猫に危険な植物:毒!食べさせないで!(11)
*同居の工夫:猫と暮らす知恵*
食べさせないで!その11:有害な植物の種名:や行
猫に有害な植物は700種も
有害植物・有毒植物のうち、代表的なものを集めました。
これ以外にも有害・有毒な植物は多く存在するようです。もし愛猫が何らかの症状を見せた場合、できれば直前に食べた(かもしれない)植物も一緒に獣医師に見せてください。診断の決め手になるかもしれません。
*植物名*
「や」から始まる植物種
【著:管理人 2002年~】
ヤナギタデ(ホンタデ)
- 科名:タデ科
- 症状:血圧低下、皮膚刺激。
- 成分:
ヤマクワイ(キツネノカミソリ)
- 科名:ヒガンバナ科
- 症状:食べた直後に嘔吐、下痢、腹痛、流涎、血圧低下、心不全。重篤になると昏睡、麻痺など。死に至ることもある。球根はとくに毒性が強く、少量でも危険。
- 成分:
ヤマシャクヤク(ノシャクヤク)
- 科名:ボタン科
- 症状:皮膚のかぶれ、嘔吐、胃腸障害、血液低下。根は漢方薬として使われるが、そのまま食べると中毒を発症。
- 成分:
ヤマナスビ(ハシリドコロ、ナナツギキョウ、サワナスビ、オニミルクサ)
- 科名:ナス科
- 症状:ナス科の植物は嘔吐、腹部の痛み、血便、、下痢、めまい、口内の乾燥、呼吸困難などをひきおこすことがある。 けいれん、麻痺などの神経症状、心筋梗塞などに進行し、死ぬことも。ハシリドコロは全草が猛毒なので注意。
- 成分:ヒヨスチアミン hyoscyamine、スコポラミン scopolamine
その他
- ヤツデ(ウコギ科)
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「ゆ」から始まる植物種
【著:管理人 2002年~】
ユズリハ(ツルノキ)
- 科名:ユズリハ科
- 症状:嘔吐、下痢、腹痛、肝障害、黄疸、麻痺。死に至ることもある。
- 成分:
ユリ
- 科名:ユリ科
- 症状:ユリ科の中でも、猫にとって特に危険な品種なので要注意。目に入ると失明の恐れあり。口腔と喉の灼熱感、嘔吐、下痢、沈鬱、脱水症状、尿細管変性、腎臓障害、呼吸困難、手足のしびれ、皮膚の知覚減退、循環不全、中枢全身麻痺など。 時に死亡。葉を1枚かじっただけ、体についた花粉を舐めただけなど、わずかな摂取でも重篤となるケースが報告され、また、摂取してから死亡するまで1週間ほどかかることが多く、その間中苦しむことになるのも可哀想。催奇形性あり。回復しても慢性腎不全や膵炎に移行する危険がある。
- 成分:コルヒチンcolchicine
- 猫のユリ中毒症例:旗谷動物病院[2010/08/10] 猫のユリ中毒。(概要)ユリの花束の葉っぱを噛んだり花弁の一部を食べてしまったと思われる猫が、治療の甲斐も空しく、摂取後8日後に死亡。
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「よ」から始まる植物種
【著:管理人 2002年~】
ヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ)
- 科名:ヤマゴボウ科
- 症状:口腔刺激、嘔吐、下痢、視力障害、呼吸抑制、けいれん、昏睡。死に至ることもある。
- 成分:アルカロイドのフィトラッカトキシン phytolaccatoxin、アグリコンのフィトラッキゲニン phytolaccigenin
ヨウラクボタン(ケマンソウ、フタボシ、タイツリソウ)
- 科名:ケシ科
- 症状:嘔吐、胃腸炎、体温や脈拍の低下、幻覚、呼吸困難、など。死に至ることもある。
- 成分:
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*植物名*
参考文献
【著:管理人 2002年~】
上記はいずれも下記文献を参考にしました。【プロモーションリンク】
- 「伴侶動物が出合う中毒 毒のサイエンスと救急医療の実際」監修:山根義久【管理人書評】
- 「イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科」財団法人動物臨床医学研究所編 【管理人書評】
- 「もっともくわしいネコの病気」矢沢サイエンスオフィス編 【管理人書評】
- 「猫こんなとき救急マニュアル100」高野瀬順子
- 「園芸有毒植物図鑑 -人もペットも気を付けたい-」土橋豊
- 「身近にある毒植物たち -”知らなかった”ではすまされない雑草、野菜、草花の恐るべき仕組み」森昭彦【管理人書評】
- 「毒草を食べてみた」植松黎 【管理人書評】
- 「毒草・薬草事典」船山信次【管理人書評】
管理人は獣医師でも学者でもないため、症状等についてはすべて本からの受け売りです。自分で実験したわけではありません。
もっと知りたい方はどうぞ本をご入手ください。本には対処法も書いてあります。ネットは便利ですが、やはり信頼できるのは書物だと思います。