猫に危険な植物:毒!食べさせないで!(2)
*同居の工夫:猫と暮らす知恵*
食べさせないで!その2:有害な植物を含む科名:さ行~た行
猫に有害な植物は700種も
有害植物・有毒植物のうち、代表的なものを集めました。
これ以外にも有害・有毒な植物は多く存在するようです。もし愛猫が何らかの症状を見せた場合、できれば直前に食べた(かもしれない)植物も一緒に獣医師に見せてください。診断の決め手になるかもしれません。
*植物名*
有害な植物を含む科:さ行
【著:管理人 2002年~】
サクラソウ科
- 種名:サクラソウ、シクラメン、プリムラ、など
- 症状:かぶれ、皮膚炎、口内炎、嘔吐、麻痺、など
- 成分:プリミン primin、シクラミン cyclamin、など
ザクロ科
- 種名:ザクロ、フィロデンドロン、など
- 症状:嘔吐、下痢、胃炎、めまい、運動障害、精神錯乱、失神、中枢神経麻痺、など。最悪死亡。
- 成分:イソペレチェレン isopelletierine、など
サトイモ科
- 種名:カラー(エレファントイヤー)、カラジュウム、カラスビシャク、クワズイモ、サトイモ、スパティフィラム、ディフェンバキア(シロガスリソウ)、ポトス、マムシグサ、など
- 症状:口内炎、舌炎、よだれ、皮膚炎、など。
- 成分:葉に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶と蛋白成分と思われる(未確認)。
シキミ科
- 種名:シキミ(ハナノキ、ハカバナ)
- 症状:嘔吐、下痢、めまい、血圧上昇、全身痙攣、よだれ、など。死亡することも。とくに種子に注意。
- 成分:アニサチンanisatine、など
シュウカイドウ科
- 種名:ベゴニア
- 症状:吐き気、など。
- 成分:シュウ酸塩、など。
ジンチョウゲ科
- 種名:ジンチョウゲ(チンチョウゲ)、など
- 症状:皮膚炎、嘔吐、口内炎、胃炎、など。
- 成分:ダフネチン daphnetin、など
ススキノキ科
- 種名:アロエ、など
- 症状:下痢、など。
- 成分:バルバロイン barbaloin、など
スズラン亜科
- 種名:スズラン、など
- 症状:不整脈、吐き気、下痢、腹痛、など。異常興奮の後、昏睡に陥り、腎不全を起こして死ぬことも。
- 成分:コンバラトキシン convallatoxin、コンバラトキソール convallatoxol、コンバロサイド convalloside、など
ソテツ科
- 種名:ソテツ、など
- 症状:摂取後12時間以内に発症。嘔吐、腹痛、腎不全、黄疸、肝不全、運動失調、昏睡、けいれん、など。死に至ることもある。
- 成分:サイカシン(シカシン) cycasin、など
セリ科
- 種名:ドクゼリ(オオゼリ、ウバゼリ、ウマゼリ、イヌゼリ)、ドクニンジン、など
- 症状:流涎、嘔吐、胃腸炎、行動の異常、ひどいけいれん、ふるえ、など。死に至ることもある。経過が非常に早い。
- 成分:シクトキシン(チクトキシン) cicutoxin、など。
センダン科
- 種名:センダン(アフチ、アカセンダン)、など
- 症状:嘔吐、よだれ、下痢、胃炎、けいれん、運動失調、呼吸停止、心停止、など。ヒト、動物ともに死亡事故が発生。
- 成分:リモノイドテトラテルペン構造を持つメリアトキシン(meliatoxin) A1, A2, B1、など
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有害な植物を含む科:た行
【著:管理人 2002年~】
タデ科
- 種名:ダイオウ(ヤマダイオウ)、ヤナギタデ(ホンタデ)、ルバーブ(ショクヨウダイオウ)、など
- 症状:嘔吐、下痢、黄疸、肝不全、腎不全、不整脈、低カルシウム血症、など。
- 成分:アロエエモジン aloe-emodin、センノシドA sennoside A、など。
ツゲ科
- 種名:ツゲ、など。
- 症状:
- 成分:
ツツジ科
- 種名:アザリア(アゼレア、オランダツツジ、セイヨウツツジ)、アセビ(アシビ)、カルミア、サツキ、シャクナゲ、セイヨウシャクナゲ、ツツジ、ホンシャクナゲ、ハナヒリノキ(クサメノキ)、など
- 症状:よだれ、嘔吐、蹴り、視力障害、筋力低下、徐脈、痙攣、昏睡、など。消化器症状は数時間以内に発生。摂取量が多いと数日で死亡。
- 成分:グラヤノトキシン grayanotoxin、ロードヤポニン rhodojaponin、など
ツヅラフジ科
- 種名:コウモリカズラ(ヘンプクカズラ)、など
- 症状:頻脈、けいれん、神経障害、など。
- 成分:アルカロイド系の有毒成分、など
ツリフネソウ科
- 種名:ツリフネソウ、ホウセンカ、など
- 症状:嘔吐、鎮痛、胃腸障害、子宮収縮。
- 成分:ヘリナル酸、インパティニド、シュウ酸カルシウム calcium oxalate
ツルボラン科(ススキノキ科ツルボラン亜科)
- 種名:アロエ、など
- 症状:下痢、など。
- 成分:バルバロイン barbaloin、など
トウダイグサ科
- 種名:トウゴマ(ヒマ)、トウダイノグサ(スズフリバナ)、ノウルシ(サルウルシ、キツネノチチ)、ポインセチア、など
- 症状:皮膚炎、口腔の灼熱感、嘔吐、下痢、腹痛、血圧上昇、めまい、けいれん、神経障害、呼吸困難、腎不全、など。死に至ることもある。
- 成分:糖タンパク質のリシン ricin、アルカロイドのリシニン ricinine、など。
ドクウツギ科
- 種名:ドクウツギ(ウジゴロシ、サルコロシ、オニウツギ、イチロベコロシ)、など
- 症状:摂取後30分くらいで発症。嘔吐、流涎、瞳孔縮小、血悪上昇、全身硬直、けいれん、呼吸困難、など。死に至ることもある。おいしそうな赤い実は味も甘いため、誤食した人の中毒が多発している植物。
- 成分:コリアミルチン coriamyrutin、ツチン tutin、など。
トチノキ科
- 種名:トチノキ(アカバナトチノキ)、など
- 症状:下痢、胃腸炎、脱水、など。
- 成分:エスクリン esculin、エスシン escin、など。
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*植物名*
参考文献
【著:管理人 2002年~】
上記はいずれも下記文献を参考にしました。【プロモーションリンク】
- 「伴侶動物が出合う中毒 毒のサイエンスと救急医療の実際」監修:山根義久【管理人書評】
- 「イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科」財団法人動物臨床医学研究所編 【管理人書評】
- 「もっともくわしいネコの病気」矢沢サイエンスオフィス編 【管理人書評】
- 「猫こんなとき救急マニュアル100」高野瀬順子
- 「園芸有毒植物図鑑 -人もペットも気を付けたい-」土橋豊
- 「身近にある毒植物たち -”知らなかった”ではすまされない雑草、野菜、草花の恐るべき仕組み」森昭彦【管理人書評】
- 「毒草を食べてみた」植松黎 【管理人書評】
- 「毒草・薬草事典」船山信次【管理人書評】
管理人は獣医師でも学者でもないため、症状等についてはすべて本からの受け売りです。自分で実験したわけではありません。
もっと知りたい方はどうぞ本をご入手ください。本には対処法も書いてあります。ネットは便利ですが、やはり信頼できるのは書物だと思います。