】

安全性と品質の観点から、現在は細菌(主に乳酸菌や連鎖球菌)の培養・発酵技術を用いて作られるのが一般的となっています。

【参考サイト】ファーマテック株式会社ヒアルロン酸の原料って?特徴や抽出・製造方法などを解説 2025.03.14、ほか

 

牛と鶏、生成AI NanoBanana

ケラチン

ケラチンは、毛髪、羊毛、角、爪又は他の類似の動物組織から得られるタンパク質。一般に用いられている化粧品表示名「加水分解ケラチン」は、羊毛(ウール:wool)からつくられたものがほとんどですが、ほかにも羽毛やカシミヤ毛からつくられるものもあります【注】

髪の艶やコンディショニング効果が高く、主にヘアケア製品に使われるほか、保湿化粧水などにも使われます。

【注】参考サイト:化粧品成分オンライン/加水分解ケラチンの基本情報・配合目的・安全性

 

山羊 フリー画像 https://www.photo-ac.com/

コチニール色素(カルミン酸)、シェラック

どちらもカイガラムシの仲間から作られる成分です。

 

コチニール色素(カルミン酸)は、サボテンに寄生するエンジムシ(カイガラムシの一種)の虫体から抽出される天然の赤色着色料。熱や光に非常に強いため、お菓子、清涼飲料水、ハムなどの食品から、口紅などの化粧品に至るまで幅広く使用されています。

 

シェラックは、ラックカイガラムシの分泌液(天然樹脂)から作られます。その用途は、木工や楽器のつや出しニス(セラックニス)、チョコレートなどの光沢剤、医薬品やサプリメントのコーティングのほか、美容目的では自爪を削らないマニキュア(シェラックネイル)などに利用されます。

 

カイガラムシ

 

動物実験をしていないコスメメーカー

どのメーカーが動物実験をしていないかをご確認されたい場合は、こちらの小冊子をおすすめします。残念ながら今の日本市場では、動物由来成分不使用の化粧品類だけを選ぶのは非常に困難です。せめて動物実験をしていないメーカーの製品を選ぶことからはじめてください。それだけでも多くの動物たちが救われます。

 

.

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA