【著作権・肖像権】守っていますか?

「著作権」とは、「著作物」を創作した者=「著作者」に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されない権利です。著作権は、著作物が創作された時点で自動的に発生します。

この「著作権」がどれほど強いものか、歌手の森進一さんの「おふくろさん騒動」等、皆さま御存知の通りです。

ところが最近、私が訪問するブログ他SNSで、かなり違反スレスレだったり、中には明らかに違法レベルじゃないかと危惧せずにはいられないような投稿を見ることもあり、心配です。

私が見るブログなんて動物愛護精神にあふれた人が運営しているものがほとんどです。動物愛護啓発コンテンツなだけに心配なのです。善意しかない人達の記事が、もし著作権違反で摘発されたりしたら、と。

ネット上で動物愛護を啓蒙している人の中には、動物を助けるという大義名分の前には自分の著作権なんてどーでもよい、啓蒙のためなら画像でも文章でもどうぞ自由に使ってくださいというスタンスの方も多くいらっしゃいます。その一方で、自分が苦労して取材した内容や、何日も通い詰めてやっと撮った証拠写真を気楽に他人に使われることに、強い抵抗感を覚える方も少なくないでしょう。

インターネット=違法地帯のようなものです。一度公開してしまったものは誰でも簡単にコピーできる世界であり、つまり悪意ある使用も簡単にできちゃう世界です。著作権法を守って使ったからといって、「悪意ある使用」を止めさせる効力は、残念ながら、望めないのは事実です。でも、少なくとも、悪意ある使用に「知らないうちに協力してしまう」確率は減ると思います。

なにより、著作権法に準拠していない(と見なされかねない)コンテンツを作っていると、アンチ動物愛護家たちに恰好の攻撃材料を与えてしまうことになります。あいつのSNSはパクリの画像や文章ばかりだ、法律違反を繰り返しているヤツなんて信用できるか、と。最悪の場合は通報されて記事やアカウント削除なんてリスクもゼロではありません。

私自身は、誰かがが著作したものを使用させていだたく場合は著作権法を守るよう最大の注意を払っているつもりです。たとえ「クレジット表記必要無し+加工可+商用利用可なフリー素材サイト」からもらったものであっても、その出典は必ず明記してきました。すてきな素材に対するお礼の意味も込めて。

逆に、もし私の著作を使っているブログ等を見つけたときは。

ページへの単純なリンクの場合は何もしない場合が多いです。が、少しでも引用(写真なら1枚以上、文章なら2~3行以上)がある場合は必ず「シェアありがとうございます」等、ひとこと連絡しています。

これはもちろん、私のものを使ってくださったお礼の気持ちが強いですが、それとは別に、その方を守るためという気持ちもあります。というのも、著作権侵害かどうかは「親告罪」(一部を除く)。公開コメント欄(なければダイレクトメール)に著作権者の私が「ありがとう」と書きこめば、その引用がどれほど長くても、写真を何枚使っていても、「これは著作権侵害ではない」と公認することになります。
(私の画像や文章を引用してくださる方はほぼ動物愛護家/動物解放活動家さんに限られますからね。動物たちの為なら引用大歓迎です。)

意に反した使用の場合は、もちろん即座に抗議を入れますが、、、(昔はそういうのもけっこう多かった(-_-;) 

正しく【引用】して!

他人の著作物を勝手にコピー・公開等することは認められていませんが、著作権法が定める「引用」の定義にそっていれば、著作者に許諾を取る必要はありません。


【引用】の条件とは

区別
引用部分と自分の著作物がはっきりと区別されていること。
枠で囲む、色やフォントを変える、等。

主従関係
必ず自分の著作物が「主」で、他人の著作物が「従」になっていること。
たとえば自分の文章より、他人が書いた文章の方が多いような構成は「引用」とは認められません。

出典元
出典元をきちんと記載すること。
あちこちのSNSで「画像はお借りしました」等だけの表記をみかますが、パブリックドメインや”クレジット表記不用なフリー素材”を除き、著作権法上は完全アウト。
著作権者の名前(URL・等)を書く必要があります。
また、たとえばかわいそうな動物を助けたくて、悲惨なブリーダーケージの写真だけを断りなく持ち出して自分のSNS等に貼り、そこに自分の文章をつけて「拡散希望!」とする等もアウトです。
気持ちは分かりますが、他人の著作物を勝手に使ったり、ましてや拡散させる権利はあなたにはありません。
リブログ・リポスト等、出典元がわかる機能を使うか、出典元を明記してください。

正当な範囲
他人の作品を引く必要性が認められる範囲にとどまっていること。
不必要な部分まで引用することは認められていません。
たとえば誰かの歌を「すばらしい歌詞だから」と1番~3番の全部を書き出すことはもちろん、そこそこ長い1番の歌詞だけを全部投稿するのもアウト。
特に好きな数行だけにとどめておくこと。(注)

改変はだめ
文章の切り貼りや改変は認められません。
範囲を絞るために一部の文章を省略する必要がある場合は「前略・中略・後略」等を適切に使う必要があります。
勝手な繋ぎ合わせは違法です。

(注)
SNS等の運営会社によっては、そこのサービス内の条件で特定の歌詞の掲載等が認められているものがあります。SNS/ブログ等をご利用している場合は規約をよく確認し、その範囲内で使用するようにしてください。
《例》アメーバブログではJASRAC管理楽曲について下記のように規定されています。
Staff Blog by Ameba『JASRAC管理楽曲の歌詞掲載が可能になりました

Ameba ヘルプ 『著作権の考え方』 

JASRAC管理楽曲に関して、ご自身のブログ記事にて、歌詞フレーズを掲載することは可能です。歌詞を翻訳して掲載すること、替え歌など改変して掲載することはできませんので、ご注意ください。
JASRAC管理楽曲の歌詞掲載について

https://helps.ameba.jp/trouble/copyright.html

著作権とならんで『肖像権』『パブリシティ権』も要注意です。

【肖像権】
その人が写った写真を公開する場合は、本人の同意が必要です。その人が有名人かどうかは関係ありません。

パブリシティ権

有名人・芸能人の場合は、パブリシティ権をも認められているのでさらなる注意が必要となります。「ファンです」と勝手に個人ブログに写真を載せる等がパブリシティ権の侵害となるだけでなく、写真が掲載されたグッズを掲載することもパブリシティ権の侵害になりますから要注意です。人気商売ですから見過ごされることもありますが、ひとつ間違えれば違法と判断され(法律上は実際違法なのですから)、たいへん面倒なことになります。無断掲載はしないに越したことありません。

※「著作権法」については、本を一冊買って通読されることをお勧めします。ネットでも調べられますが、どうもネットでの勉強はブツ切り、つまり「自分にとって都合の良い部分だけ」を選んでしまいがち。本の方が体系立てて学べます。

※上記は下記3冊を参考にまとめました。
・井上拓『SNS別著作権入門』誠文堂新光社 ISBN:9784416522820
・プロジェクトタイムマシン『コンピュータユーザのための著作権&法律ガイド』毎日コミュニケーションズ ISBN:9784839907938
・酒井雅男/メディア・トゥデイ研究会『「知らなかった」ではすまされない デジタル時代の著作権Q&A』ユーリード出版 ISBN:9784901825146

著作権関連の本3冊

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA