トロたんとおつうのトイレ事情
*またまたトイレの話でごめんなさい~*
★トロたんのトイレ事情★
ザッザッザッ、と、勢いよい砂かき音が聞こえてくると 私は何をしている最中でもなるべく中断して猫トイレへ行くようにしている。
いくら狭い家とはいえ、他の部屋にも聞こえるほどに、元気よく力強く勢いよく 砂かきする猫といえばトロだけなのである。
トロは根がヒジョーにまじめな猫なので、砂かきは誰よりも熱心だ。 うち中で一番太く逞しい腕で、時にはワンコのように両手を使って、 ザッザッザッ、と、勢いよく砂かきする。 ほとんど哲学的なまでにまじめな顔をして、それはもう熱心に砂かきする。 あまりに熱心すぎて、ついには砂は全部トイレの一隅に偏ってしまう。 トロのお気に入り猫トイレは大型収納ケースなのだが、そのいつも左側の壁際に 砂は山と積み上がり、他の部分はプラスチックの床が、掃いて清めたように綺麗に露出してしまうのだ。
そこまで砂かきすると、トロはやっと満足して、むき出しのプラスチックの上にしゃがむ。
トロはよく食べ、よく水を飲む猫である。 当然ながら、出す水の量もなみなみと多い。 どれほどたっぷりのオシッコでもちゃんと吸収できるだけの砂が 猫トイレには厚く敷いてあるのである。 だから、本来ならば、何も問題はないはずなのである。
が、・・・
トイレの底が見えるほどのあまりに熱心な砂かきの結果、 オシッコを吸収すべき砂は全部片隅に寄ってしまっているのだ。 トロがしゃがんでいる所には、もう一粒の砂も残っていないのだ。 その結果・・・豊富な水量がプラスチックの底を流れはじめると トロのあんよは床下浸水してしまう・・・!!
放っておけば、トロはその浸水あんよで家の中をうろつくことになる。
そこで、砂かき音が聞こえるたびに、私は可能な限り猫トイレへ急行する。 そして、トロがむきだしのプラスチック底にしゃがんだとたんに、スコップで砂を トロのお尻の下に放り込むのだ。 ほとばしる急流を全部吸収するよう、どんどん放り込む。 毎度のことなので、トロは全然気にしない。 出すだけ出して、満足すると、今度は熱心に埋めはじめるのである。
この穴埋めもあまりに熱心なので、しばしば埋めたところを掘り返し シッコ玉を粉砕し、さらに砂を大量に外に放り出してしまう。 私は頃合いを見て、シッコ玉が粉砕される前にそれを掬い出さなければならない。 そうしないと、まだしっとりと濡れた砂が辺り一面に飛び散ることになりかねないので・・・
トロた~ん!
そんなに熱心に砂かき・穴埋めしなくてもいいのに・・・ つくづくまじめな男なんだね、キミは。
★おつうのトイレ事情★
おつうは、昔はオムツ猫だった。
クル病で下半身の発達が遅れていたためか、 それとも、他の原因のためか、定かではないのだが、 昔はお尻の穴をしめるだけの筋肉がお尻についていなかったらしい。 そのため、お尻が開きっぱなしで、大小がぽとぽと漏れている状態だった。
子猫食の中でも栄養価の高い品を選んで食べさせていたら クル病がどんどん改善して腰が立つようになり、 曲がっていた体が伸び、筋肉もついた。
いつしかオムツがいらない子になっていた。
そのなごりなのかどうか知らないが、おつうは大のたびに大騒ぎする子になった。
まず、出す前に家中を走り回る。
「これからおつう様がウンコするぜ!どけ、どけ!」
とばかりに、派手に走り回るのだ。
それから、おもむろにトイレにしゃがむと、
・・・おつうは小の時はトイレの縁に四肢全部をのせて
一直線に踏ん張る。
ゆら~り、ゆら~りとバランスを取りながら
不自然な姿勢で踏ん張るのである。
が、大の時は、砂の上にしゃがむ。
耳を後ろにぐいと伏せ、ぎょろりとした目であたりを睨みながら、
シッポをふりまわして踏ん張るのだ。
そして、しおわると、自分が出したばかりのものを
フン、フンと嗅ぎ、申し訳程度に砂かけのポーズをして、すぐに飛び出す。
その時シッポはタワシに膨らみ背中の毛もおっ立っている。
そして興奮状態で家の中をまた何周か走り回るのだ。
「したぜ!したぜ!ウンコしたぜ!」と。
得意なのか何なのか知らないが、とにかく大興奮して走り回るのである。
うっかり通り道に寝ていたニャンコは災難だ。
容赦なく踏みつけられるか、「どけ!」とおつうのネコパンチが飛んでくる。
しかし、元来が小食だし、おつうの大は、実は自慢するほど立派ではないのである。 トロの大の方がよほどデカイ。