猫用キャリーについて
猫には「ハードキャリー」と言われるタイプが一番理想的
プラスチック製など、かっちりした素材のキャリーのことです。猫のことを第一に考えれば、ハードキャリーが一番安全で適していると思います。車で移動できるなら、ぜひハードキャリーを選びましょう。
ただし、(布製キャリーより)持ちにくかったり、重めのものが多いなど、とくに女性にとっては持ち運びにくいキャリーでもあります。できれば、広めのハードキャリー(中で大人猫が横たわることができるサイズのもの)と、持ち運びしやすい軽いキャリーの2タイプがそろっていれば、何かと便利でしょう。
ハードキャリーの例。これは「アイリスオーヤマ社・トラベルキャリー」です。
これならこの通り7キロ超のトロでも 余裕です。普通サイズの大人猫なら2にゃんが楽に入ります。子猫なら中にミニトイレも入れられます(にゃんせ子猫はチッコも近いですからね)。
ハードタイプの多くが分解して収納できるようになっています。
出入り口がファスナー式なら必ず鍵を付けて
最近は布製やソフト素材のキャリーバッグが増えています。 布製キャリーは軽くてオシャレ。さらにショルダータイプや抱っこタイプまで、形が実に様々。見た目がキャリーっぽくない商品もあり、特に女性が喜びそうなデザインが多く出回っています。
でも、ちょっと待って!
多くのソフトキャリーが、犬用に作られれています。サイズ的にはもちろん猫にも使えますから、犬用にサイズをそろえているのでしょうけれど、猫さんって、ワンちゃんよりずっと手先が器用なんです。 その上ワンちゃんと違い、人間が「そこにいなさい」と命令したって聞きません。 ファスナーで閉めるだけのキャリーなんて、猫さんにとって、脱走するのは朝飯前。
出入り口がファスナーになっているキャリーを使う場合は、以下に注意しましょう。
- ファスナーをロックできるタイプを選ぶか、自分でカギをつける。
- 飛び出し防止首輪+リードをつける。
- 洗濯ネットにいれてからキャリーにいれる。
なお、 ワンちゃんより体がずっと柔軟な猫さんは、バッグの中でワンちゃんより動き回れます。 猫さんをつないだ場合は、リードが猫さんにからむことが無いよう、十分に注意してください。
たとえば、ファスナーのふたつの穴に小さな鍵やナスカンを通して、中から開けられないようにする工夫が必要です。
キャリーの代用、臨時の箱など
突然猫を保護してしまった時など、誰もがキャリーを持っているとは限りませんものね?
身近なものを応用してください。
段ボール箱
まずは定番、段ボール箱。なるべく丈夫で分厚いもの、たとえばミカン箱などに、空気穴をあけて使います。
しかし、どれほど丈夫そうな段ボールでも、長時間の使用には耐えられませんので十分注意してください。猫には手足合計18本もの鋭い爪がありますし、立派な牙も4本もあります。段ボールを引っ掻いて傷をつけ、さらに牙を着ようにつかって、あっという間に食い破ってしまう子もいます。またフタにわずかでも隙間があれば、ぐいぐい頭を突っ込んで押し広げ、グニュニュ~と液体のように出てしまう子もいます。
段ボール箱は基本的に、子猫限定と考えるべきでしょう。大人猫に使うのは、緊急時に短時間だけ、常に監視付きが条件となります。
段ボール箱はあくまで一時しのぎ。猫様の破壊力ときたら・・・!
洗濯ネット。
キャリーがあってもなくても便利です。
キャリーから出すと大暴れの猫さんでも、 ネットなら暴れない子もいます。
ネットはなるべく丈夫そうなものを選びましょう。
Lサイズの選択ネットですが、トロ7kgにはちょっと小さい。
同じネットです。小柄なハナ3kgならこのサイズでOKですね。
コンテナボックス。
ドリルで空気穴を開けて使います。
車用のコンテナなどは、丈夫だし、大きさも色々あって、使い方によってはかなり便利かも。
コンテナのバックルや持ち手は、ある程度の衝撃や重量には耐えられても、“ボックスの中身が暴れる”ことは想定の範囲外でしょうから、大人猫さんを入れた場合は十分に注意してください。
持ち手で下げるより、ボックスを両手で抱えた方が安心だと思います。
コンテナボックス。大きさが選べるのが良い。
フタや側面にドリルで穴を開けてあります。
収納ケース
今やどこの家庭にもひとつはあるものではないでしょうか。
サイズも豊富。
普通の押し入れ用サイズなら、中で大人猫さんが長々と横たわれます。
ケージより保温力がありますから、体温が低下した猫さんにも良い。
透明なタイプなら、中の猫さんが見えて安心。
普段は収納ケースとして使え、収納場所に困ることもありません。
と、良いところがたくさんあります。
欠点は、低価格化が進んだ結果か、割れやすい素材で出来ているものがほとんどだということ。
特にフタはすぐに割れます。
穴を開ける時は、ドリルでそっと丁寧に。
ちょっと力を入れすぎただけでひび割れてしまいます。
穴の数が少なすぎると空気の通りが悪いし、多すぎると、強い猫さんが頭突きして割ってしまう可能性も。
穴開けは慎重にお願いします。
それから、バックルで留められるようにはなっていても、中身が暴れることまでは想定されていません。
実際に猫さんをいれてみればわかりますが、収納ケースのバックルは、すぐにはずれてしまいます。
猫さんをいれた場合は必ず、さらに布製ガムテープでフタを貼りつけてください。
他には、持ちにくいのも欠点でしょう。
収納ケース。これは通常の押し入れサイズより小型のものです。
それでも広さはご覧の通り。
トロ7kgにくわえ、ハナ3kgも入ってしまいました。
穴を開ける時は慎重に。
簡単にひび割れて使いものにならなくなります。
ピクニックバスケット
ピクニックバスケットもよく使われます。サイズ的には子猫限定でしょう。
これも生き物を入れることは想定されていませんから、バックルを補強してフタが開かないように気を付けるほか、持ち手の耐荷重量には十分な注意が必要です。
首輪と迷子札も忘れずに
キャリーにさえ入れれば、猫さんを安全に運べると思ったら大間違い。 キャリーを開けた瞬間に飛び出してそのまま行方不明になるということだって考えられます。
外出する時は、キャリーにいれるのはもちろんですが、できれば迷子札付きの首輪もしておいた方がさらに安心。
特に、完全室内飼いで育った猫さんは、自分で帰り道を見つけられる可能性は非常に低いと考えられます。 それどころか、危険な外の世界で、何日生き延びられるか。そのためにも、 完全室内飼いだからと 油断せず、日頃から首輪にならして おくことをお勧めします。