猫に危険な植物:毒!食べさせないで!(3)
*同居の工夫:猫と暮らす知恵*
食べさせないで!その3:有害な植物を含む科名:な行~わ行
猫に有害な植物は700種も
有害植物・有毒植物のうち、代表的なものを集めました。
これ以外にも有害・有毒な植物は多く存在するようです。もし愛猫が何らかの症状を見せた場合、できれば直前に食べた(かもしれない)植物も一緒に獣医師に見せてください。診断の決め手になるかもしれません。
*植物名*
有害な植物を含む科:な行
【著:管理人 2002年~】
ナス科
- 種名:ジャガイモ、タバコ、トマト、タマサンゴ、ナス、ハシリドコロ(ヤマナスビ、ナナツギキョウ、サワナスビ、オニミルクサ)、ヒヨス、ヒヨドリジョウゴ(イヌクコ、ヒヨドリソウ)、ベラドンナ、ホオズキ、 など
- 症状:皮膚炎、粘膜炎症、嘔吐、下痢、血便、腹部の痛み、呼吸困難、麻痺、痙攣、脱力感、など。心筋梗塞に進行して死亡する場合も。
- 成分:ソラニン solanine、チャコニン chaconine、など
ニシキギ科
- 種名:マサキ、など
- 症状:嘔吐、腹痛、下痢、など。
- 成分:
ネギ科
- 種名:アサツキ、タマネギ、ナガネギ、ニンニク、ワケギ、など
- 症状:ネギ類に含まれるアリルプロピルジサルファイドが血液中のヘモグロビンを酸化し、赤血球中にグロビンの不溶性変性産物(ハインツ小体)が形成される。その結果、赤血球が弾力性を失って壊れやすくなり、溶血性貧血を起こす。個体差大きく、一口かじっただけで死亡する子もいるので厳重注意。症状としては、貧血、心臓の鼓動が速くなる、ふらつく、黄疸、嘔吐、血尿、下痢、口内粘膜蒼白、元気喪失、など。加熱しても効力は衰えないのでハンバーグなどネギ入り料理にも注意。
- 成分:アリルプロピルジスルファイド allyl propyl disulfide、など
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有害な植物を含む科:は行
【著:管理人 2002年~】
バショウ科
- 種名:ゴクラクチョウカ(ストレリチア)、など
- 症状:嘔吐、下痢、など。
- 成分:タンニン tannin、など
バラ科
- 種名:アーモンド(ハタンキョウ)、アンズ、ウメ、、サクランボ(オウトウ)、スモモ、モモ、など
- 症状:呼吸困難、虚脱、チック症状、けいれん、嘔吐、下痢など。
- 成分:アミグダリン amygdalin、など
ヒガンバナ科
- 種名:アマリリス、キツネノカミソリ(ヤマクワイ)、スイセン、フサザキスイセン、ヒガンバナ、ラッパスイセン、など
- 症状:嘔吐、下痢、腹痛、流涎、血液低下、心不全、肝障害、昏睡、麻痺、など。死に至ることも。
- 成分:リコリン lycorine、など
ヒルガオ科
- 種名:アサガオ、など
- 症状:嘔吐、下痢、反射低下、瞳孔散大、血圧低下、など。
- 成分:ファルビチン pharbitin、コンボルブリン convolvulin、リゼルグ酸アミド LSA、など
アサガオは園芸種として人気な上、日本の野山には、アサガオ・ヒルガオ・ユウガオ・など多くのヒルガオ科が自生している。
ブナ科
- 種名:ブナ、など
- 症状:食べた直後に嘔吐、腹部の痛み、下痢など。
- 成分:クレオソート wood-tar creosote
ボタン科
- 種名:シャクヤク、ボタン、ヤマシャクヤク(ノシャクヤク)、など
- 症状:皮膚のかぶれ、嘔吐、胃腸障害、、など。
- 成分:ペオネフリン、ペオニン、など
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有害な植物を含む科:ま行
【著:管理人 2002年~】
マチン科
- 種名:イエロージャスミン(カロライナジャスミン)、など
- 症状:運動失調、嚥下困難、痙攣、呼吸筋麻痺、など。死亡することも。
- 成分:ゲルセミシン gelsemicine、ゲルセミン gelsemine、センペルビリン sempervirine、スコポレチンscopoletin、など
マツブサ科
- 種名:シキミ(ハナノキ、コウノキ、ハカバナ)、など
- 症状:嘔吐、下痢、めまい、血圧上昇、全身痙攣、よだれ、など。死亡することも。
- 成分:アニサチンanisatine、など
マメ科
- 種名:アルファルファ(ルーサン、ムラサキウマゴヤシ)、キバナハウチワマメ(ルピナス、ノボリフジ)、キバナフジ(キングサリ)、スイートピー、ニセアカシア、フジ、など
- 症状:嘔吐、腹痛、下痢、よだれ、血圧上昇、運動失調、呼吸不全、系対麻痺、など。死に至ることも。
- 成分:フィトヘマグルチニン phytohemagglutinin(植物レクチン)、キノリチジンアルカロイド quinolizidine alkaloid、など
ミカン科
- 種名:コクサギ、ミシマシキミ(タチバナモッコク)、など
- 症状:嘔吐、手足のけいれん、麻痺。皮膚のかぶれ、など。
- 成分:
メギ科
- 種名:イカリソウ(インヨウカク)、ナンテン、など
- 症状:知覚神経興奮、など。
- 成分:イカリイン icariin、など
モクセイ科
- 種名:イボタノキ、ヒイラギ、など
- 症状:
- 成分:
モクレン科
- 種名:コブシ、モクレン(マグノリア、ハネズ)、など
- 症状:筋肉弛緩、麻痺、など。
- 成分:精油、アルカロイド、など
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有害な植物を含む科:や行
【著:管理人 2002年~】
ヤマノイモ科
- 種名:オニドコロ(ナガトコロ)、など
- 症状:嘔吐、胃腸炎、など。
- 成分:ジオスシン dioscin、など
ヤマゴボウ科
- 種名:ヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ)、など
- 症状:口腔刺激、嘔吐、下痢、視力障害、呼吸抑制、けいれん、昏睡、など。死に至ることもある。
- 成分:アルカロイドのフィトラッカトキシン phytolaccatoxin、アグリコンのフィトラッキゲニン phytolaccigenin、など。
ユズリハ科
- 種名:ユズリハ(イヌツル、ツルノキ)、など
- 症状:嘔吐、下痢、腹痛、肝障害、黄疸、麻痺、など。死に至ることもある。
- 成分:、など
ユリ科
- 種名:イースターリリー、イヌサフラン(コルチカム)、エンレイソウ(タチアオイ)、オニユリ、オモト、カサブランカ、クロユリ、コオニユリ、コバケイソウ、シュロソウ、チューリップ、チョウセンアサガオ(マンダラケ、キチガイナス、エンゼルトランペット)、ツクバネソウ(ツチハリ、ノハリ)、テッポウユリ、タカサゴユリ、バケイソウ(ハクリロ)、ヒアシンス、ユリ、 など
- 症状:目に入ると失明の恐れあり。口腔と喉の灼熱感、嘔吐、下痢、沈鬱、脱水症状、尿細管変性、腎臓障害、呼吸困難、手足のしびれ、皮膚の知覚減退、循環不全、中枢全身麻痺など。 時に死亡。葉を1枚かじっただけ、体についた花粉を舐めただけなど、わずかな摂取でも重篤となるケースが報告され、また、摂取してから死亡するまで1週間ほどかかることが多く、その間中苦しむことになるのも可哀想。催奇形性あり。回復しても慢性腎不全や膵炎に移行する危険がある。
- 成分:コルヒチン colchicine、サポニン saponin、など
- 猫のユリ中毒症例:旗谷動物病院[2010/08/10] 猫のユリ中毒。(概要)ユリの花束の葉っぱを噛んだり花弁の一部を食べてしまったと思われる猫が、治療のかいも空しく、8日後に死亡。
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有害な植物を含む科:ら行、わ行
【著:管理人 2002年~】
-
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*植物名*
参考文献
【著:管理人 2002年~】
上記はいずれも下記文献を参考にしました。【プロモーションリンク】
- 「伴侶動物が出合う中毒 毒のサイエンスと救急医療の実際」監修:山根義久【管理人書評】
- 「イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科」財団法人動物臨床医学研究所編 【管理人書評】
- 「もっともくわしいネコの病気」矢沢サイエンスオフィス編 【管理人書評】
- 「猫こんなとき救急マニュアル100」高野瀬順子
- 「園芸有毒植物図鑑 -人もペットも気を付けたい-」土橋豊
- 「身近にある毒植物たち -”知らなかった”ではすまされない雑草、野菜、草花の恐るべき仕組み」森昭彦【管理人書評】
- 「毒草を食べてみた」植松黎 【管理人書評】
- 「毒草・薬草事典」船山信次【管理人書評】
管理人は獣医師でも学者でもないため、症状等についてはすべて本からの受け売りです。自分で実験したわけではありません。
もっと知りたい方はどうぞ本をご入手ください。本には対処法も書いてあります。ネットは便利ですが、やはり信頼できるのは書物だと思います。