劉基 (りゅうき)【漢詩、明時代】
【文献で詠われた猫たち】シリーズ。
劉基
*昔の中国の漢詩ですから、難しい漢字が多く使われています。お使いの機種によっては漢字が正しく表記されないものもあるかもしれませんが、どうかご了承くださいませ。
題画猫
碧眼烏円食有魚
仰看胡蝶坐階除
春風漾漾吹花影
一任東郊鼠化鴽
『誠意伯文集』巻十七
【注】
最後の文字は“如”の下に“鳥”と書く字で、音読み“じょ”、 訓読み“ふなしうずら”。JISコードにない漢字です。
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【意味】
*これは猫の絵に寄せた歌です。
猫の絵に
碧眼の黒猫は食べる魚もあって太り
階段に坐って胡蝶を仰ぎ見ている
春風が吹いてゆらゆらと花の影が揺れ
鼠が鶉に変身するにまかせている
最後の1行は、昔「田鼠(=もぐら)が鶉に変身する」という自然観があったということを踏まえています。つまり、この猫は、鼠を捕らず、鶉に変身するに任せている、という意味です。
劉基について
1311~1375年。
中国は明代の詩人。
参考文献
- 今村与志雄 「猫談義 今と昔」