赤ちゃん猫を保護したとき

心無い人の中には、離乳食を食べはじめるやいなや、もう一人で生きていけるだろうと思うのか、幼い子猫を捨ててしまう人がいるようです。私自身何回か保護しています。
しかし、たとえば4週齢の子猫は、人間でいえば1歳くらいの赤ちゃんにあたります。とても自力で生きられません。
もしそんな子を見かけたら、どうぞ保護して育ててあげてください。

人工哺乳が必要なのは?
捨てられた子猫や、母猫を亡くした子、また母猫が何らかの理由でうまく授乳できなかったり、お乳が不十分な子猫には、人工哺乳が必要です。
保護した子猫の週齢がわからないときは、こちらのページをご参照ください。→子猫の成長表:大きさと重さ

人工哺乳する期間は?
発育程度にもよりますが、3~4週齢で離乳食の訓練をはじめます。それ以前の子には人工哺乳が必要と考えてよいでしょう。
【赤ちゃん猫人工哺乳の必須アイテム】
・子猫用ミルク(粉末、液体)
・哺乳瓶、スポイト
・おうち(ケージ、収納ケースなど)
・毛布やタオル、古いセーターなど
・ホッカイロ、湯たんぽ
【あれば便利なもの】
・ペット用ヒーター
・温度計(ミルク用)
・体重計(キッチンスケール)
・ノート、カメラ
【離乳したら必要になるもの】
・離乳食・子猫用フード
・食器、水入れ
・猫トイレと猫砂
・おもちゃ
・爪とぎ
・キャリー

人工哺乳の実例
獣医学書より参考になるのは、実際に子猫を人工哺乳で育てた人の体験談ですよね。
ぜひ↓こちらの各ページ↓をご覧ください。授乳の様子、体重の変化、ウンチやオシッコの回数など、写真付きで詳細に説明されています。
愛猫には避妊・去勢手術を!
愛猫にはかならず、避妊・去勢手術をしましょう!
避妊手術のメリット(雌猫)
- 望まない妊娠や出産を防げる。産み続けると?→こうなります!!
- 性欲/発情のストレスが減って、猫にとって暮らしやすくなる。
- 発情で大声を上げたり、また付近の雄猫が集まって喧嘩や尿マーキングをするなど、近所に迷惑をかけることがなくなる。
- 子宮蓄膿症・卵巣腫瘍など、子宮・卵巣の病気を防げる。
- 乳腺腫瘍の発生率が低くなる。
- 一般に長生きになる。
去勢手術のメリット(雄猫)
- 不幸な子猫の増加を防げる。
- 性欲/発情のストレスが減って性格が穏やかになり、猫にとって暮らしやすくなる。また、そのため、多頭飼いが可能になる。
- 尿マーキングが大幅に減少する。
- スプレー臭や猫同士の喧嘩、鳴き声などで近所に迷惑をかけることがなくなる。
- 猫同士の闘争や、脱走・家出の衝動が大幅に減る。
- 一般に長生きになる。
2019年(令和元年)10月現在、日本には、約978万頭もの飼い猫がいるそうです。犬は約879万頭、合計で約1,857万頭頭【注1】。
ところで、日本人の総人口は令和2年1月1日現在、約1億2,713万人、約5,907万世帯【注2】。それに対し、世帯数に対するペットの飼育率は、猫は9.69%、犬は12.55%【注1】。10軒に1軒の割合で猫か犬(またはその両方)がいることになります。世の中ペットブームなどと言われていますが、すでに猫の数は飽和状態。これ以上の猫を受け入れる余地は日本にはないのです。
【注1】一般社団法人ペットフード協会資料より
【注2】総務省自治行政局住民制度課資料より
その一方・・・
保健所・動物管理センターで殺処分される猫の数は3万頭、そのうち約2万頭が幼猫・子猫です(平成元年度、動物愛護管理行政事務提要より)。さらにこっそり捨てられる子猫の数はもっと膨大です。
もし貴方の家に猫を増やせる余裕があるなら、飼い猫に産ませるのではなく、すでにこの世に生まれている子猫の中から迎えてあげてください。生まれてきたけれどおうちがない子、里親募集されている子たちの中から選んでください。本当に猫が好きなら、どうか、お願いします!
※ 日本の法律でも飼い猫の避妊・去勢手術が奨励されています。
「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」により、猫など家庭動物は、原則として、去勢手術、不妊手術、雌雄の分別飼育等その繁殖を制限するための措置を講じる事が求められています。
