システムトイレ Vs シンプルトイレ どっちが楽?

システムトイレVsシンプルトイレ

システムトイレ(すのこ部+採尿トレイ部)と、「屋根無し、すのこ等も無しの、オーソドックスでシンプルな箱型トイレ(以下、”シンプルトイレ”」。どちらが使いやすい?

以下、私が両方を実際に使った感想です。

システムトイレ Vs シンプルトイレ 【一般論】

ほぼ全ての「システムトイレ」と、ほぼ全ての「シンプルトイレ」に共通して言える事の比較です。

シンプルトイレの例4種
このような猫トイレを「シンプルトイレ」と呼ぶことにします

におい

1.オシッコのにおい

システムトイレはすのこ下に尿がおちる仕組み、採尿シーツ等の上は猫砂で蓋がされた状態。純正砂+純正シーツを使い、メーカーの指定通りに(通常は1ニャンにつき1週間に1回)取り替えていれば、尿臭はほとんどしません。また粉に崩れるタイプの猫砂を使うシステムトイレも、すのこ上の猫砂がフタのようになり、ほとんど臭いません。

シンプルトイレの場合、オシッコが臭うかどうかは使う猫砂に大きく左右されます。シリカゲル砂は、使っているうちにどうしても、独特なにおいがするようになります。「お花畑ペーパーサンド」は、私の経験では1カ月後もほとんど臭いませんでした。

2.ウンチのにおい

システムトイレ・シンプルトイレともにウンチは猫砂部分に残りますから、におい具合も猫砂次第ということになります。

システムトイレ用の砂は粒が大きいものが多く、一般的に大粒の砂ほど糞臭は漏れやすいものです(粒の間からニオイが漏れる)。

シンプルトイレの場合は、糞臭を抑え込む力の強く小粒の猫砂を選べば、システムトイレ用の砂より臭わないでしょう。シリカゲル砂はウンチの水分を吸収してカリカリにしてしまいますので糞臭は抑え込まれることが多いです(排泄直後はもちろんにおいます)。「お花畑ペーパーサンド」も脱臭力のよい砂でした。

3ニャンならんでトイレ

飛び散り

ドーム式のシステムトイレであれば飛び散りはほとんどありません。オープン式のシステムトイレも、壁の高さや形状が飛び散りにく作られている上、純正猫砂も粒が大きめのが多いことから、飛び散りは最小限にとどめられます。

シンプルトイレの場合は、猫砂次第です。粒が小さいほど、また粒が軽いほど、飛び散りは多くなります。シンプルトイレの側壁はあまり高くないものも多く、低ければ当然飛び散りも多くなります。掘るのが好きな雄猫が低いトイレを使えば大量に外にこぼれる(放り出される)場合もあります。

毎日の掃除のしやすさ

1.オシッコの掃除

システムトイレでは、成猫1頭につき1週間に1度、すのこ下の採尿シーツ等をとりかえます(吸水すると粉に崩れるタイプの猫砂を使うシステムトイレは1頭につき2週間に1度の頻度になります)。

シンプルトイレのオシッコ掃除回数は、使用する猫砂によります。

  • 固まるタイプの猫砂=毎日(最低でも1日1回)。
  • 吸水するタイプの猫砂=その銘柄によって、1~4週間ごとに全取り替え(猫1頭の場合)。
  • 粉に崩れるタイプの猫砂=シンプルトイレにはあまり向きませんが、もし使うなら2~4週間ごとに全取り替え(猫1頭の場合)。

2.ウンチの掃除

システムトイレ・シンプルトイレともに、原則毎日(できれば排便の都度)。

丸洗いのしやすさ

断然、シンプルトイレの方が丸洗いは楽です。

シンプルトイレは、ただの箱みたいな形状、分解できるタイプでもせいぜい上下2分割で、洗いにくい角とかも普通ありません。洗って拭いてすぐまた使えます。

システムトイレは最低でもすのこ付きの上部と、尿を受け止める下部の2つ(ニャンとも清潔トイレ「スターター」や「子猫用」等)。通常は、上部(側壁/ドーム)・すのこ部・下部・引き出し部の4部分、商品によってはさらに扉や足乗せ台等もつきます。とくに「すのこ」は洗いにくく乾かしにくいものです。スノコの目の間につまったウンチが乾いて固まると、タワシでこすって流して、またこすって流して、と面倒です。すのこは乾かすのも手間。私は雑巾等でたたくようにして水分をふき取っていますが、もっとしっかり乾燥させたいときは日光かストーブ等の熱の力で乾かすしかありません。場所もとりますし、時間もかかります。

ニャンとも清潔トイレの各部分
ニャンとも清潔トイレオープンタイプ

持ち運び

システムトイレを持ち上げるときは、ふつう、底の方から持ち上げます。上下に二分割できる構造で、多くは引き出しもついているので、安定して持ち上げるためには底部分を持った方が良いためです。そのため、深くかがみ込む必要があります。

シンプルトイレは、分割できないタイプはもちろん、上下に二分割できるタイプであっても、バックル等で固定されるタイプが多く、持ち上げるときは、多くの商品が側壁の上の方を持って全体を上げることが可能で、それほど深くかがみ込む必要はありません。中には持ち手付のトイレもあります。

シンプルトイレとシステムトイレを持ち上げている簡単図

収納

システムトイレはいくつかに分割できますが、分解しても大きさはたいして変わらず、収納にはそれなりの場所をとります。複数を収納する場合も、ぴったり重ねられる部分はそれほど多くは無く、スペースが必要です。

シンプルトイレは、本当にシンプルな箱状の場合は収納もそのまんまのサイズ、2分割できるタイプは、高さが多少低くなりますが、通常半分までは低くなりません。複数を収納する場合は、重ねられるものが多く、収納スペースは「個数x数」より少なくて済む商品が多い印象です。

シンプルトイレとシステムトイレを分割収納した画像

採尿のしやすさ

ドーム型システムトイレの場合は、ドームを外さないと直接の採尿は無理でしょう。オープン型システムトイレと、シンプルトイレでは、採尿のしやすさは同じになります。

なお、システムトイレの場合、すのこ下の採尿シーツ等をはずして、下のトレイに直接尿が落ちるようにすれば、簡単に採尿はできます。ただし、猫砂を敷いたままでは猫砂の影響を受けることも考えられます(例:猫砂が酸性→尿も酸性に傾いてしまう)。正確な検査のためには、猫のお尻の下に容器を差し入れるなど、できるだけ間に何も通さない形での採尿の方がよいでしょう。

ぬいぐるみを使ってお玉で採尿の仕方説明

※採尿の方法についてはこちらもご覧ください⇒猫の採尿の仕方

猫シルエット

「ニャンとも清潔トイレ」と「リターボックス」の個別比較

システムトイレ代表として、KAO「ニャンとも清潔トイレ」を、シンプルトイレ代表として、私の一押し「リターボックス」を選んで比較いたします。

システムトイレ代表:KAO「ニャンとも清潔トイレ」

猫用システムトイレ界の老舗、現在も進化を続けているブランドです。なお、私が所有しているのはドーム無しの「オープンタイプ」になります。

ニャンとも清潔トイレ

詳細は↓

シンプルトイレ代表:ペッツバリュー「リターボックス」

でっぱりもスノコも引き出しも二分割もなにも無し、そのかわりソフト素材を使用、「持ち手」も付きました。考えられる限り最もシンプルな形でありながら、うれしい機能にあふれた、まさにミニマリストな猫トイレです。

リターボックス

詳細は↓

初期費用の比較

※以下、Amazon.co.jp (2022年3月末現在)より、消費税込み価格。なお価格は変動しますのでご注意ください。

ニャンとも清潔トイレセット(トイレ本体+猫砂+シート)

  • ドームタイプ=3,828円
  • オープンタイプ=3,278円

リターボックス

ランニングコスト(1ヶ月分)

※以下、Amazon.co.jp (2022年3月末現在)より、消費税込み価格。なお価格は変動しますのでご注意ください。

ニャンとも清潔トイレ

  • 脱臭・抗菌チップ ちいさめの粒 4.4ℓ=1,129円
  • 脱臭・抗菌シート4枚=366円(12枚入り1,098円を購入した場合)
  • 合計=1,129 + 366 = 1,495円

リターボックス

大きさ(外寸)

似たようなサイズといえるでしょう。なおリターボックスはソフト素材ですので、あくまで参考値です。置き場所によって数字もかわってきます。

ニャンとも清潔トイレは大人猫でも余裕ではいれる大きさですが、メインクーンなど一部の大型猫には狭く感じるかもしれません。複数の大人猫が一度に使用するのも無理でしょう。

ニャンとも清潔トイレ
ニャンとも清潔トイレオープンタイプ

リターボックスは上に広がっている形であるため、メインクーンなど大型猫でも余裕で入れそうです。しかし複数猫の同時使用はやはり無理っぽいです。

リターボックス
リターロッカー(ソフト素材なのでサイズは参考値)
2ニャン入れるけど、排泄はちょっとつらい

出入り口

ニャンとも清潔トイレの入り口の高さは約13.5cm、リターボックスは約16cm。リターボックスの方が2.5cmほど高くなりますが、ふつうに健康な猫であれば、このくらいの高低差は何も問題はないでしょう。最近は「上から出入りする猫トイレ」なんでものもあるくらいですからね。

ただし、ニャンとも清潔トイレには足置き場があり、出入りしやすくなっています。リターボックスには足置き場が無く出入り口をまたぐ必要があります。足腰の弱った高齢猫やハンディ猫の場合は、台座を置くなど、考慮が必要かもしれません。

ニャンとも清潔トイレとリターボックスを正面からみたところ

重さ

ニャンとも清潔トイレ(本体のみ)は1.61kg、リターボックス(本体のみ)は約半分の0.86kg。使用時はこれに猫砂やシーツの重量が加わります。

ニャンとも清潔トイレ
ニャンとも清潔トイレ
リターボックス
リターボックス

持ち運び

ニャンとも清潔トイレは、両手で下部をささえてヨイショっと持ち上げなければなりません。後ろ側の掃除など、子どもや小柄な女性には負担かもしれません。

ニャンとも清潔トイレの掃除

リターボックスは持ち手があるだけでなく片手で持ち上げることもでき、移動は極めて簡単です。裏側の掃除も、片手でトイレを持ち上げ片手でホウキを使えます。

リターボックスは片手で持てます
リターボックスを持ち上げて掃除

安定感

ニャンとも清潔トイレはどっしりと安定感があり、大型の猫が飛び跳ねても簡単に動いたり、ましてひっくり返ったりすることはありません。

リターボックスは軽いし底はなめらかで滑りやすく、簡単に動いてしまいます。下に滑り止めシートを一枚置いて使用されることをお勧めします。しかしソフト素材ですので簡単にひっくり返ることはないと思われます(少なくとも私の経験では一度もありませんでした)。

リターボックスの下には滑り止めシートを
リターボックスは滑り止めシートを敷いた方が良い

収納

1個だけを収納する場合は、ニャンとも清潔トイレリターボックスもそれなりの場所をとるものと考えてください。

2個以上を収納する場合は、ニャンとも清潔トイレは2倍近いスペースが必要となります。

リターボックスはぴったり重ねて収納できるため、スペースは1個分とほとんど変わりません。

リターボックスを重ねたところ
リターボックス3個を重ねたところ

排泄物チェックのしやすさ

もの言えぬ猫の健康管理には、毎日の排泄物チェックが必須です。雄猫の結石症は発見が遅れれば命に直結しますし、高齢猫の腎臓病はとても多いのです。

(1)オシッコのチェック

ニャンとも清潔トイレはオシッコがスノコ下に落ちてしまいます。砂の上に血尿跡が残っているなど、明瞭な兆しがあればわかりやすいですが、微妙な尿量や尿色の変化は、下のトイレを引き出さない限りわかりません。また採尿シート(マット)は1頭につき1週間分も貯めることができるということは、つまり、毎回の尿量や色を個々に区別して判断することはまず無理ということになります。

リターボックスは、オシッコ跡も見えていますので、尿チェックはしやすいです。また、薄色で固まるタイプの猫砂を使用すれば、毎回の尿量や尿色も簡単にチェックすることが出来ます。

(2)ウンチのチェック

ニャンとも清潔トイレ(オープンタイプ)リターボックスもウンチは猫砂の上に残っていますので、どちらもチェックは簡単です。なおドームタイプのニャンとも清潔トイレの場合は、ドームの中を覗き込む必要が生じるため、若干気づきにくくなります。

まとめ

以下、システムトイレはすべて純正砂/純正シーツを使用したものとします。

【一般的な比較】

項目システムトイレシンプルトイレ
オシッコのにおい◎~×(猫砂による)
ウンチのにおい○~△◎~×(猫砂による)
飛び散り◎~×(トイレの形による)
オシッコ掃除回数(1頭につき)1週間/1回1カ月/1回~毎日(猫砂による)
ウンチ掃除回数(1頭につき)毎日毎日
丸洗いのしやすさ×◎~○
移動のしやすさ×
収納しやすさ(1個)○~△
収納しやすさ(複数)×
採尿しやすさ○(オープン式)~×(ドーム式)◎~○

個別比較【ニャンとも清潔トイレ】と【リターボックス】

項目オープン型ニャンとも清潔トイレリターボックス
初期費用セット価格3200~4000円くらい本体3000~4000円くらい+猫砂代
ランニングコスト(1カ月)1500円くらい400~3000円以上(猫砂による)
サイズ大人猫1ニャン大型種でも大丈夫
出入口高さ約13.5cm約16cm
出入り口足置き場幅約5cmの足置き場無し
重量(本体のみ)約1.6kg約0.7~0.8kg
移動させやすさ×
安定感
収納(1個)×
収納(複数)×
尿チェックのしやすさ×
便チェックのしやすさ

結論

システムトイレVsシンプルトイレ

私はシステムトイレより、シンプルトイレの方が好きです。理由は;

  1. 猫の健康管理には毎日の尿チェックは必須。システムトイレのように1週間分も尿を溜めるタイプの猫トイレでは、毎日のチェックは難しい。シンプルトイレは排泄中の姿もよく見え、排泄後の尿チェックも簡単。
  2. 多頭飼育なので、トイレの移動や丸洗いが少しでも楽な方が良い。

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KAO【ニャンとも清潔トイレ】

ペッツバリュー【リターボックス】

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