異物誤飲で開腹手術、術後の腫れ:ハラキリされたノブナガの場合(4/10)

【著】catwings様

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【考察】

きっかけ

以前、コザイの眼球摘出の経過を書こうと思っていて、結局書けずじまいになっていた。

眼球摘出をする猫さんは多くないが、もしかしてノブナガの様な症例は意外と数がいるかも知れないと思い書き始めた。

はるちん様宅のレオ様・・・彼は最終的に毛玉を自力で排出しましたが、場合に寄ったら同じように手術になっていたかもしれない。

黒目勝ちの巻き毛様宅のなると君、彼は紐を飲み込んで手術になってしまった。

と、このサイトだけでも2例も・・・いえ、ノブナガ入れると3例も毛玉を含む異物が詰まってしまった症例がでてしまった。

(ちなみに、黒目勝ちの巻き毛さん宅のなったんは、腸を切り取ったとあったので、手術の説明の図の中の術式のⅡだったと推定される。)

私が毛球症を疑ったそもそもの発端は、nekohon(トロンボーン)さんの本棚の中からドクターヘリオットの本を読んで、その中に長毛の猫さんが毛球症になった話が心の中に残っていたのが発端だ。

それに、レオ様の時のことが重なり記憶に残っていたからだ。

はるちん宅のレオ様の時に、はるちんは対応して下さった若めの先生に、
「いろんな検査をしても原因が分からない・・・」
と言われたと言って悩んでいた。

そこで私はふと思い出したので、こういう話を何かの本で読んだことがある・・・とレスをした。

獣医さんの話で、レオ様と同様の長毛の猫さんが自分の毛でお腹の中に毛球が詰まってしまって具合悪くなってしまった・・・。レオ様のお腹は今、毛が抜けて犬のお腹のようになっているのではないだろうか・・・

はるちんはその猫さんが最終的にどうなったかを知りたかったようだが、私の方には記憶がなかった。その時nekohon(トロンボーン)さんが、
それはドクターヘリオットの本で手術をして良くなった話ではないだろうか・・・
と教えて下さった。

はるちんは再度獣医さんへ行き(院長先生対応だったと思うが)おそらく上手にお話しをしたのだろう、結局毛球症の可能性が高いという話になったと言う事だった。

幸いレオ様は、はるちんがバターを舐めさえたのが良かったのか確定診断がついた後に自力で毛玉を排出することが出来た。

この件は私にとってとても印象深く、クオンもノブナガも長毛なのでいつも注意していた。どこかで同じような症例を見聞きしていたら(たとえそれが書籍でも)、何かの役に立てる可能性がある・・・と思ったのだ。

それが、今回の事を書こうと思った発端だ。

実はわたくし、一度だけレオ様にあったことがあるのだ。

写真13. はレオ様 :上手に毛玉を排出して、手術が避けられた優秀な男

写真14. はノブナガ:変な物喰って、腹切りされた男

考察

毛球にせよ、異物にせよ、腸の中に何かが詰まってしまった・・・と言う状態は同じだ。どのあたりに詰まったかによって症状が違う可能性はありますが、レオ様とノブナガの共通点は

*両方共長毛種なこと
*ある日突然のように食べなくなる
*吐く

の三カ所だ。

実は異物は長毛の方が多い・・・とどこかで読んだので、長毛さんの飼い主は要注意だ。

吐く・・・と一言で言っても、色々あると思う。

ノブナガに限って言えば、その吐き方は

*大量の水分を一気に吐く(約300ml)
(最初はすこしのかりかりや毛玉が混じっていましたが、後の方ではほぼ水分)

*普段の吐き方と違う

この二点に集約する気がする。

約300ml位の根拠:吐いたものを始末する時、特にやや乾きかけだったりした場合には上から水をかけて拭くのだが、その時に使用する水が丁度500ml位だったのだが、水そのものは汚れた面積より少し広めにかけて、かつ表面張力で吐物より少し嵩が高い感じになった・・・そこからの概算だ。

4/24の受診時、超音波をしていただいたのだが(こちらのクリニックは飼い主の目の前で検査してくれる)、ノブナガの胃には大量の液体(まあ、胃液ですね)が溜まっていた。

胃液の分泌は予想外に多い(人の場合1000ml-3000ml/日)。こんなにぱんぱんなら大量の液体を吐くのも頷けると思った。そして、ノブナガは普段、こんなに大量に吐くことは少ない(当たり前か)。

後程気が付いたのだが、ノブナガの吐き方は私がノロになった時と似たような吐き方だった。ノロでも色んな症状の方がいらっしゃると思うが、私がノロになった時には
気持ち悪い、吐きそう、吐きそう・・・吐く・・・
ではなくて、気持ちは悪いのだが、噴水状にほとんど突然口から出てきた。

普通の吐き気だとトイレまでもつのだが、ノロの時にはタオルをもっていないとトイレまでもたない・・・って感じだった。

以前、人用医者に聞いたのだが、ノロは一番最初は小腸の上部(十二指腸あたり)に巣くって、そこの腸の動きが悪くなり腸閉塞に近い状態になり、内容物が口から出てくるのだそうです。そして、その後だんだん下がって行って、下痢になる。

消化管の比較的上の方(小腸)だとそのような吐き方になるのかもしれない。

一方レオ様はどの様に吐いたかはあまり記載されていないが、食べたら吐くって感じだと思う。特に大量の水を吐く・・・と言う表現はなかった。毛玉が詰まってはいたものの最終的には自力で出せたし、毛玉はゆっくりと腸内を進んでいったのかもしれない。もしかしたら水分位は下の方に流れて行っていたのかも・・・

写真15. は長毛でも毛玉や異物と関係なかったクオン

猫は吐くもの・・・という常識があると思います。ノブナガが吐いた時に3回/日という回数だけでは特に問題視するような回数ではないし、獣医さんも最初はそう判断した。最初の受診時に、回数や量、内容物などの客観的事実だけではなくてもっとしっかり

「いつもと違う」

事を伝えられていればもう少し早く対処できたのではないかと反省している。

後、今回に限れば本当に偶然なのですが、4/22-24まで仕事がらみの大きなミーティング(と言ってもこのご時世Webですが)に参加するために有休をとっていたことが幸いしていた。Web開催なので自宅でPCに向かっているだけだったのだ。その最中は、もちろんPCに向かう時間は長いのだが、家事したり買い物行ったり猫撫でたりも全然大丈夫だった。時間を選べば獣医さんへの受診もでき、ある意味、不幸中の幸いだった。

ちらちら書いていたのですが、ノブナガ術後経過もあまりよくなかった。

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