よくある質問
今までに実際に受けた質問の中から、よくありそうなものを選びました。 (文章は私が作成・編集したものです。メールの丸写しはしていません。)
答えは、あくまで私個人の考えです。ひとつの考え方としてお読みください。
野良猫が庭で子猫を産みました。
【質問】
野良猫が庭で子猫を産みました。 母猫は人の姿を見るだけで逃げてしまい、保護するのは無理そうです。 子猫だけでも保護して里親募集したいと思いますが、いつ頃保護すべきでしょうか? せめて子猫時代は庭でのびのび自由に遊ばせたいと思っているのですが。
【答え】
人慣れしていない野良母さんの出産ケースで、私が一番理想的だと思うのは、 子猫たちの目が開くか開かないかで保護し人工哺乳で育てる、という方法です。 初乳をしっかり摂取したあとの、生後1週間~10日以内ですね。 (初乳=出産直後に出るお乳で免疫が多く含まれている)
多くの人は、そんなに小さい時ではかわいそうだ、もう少しお母さんと一緒に いさせてあげたいと考えるのではないでしょうか。 私も昔はそうでした。
上記のように考えるようになった理由は以下の通りです。
- 子猫が猫風邪をひくと、しばしば目をやられてしまう。 早めに保護して清潔で暖かい場所で育てる方がよい。
- 子猫が大きくなればなるほど、お母さん猫の負担が増し、 弱い子に十分な栄養がまわらなくなり、多くが死んでしまう。 人工哺乳なら全員を栄養たっぷりに丈夫に育てられる。 子猫の声が大きくなれば猫嫌いに見つかりやすくなり チョロチョロ動けるようになれば、ますます危険になる。
- 里親募集もそれだけ早くから、健康状態に責任を持ってはじめられる。
しかし、子猫の人工哺乳はかなり大変です。 3~4時間おきの哺乳と排泄、もし兄弟猫がたくさんいれば、全員の世話に かなり時間がかかりますから、下手をすると、最後の子の世話が終わって わずか2時間後にはまた最初の子の世話、なんてことになりかねません。
人工哺乳が難しければ無理はせず、生後4週間くらい、離乳食を 食べられるようになり次第、保護されるのがよいかと思います。 そのくらいの時期なら、最初はフーシャー威嚇する子猫でも たちまち馴れ、飼い猫の子猫と全然かわらない子に育ちます。
子猫はすごい速度で成長します。 すっかり離乳するまでお母さん猫と一緒にいさせてあげたいと 考える人の多くが、保護に失敗しています。 生後3ヶ月にもなれば、鈍くさい我々人間に子猫はなかなか捕まえられません(汗。
また、早めに子猫を保護するほうが、お母さん猫の体への負担も少なくて済みます。 野良社会は非常に厳しい世界ですので、母猫が子猫を亡くすということは 人間が考える以上に高い確率で頻繁におこることです。 人慣れ度が低い、厳しい条件で生きている野良母さんであるほど、 子猫がいなくなっても、意外とあっさりあきらめてくれます。 私の方が拍子抜けしてしまうほどでした。
お母さん猫も保護して避妊手術できれば一番理想的ですが、それが どうしても無理なら、せめて子猫たちは全員健康で幸せにしてあげたい、 お母さん猫もわりとすぐにあきらめてくれるなら、早期保護の方が 全員の幸せには良いと考えるようになった次第です。
赤ちゃん猫を保護しました。募集はいつごろから?
【質問】
生後2週間くらいの兄弟猫5匹を保護しました。 離乳まで育てて、里親さまに譲渡したいと考えています。 いつ頃から里親募集を始めればよいでしょうか?
【答え】
もし手が足りているなら、今すぐにでも里親募集されることをお奨めします。 日本では幼い子ほど人気があるという現象がありますし、 5ニャンの里親さま一人一人と交渉するって手間と時間がかかります。 里親さまが決まって、ゆっくり子育てする方が精神的にも安心でしょう。
ですが、もし一人だけで5ニャンも人工哺乳をされているのでしたら、 それだけで膨大な時間をとられると思います。 里親募集までしている余裕はないかもしれません。 その場合は、生後1ヶ月をすぎて離乳食を食べられるようになってからでも 遅くはないと思います。
実際に子猫を譲渡するのは、早くて生後2ヶ月、理想は社会化が済む生後3ヶ月と考えます。 (子猫の成長表のページをご覧ください。) もし里親さまが、それまで待てない、すぐ渡せといってきたら、その人は 里親として不適格だと思います。断ってください。 良い里親さまは、子猫の一生の幸せのため、指折り数えながら待ってくださるはずです。
ペット禁のアパートですが、公園に子猫が・・・
【質問】
ペット禁のアパートに住んでいます。
近くの公園に生後2ヶ月くらいの子猫がいるのを見つけ、 毎晩こっそり猫缶を持っていってやっています。 猫を飼える人がいないか友人に聞いて回りましたが、残念ながら誰も飼えません。 子猫をいつまでも公園に置いておくのは不安です。 どうしたらよいでしょう。
【答え】
大家さんと周辺住民(左右上下)に、正直に子猫のことを話し、 里親募集する間だけ子猫を室内にいれてあげることはできませんか? 2ヶ月くらいの子猫なら人気ですから、真剣に里親募集すれば まもなく里親さまは見つかると思うのですが。
そのときは、 「必死で里親募集している」ということを、周囲にアピールしてください。 近所にチラシをまいたり、ポスターを貼ってまわったりしてください。 駅~アパート間、および、最寄りのスーパーや商店街での活動もわすれずに。 アパート住民が見かけて「おお、頑張っているな」と感心するくらいに。
子猫を公園に置いておくのは危険です。 どうぞ頑張ってください。
医療費について
【質問】
怪我をしている子猫を発見し、見過ごすわけにいかず、動物病院に入院させました。 子猫は今は怪我もなおり、すっかり元気になったので、里親募集しようと思います。
私は苦学生で、アルバイトで生活しています。 治療費や入院代は友人から借金してなんとか払いましたが、正直、生活が苦しく、 毎日の食費を切りつめて借金を少しずつ返している状態です。 里親さんに治療費の一部を請求することは可能でしょうか?
【答え】
最初からそういう条件で里親募集されるのであれば、かまわないのではないでしょうか。 完全無料譲渡よりは応募が少ないかもしれませんが、この世の中、捨てた物じゃありません。 本当に本気で里親募集すれば、その条件でも里親さまは見つかると思います。 ご自分の立場や経済状態を、恥ずかしがらずに、正直に里親様に話してみてくださいね。
なお、子猫を譲渡する前に、 金額や条件などはきっちり書面上で取り決められることをお奨めします。 領収書など費用を証明できるものも必ずご用意ください。