陸游(りくゆう)【漢詩、南宋時代】

猫と本

【文献で詠われた猫たち】シリーズ。

陸游 (りくゆう)

*昔の中国の漢詩ですから、難しい漢字が多く使われています。お使いの機種によっては漢字が正しく表記されないものもあるかもしれませんが、どうかご了承くださいませ。

贈猫

裹塩迎得小狸奴
尽護山房万巻書
慚愧家貧策勲薄
寒無氈坐食無魚
 「剣南詩稿」巻15「陸游集」第一冊

【読み方】

猫を贈らる

塩をつつみて小狸奴を迎得たり
尽く山房の万巻の書を護る
慚愧す、家貧しくて策勲薄く
寒きときに氈に坐すことなく食に魚なきを

【意味】

塩を包んで(それと引き換えに)小さな猫(=小狸奴)を迎え得た
我が山房の万巻の書物を(ネズミから)よく護ってくれた。
残念だが家が貧乏で労に報いてやることが出来ない。
寒いときに敷く布団がなく、食べさせてやる魚もない。


十一月四日風雨大作

風巻江湖雨暗村
四山声作海濤翻
渓柴火軟蛮氈暖
我与狸奴不出門
「剣南詩稿」巻26「陸游集」第二冊

【読み方】

風は江湖を巻き、雨、村を暗くし、
四山、声作(おこ)り、海濤翻る
渓柴の火軟(やわらか)く、蛮氈は暖かし
我、狸奴とともに門を出でず

【意味】

風は江湖に吹き荒れ、雨で村は暗い
四方の山は山鳴りし、海も荒れ狂っている
室内は柴の火が柔らかく燃え、敷物は暖かい
自分も猫も門から出ることなく家に閉じこもっている

陸游(りくゆう)について

1125~1210年。
南宋時代の詩人・文人。放翁と号す。越州山陰の人。 田園の描写にすぐれ、また情緒に富む作品が多い。

官歴は不遇で相当貧乏だったらしい。どのくらい貧乏だったかというと、以下の如し。

蔬食(そしょく)

今年徹底して貧なり
復た一肉をも具えず
日高くして空案に対すれば
腸鳴りて車軸を転ず
春薺忽ち已に花さき
老筍竹と成らんと欲す
平成蔬食を飯するも
此に至りて亦た足らず
たれか知らん読書却って少しく進み
飢えを忍んで客に対し堯瞬を談ず
但だ此の道をしてほぼ伝うる有らしむれば
深山に餓死するも吾れ何をか恨まん

【意味】

今年は徹底して貧乏だ
一切れの肉もたくわえもない
日が高い昼間、何もない卓に向かうと
おなかがぐうぐうと、車を転がすような音を立てる
春の菜はもう花をつけているし
筍は竹に育ってしまった
常日頃から粗食を食べなれているけど
今はそれさえ不十分だ
ところが却って勉強ははかどる
空腹を隠して客と堯瞬を論じたり
もし堯瞬のような理想的な政治が保たれるなら
深山に餓死しても自分は何も恨まない

参考文献

三毛猫

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