赤ちゃん猫の人工哺乳
人工哺乳で育てた子の愛しさは、もう言葉にはなりません!
*同居の工夫:猫と暮らす知恵*
人工哺乳が必要なのは?
生後4週間以内の幼い仔猫を保護してしまった場合、人工保育が必要となります。頑張って育ててくださいね~~★
↑「家に来て3日目のチョコ&マロン チョコ105g マロン110g こんな赤ちゃん猫を見つけたら、どうか育ててあげてください。」 【画像提供:SHINO様】
子猫用ミルク
【管理人 2005年】
人間用の牛乳はお腹を壊す危険があります。(ネコは乳糖を分解する酵素をもっていないため)。必ず猫用ミルクを与えてください。
ちょっと高いのが懐痛いのですが、子猫ちゃんの正常な発育のため、頑張ってくださいね。猫用ミルクはペットショップや動物病院、ホームセンター等で売っています。ネットでも簡単に購入できます。
猫用ミルクには、液体タイプと粉末タイプがあります。
液体タイプは、楽ですが、保存の点で難があります。体の小さな子猫のこと、一度に飲める量なんてほんの少しですから、子猫の数が少ない場合は使いきれないかもしれません。残ったミルクは勿体ないようでも処分しましょう。
粉末タイプは、授乳の度に、分量を量って溶かす手間がかかりまが、保存が利くのが利点です。
*管理人の場合は、最初の人工哺乳になれない時は、液体ミルクを。自ら哺乳瓶に吸い付いてゴクゴク飲めるようになってからは、保存やコストの点から粉ミルクを使っています。
各製品には必ず、与え方の説明と注意が書いてあります。何グラムの子猫には1日何グラムのミルクを1日何回、という表もあります。説明書をよく読んで、適切な量を適切な間隔で与えてください。
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↑お目目が開いたよ。【画像提供:SHINO様】
赤ちゃん猫を保護した場合
捨て猫や野良猫の子は、弱っている子が多いのが現状です。そういう子は消化力も落ちていることが多いようです。猫用ミルクの説明書は、健康な子猫用の濃度や回数であり、弱った子猫には消化できないことがあります。その時は少し薄めに作り、一度に少しずつ、授乳回数を増やして与えてください。栄養をつけさせようと、規定より濃く作ると、お腹を壊して、かえって衰弱させてしまうことになりかねません。
また、弱った子猫は血糖を維持することが困難なことがあるので、できればブドウ糖を添加してあげてください。(必ず獣医さんと相談してください)。元気になったら、説明書通りの濃度と回数にします。
初乳
出産直後にでるお乳は初乳といい、非常に高い免疫力をもっています。この初乳を飲むことで、赤ちゃんはお母さん猫の免疫力を受け取ります。
出産に問題があったり、あるいは、出産後すぐに捨てられるなど初乳を十分に飲んでいない子猫の場合は免疫力が低いことが考えられます。そういう子猫を育てることになった場合も、まず獣医さんに相談してください。普通のミルクにプラスαの添加物が必要な場合があります。
【初乳カプセル】
ネット等で購入できます。「初乳に含まれる免疫グロブリンにより諸種の悪玉菌に対して免疫力を高めます。虚弱体質、発育不足の仔犬仔猫や病弱な成犬成猫にも。」とのことです。
でも、これら市販の「初乳」って、猫の初乳ではなく、牛の初乳なんですね。同じ哺乳類とはいえ、大型純草食動物である牛の初乳を、小型純肉食動物の猫に与えて、どれほど効果があるのか、私にはわかりません。ですので参考資料としてだけリンクしておきます。子猫に与えるかどうかは、かかりつけの獣医さんとご相談されることをお勧めします。
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哺乳瓶
【管理人 2005年】
子猫用の哺乳瓶が市販されています。
乳首の先を切るときは、十文字に切る、小さな円形の穴を開けるなどの方法があります (乳首の中側からようじで強く押して、尖った先をようじごと切る、など)
切り込みの大きさは、哺乳瓶をさかさまにして、ミルクがじわじわしみ出てくるくらい。
幼い子猫は吸う力が弱いので、哺乳瓶の中が陰圧だとうまく吸えないことあります。だからといって乳首の穴を大きくしすぎると、多く出過ぎて赤ちゃんがむせる場合があります。吸えないときは哺乳瓶の肩に小さな穴をあけてください、ミルクが出やすくなります。
予備の乳首も準備
ゴム製の乳首は痛みやすいので、予備の乳首をご用意ください。歯が生えてくると、乳首に傷が付きやすくなり、気を付けないと噛みきって飲み込んでしまう危険も。(うちのチャトランも飲み込んでしまいました。 幸いウンピーの中から無事出てきましたけれど、出てこなかったら大変なことに・・汗。)
乳首に歯傷が付くようになったら、離乳食をお皿から食べる訓練を始めましょう。
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注射器、スポイト、おもちゃの哺乳瓶など
【管理人 2005年】
注射器、スポイト、おもちゃの哺乳瓶などでも代用できます。注射器はもちろん針無しで!!
また、 緊急の場合は、こんな方法も。
- 細いストローの片方を指でふさいで
- 弁当箱用の液体調味料を入れる容器の中には代用できる形の物も(魚の形の醤油容器など)
- ガーゼなどにミルクを含ませて吸わせる
赤ちゃんネコの口の中は繊細です。何を使うにせよ、縁が尖っていないか、自分の指で触って良く確かめてくださいね!
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カテーテルによる哺乳
【管理人 2005年】
どうしても哺乳瓶から飲めない子猫はカテーテルでの哺乳になります。細い管を胃の中まで差し込んでミルクを直接流し込む方法です。
私は未経験ですのでこの方法については何も書けません。獣医さんに相談してくださいませ。
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ミルクの温度
【管理人 2005年】
38度くらい、いわゆる、人肌です♪
手の甲にミルクをしたたらせて温度確認してから、哺乳してください。人間の赤ちゃん用ミルク温度計があれば便利です。
冷たすぎると子猫は嫌がって飲みませんし、お腹を壊す危険が。熱すぎると口の中を火傷してしまいます(涙)子猫の数が多いときは、冷えないよう、湯煎しながら与えてください。
飲ませる時の姿勢
【管理人 2005年】
お母さん猫の乳首に吸い付く時のような姿勢と首の角度で哺乳させてください。
我々人間は、つい仰向けにして哺乳したくなりますけれど、赤ちゃん猫は仰向けでおっぱい飲みませんよね?無理に仰向けで飲ませるとミルクが気管にはいったりしますから注意!
↑モデル猫:yukiyo様宅のゆずひこ君♪
慣れないうちは、ミルクをダラダラこぼしてしまう子がいます。毛に付いたミルクってとりにくいんですよね(汗)そういう子は最初からタオルや布巾で体を包んで哺乳すれば体が汚れるのは防げます。お口のまわりは・・・ミルクだらけの子猫ちゃんってかわいいでちゅよ~~★ 優しく拭いてあげて下さい。
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無理に飲ませないで!
【管理人 2005年】
哺乳瓶にせよ、スポイトや注射器にせよ、ミルクを押し出して子猫の口からあふれるような飲ませ方はしないように!
無理に流し込むと、ミルクが鼻から吹き出したりします。(もし吹き出したら、人間がそっと吸ってあげるのが一番簡単です。←たはは~~経験者です!大汗)
また気管に入ると、肺炎を起こして、最悪死んでしまうことも。
最初は子猫の舌にぽとりと一滴ずつ垂らす程度の気持ちで、焦らず慌てず、根気よく飲ませてあげてください。
哺乳瓶に慣れたら、子猫の方から勝手に吸い付いてぐいぐい飲んでくれるようになりますヨ。
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回数
【管理人 2005年】
生後1週間は2~3時間おき、1日6~8回哺乳します。生後2週間を過ぎたら1日4~6回。詳細は子猫用ミルクの説明書に必ず書いてありますのでご覧下さいね。
↑仲良くお昼寝。適切な育児ですくすく育ちました。【画像提供:SHINO様】
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排泄について
【管理人 2005年】
人工哺乳が必要な子は、人工的に排泄させてあげることも必要です。
普通はお母さん猫がおしりをなめて刺激し排泄物を舐めとってしまいます。そうすることで巣が汚れないんですね。
排泄は、人肌(猫肌)のお湯でタオルやティッシュを濡らして固く絞り 肛門付近をそぉっとポンポンしてあげてください。やがて仔猫の表情がほわ~~となって、白いティッシュにほのかな黄色が広がります。この時の子猫の顔がなんともいえずきゃわいい! (この方法での排泄に子猫がなれたあとは、乾いたティッシュでもちゃんと出してくれるようになりました。)
もし刺激しても排泄しないからって、あまり力を入れてお尻をさすらないでくださいね。赤ちゃん猫の体は本当にデリケートなんですから。
排泄がうまくいかないときは;
- 哺乳がまだなら、先にミルクをあげてみる。お腹がすいていると子猫はミルクのことしか考えられなくなってしまうみたいです(かわいい~)。
- 全身を、お母さん猫が子猫を舐めるときのように、やさしくなでてあげる。子猫が落ち着いたらもう一度肛門を刺激。 (このときは指先や乾いたタオルの方が良いと思います。濡れタオルで拭いて子猫の全身が濡れ、風邪を引いたら大変です。)
排泄は、哺乳のたびにするのが良いでしょう。私は、哺乳→なでなで(こぼれたミルクの拭き取りもかねて)→排泄→場合によっては再度哺乳、 の順でやっていました。
飼育書では、まず排泄させてから哺乳と書いてあります。理論的にはその順番の方が良いだろうと私も思います。ですが、生まれてすぐ捨てられ、飢えと不安と分離を経験した赤ちゃん猫は、まず哺乳させた方が落ち着くように思えました。それからたっぷり排泄させ、もしまだ欲しがるようなら、またミルクを飲ませる。
健康な子猫は、トコロテンみたいに、飲んだら出す、デシタ♪
ミルクしか飲んでいない、生後間もない赤ちゃん猫の場合、排泄は主にチッコだけです。そのうちにある日、いつものようにお尻を刺激していたら、やわらかいウンPも出てきて感動することになります。(ミルクしか飲んでいない子猫がカチカチな便をしたり、水のような下利便をしたら、すぐ獣医さんへ。)
なお、捨て猫を保護して直後の場合は、何も排泄しないことが多いです(とくにウンP)。お腹の中がからっぽで排泄するものが無いんですね(涙)。2日目になってもオシッコがでないようなら、獣医さんに相談してください。ミルクしか飲んでいない赤ちゃん猫の場合、オシッコさえ出ていれば、3日くらいウンPが出なくてもそれほど心配する必要はありません。
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保温について
【管理人 2005年】
生まれたての子猫は、変温動物といってもよいくらいに、 体温調節が下手です。体温も1週齢くらいだと36℃あるかないかです(大人猫の体温は38℃~39℃)2週齢までは30℃前後、それ以降も25℃前後の暖かさが必要となります。湯たんぽを入れてあげるなど、一人っ子の場合は特に保温に注意してください。
湯たんぽは、柔らかい布(タオルや古セーターなど)で包んで、熱すぎないように注意します。柔らかい布はお母さんの感触に似ているので、精神的にも安定します。
使い捨てホッカイロを使う場合は、通気性のあるガーゼのハンカチなどでしっかり包んでください。やけどを防ぐためと、それから、子猫が間違えてホッカイロをかじっても中身がでないようにです。 ホッカイロを入れる袋を毛糸で編んであげると、お母さんの感触に似て喜こばれるかも。暖かい毛糸のくつしたに入れる、というのもひとつの案。
また、子猫の皮膚は水分が蒸発しやすいので、極度に乾燥した場所もさけます。部屋が乾燥するときは加湿器を使用するなど工夫してください。
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参考HP
【管理人 2005年】
- 「ねこさえいれば」の中の「ゆずひこ君」の各ページ。 毎日の授乳の時間や量、成長の様子が詳しく記録されています。
参考資料
【管理人 2005年】
このページは以下の書物を参考に書きました。
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