モグラとヒミズの見分け方

トンネルを掘って暮らすモグラ。姿も生活様式もよく似た動物のヒミズ。どちらも滅多に出会えない上、ちょっと見ただけでは区別をつけにくい外見です。

犬の散歩中に、あるときはモグラの 亡骸 、あるときはヒミズの 亡骸 を見つけ、写真を撮りました。それを掲載します。モグラかヒミズか分からないときに参考にしてください。

縄文柴犬のゴン

【注!】

以下、亡骸の写真が出てきます。血や傷等グロ的要素はありませんが、「どんな写真だろうと死体ってだけでダメェ!」という方はご注意ください。

全体像

モグラさん。2022年7月、犬の散歩中に路上にて発見。種類はコウベモグラでまず間違いないでしょう。

全体的にボテっと丸っこくてまさに「もぐらもち」。お手手が目立ちます。コウベモグラはやや茶色。

モグラ

ヒミズさん。コウベモグラより小さく、真っ黒。鼻先とシッポがモグラより長く突き出ている感じで、お手手はそれほど目立ちません。地表を走り回る姿はネズミにも似ていますが、尻尾の長さや、鼻先、耳介(耳たぶ)の有無で簡単に見分けられます。2021年11月撮影。

ヒミズ

モグラのお腹側。お手手の爪が長いのと、外側を向いているのが特徴。

モグラあおむけ

ヒミズのお腹側。お手手とアンヨの大きさはモグラほどの差がなく、爪もそれほど目立ちません。お手手は内側を向いています。

ヒミズあおむけ

前肢の比較

モグラのお手手はまさにシャベル、巨大爪付き。いかにも掘れそうな手ですね。

モグラの手

ヒミズのお手手はハムスターよりは頑丈そうですけれど、モグラにはとてもかないません。

ヒミズの手

尻尾の比較

モグラの尻尾は土中の穴の中で後じさりしやすいよう、短い尻尾です。ゴールデンハムスターの尻尾に毛がちょっと生えたような。

モグラの尻尾

ヒミズの尻尾はもう少し長め。小さな黒いネコジャラシ草のような感じです。

ヒミズの尻尾

コウベモグラとヒミズの比較表

どちらも生物学上の分類は以下まで同じです。

界 :動物界 Animalia
門 :脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 :哺乳綱 Mammalia
目 :真無盲腸目 Eulipotyphla
科 :モグラ科 Talpidae
亜科:モグラ亜科 Talpinae

以下、『日本の哺乳類』阿部永監修、東海大学出版会 ISBN:4486012909より

コウベモグラヒミズ
分布本州の中部以南、四国、小豆島、九州、隠岐諸島、対馬、五島列島、種子島、屋久島、朝鮮、中国東北部、ロシア沿海地方南部本州、四国、九州、小豆島、隠岐諸島、対馬、五島列島、山口県見島、新潟他県栗島
大きさ頭胴長125~185mm、尾長14.5~27mm、体重48.5~175g 頭胴長89~104mm、尾長27~38mm、体重14.5~25.5g
食性昆虫類、ミミズ類、ジムカデ類、ヒル類、カエル類、植物種子 昆虫類、ミミズ類、ジムカデ類、クモ類、植物種子
生態地下性。土の中にトンネルを掘って暮らす半地下性。堆積した落ち葉の下などに浅いミゾを掘って住む。モグラほど深いトンネルは掘らない。
繁殖春に1回、2~6頭春に1回、2~5頭
寿命3年余3年余
学名 Mogera robusta Urotrichus talpoides
漢字表記土竜日不見

日本に生息するモグラ

  • アズマモグラ
  • コウベモグラ
  • ミズラモグラ
  • センカクモグラ
  • サドモグラ

日本に生息するヒミズ

  • ヒミズ
  • ヒメヒミズ
モグラとヒミズの見分け方

おすすめの本

飯島正弘・土屋公幸著。日本に生息する21種のモグラの仲間たちが紹介されています。

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