すべて御猫様のお陰です

昔々の猫達は働き者でした。 ヒトの天敵だったネズミをせっせと退治してくれたのですから。

が、今時の御猫様達ときたら。

一日中、一番快適な所で寝てばかり。 フードはヒト用より高い特定の物しか食べなかったり、あるいは 毎日違う猫缶をあげないと「いらない!」とすねたりと贅沢三昧。 大事なソファで爪とぎするは、障子紙は破るは、生け花には悪戯するは、抜け毛はまき散らすは、勝手に留守番電話を設定したり解除したりするは。その上、こんなに大切にしてあげているのに、犬と違って呼んでも知らん顔、返事すらしない。

こんなぐーたら猫を飼っていて何の得があるのだ?

・・・と、思われた方。

猫さんって、意外なほど多くの恩恵を我々の生活にもたらしてくれているのですよん。

みけ

まず言われるのが癒し効果。暖かく、柔らかく、なめらかで優しい毛皮を撫でるだけで 血圧が下がりヒトの気持ちは和らぐ。 これはすでに医学的に証明されたことです。

が、こんなことは皆さんご承知、今更言うまでもないでしょう。

うちは山間の寒村なので、家も昔ながらの古民家です。 つまり、すきま風びゅうびゅうなのです(涙) こういう家は、冬は思い切り冷え込んでくれる。 猫さんは湯たんぽ代わりに最適です。 こちらが寝返りを打っても、すぐに猫さんは人体に沿って移動し、 ぴったりくっつき続けてくれるのですから。 つまり追跡機能をもった湯たんぽのようなものです。 電気あんかでは、こんな芸当はできません。

それから、目覚まし時計の代わりもしてくれます。たいてい時間を間違えますが、まあそれはご愛敬というもの。

また、猫さんがいると、掃除を熱心にするという効果もあります。 特に春先の抜け毛シーズンには掃除は必須です。 朝夕の2回、掃除機をかけ、気が向けば寝る前にもう一度。

ここまで述べたのは誰でもすぐ思いつくような、一般的な猫さん効果。 しかし、猫さん効果はまだまだあります。

おつう

私は女ですが洋裁に興味はなく、ミシンも持っていませんでした。 が、おつうというオムツ猫と暮らすようになり、オムツカバーを作る必要から とうとうミシンを買いました。今ではかなり自由に使えます。 おつうが来なかったら多分永久に私はミシン知らず。 御猫様効果でしょう。

猫達は、外の虫や鳥に興奮して、しばしばバリバリと網戸をよじ登ります。 7キロ筆頭に5キロ4キロが次々とよじ登れば、網戸は当然穴だらけ。 少し古くなると簡単に破れます。 その為、何枚も網戸を張り替えました。 今では網戸張り替えは私の得意技のひとつです。 これって外注すると1枚3000円はとられちゃうんですよね。

さらに、猫達が脱走しないよう、私は大きな作品を日曜大工で作りました。 格子雨戸です。 雨戸を全部格子戸に変えたのです。 これも我が家は稼ぎが悪いから、プロには頼めない。 なら私がやるっきゃない!

図面を引き、板や角材を買ってきて、のこぎりや電動ドリルと格闘しました。 1枚目の格子雨戸は着手から完成まで2日もかかりました。 が、最後の7枚目は4時間足らずでできました。 電動ドリルの使い方もすっかりマスター(?)しました。

以来、棚でも巣箱でも、木製のものは全て私の手作りです。 方眼紙に図面を引き、のこぎりは最小限に、カンナやノミは使わず、 無骨で無粋で幼稚な作品ばかりですが、なんといってもオーダーメード♪ 最近はホームセンターの日曜大工コーナーを見るのが楽しくて。 木工工作って、けっこう面白いですよね。

インターネットを始めたのも、ひたすらに猫の為でした。 捨て猫を拾い、里親募集したがなかなか全員の里親さんが見付からず、 噂にネットでも里親募集できると聞いて、せっぱ詰まって始めたのでした。 その頃はまさか将来HPまで作るようになるとは夢にも思いませんでした。 ただただ子猫達におうちを見つけてあげたいという思いだけだったのです。

それが今では自分のHPまで持つように! 今ではネットのない生活なんて考えられません。 機械類が嫌いな私をパソに向かわせた御猫様の力は偉大です。

もうひとつの重要な御猫様効果。 私の場合は、運転免許もそのひとつです。 この田舎に家を買うことを決心したとき、 バスは通っているのですが 「もしレオに何かあったらどうする。バスなんか待っていられない」と 即座に教習所に通いはじめました。 それまでは、機械類嫌いが高じて自動車も嫌いでした。 今はゴールド免許なんですよ~~(だって決まった田舎道しか運転しないもんね)。

トロ

が、・・・

なんといっても、一番大きな御猫様効果は、マイホームの購入でした。 レオを拾った私は、その1時間後には貯金の計算を始めていました。 というのも、その当時はペット禁のマンションに住んでいたからです。 レオを手放すなんてもう考えられなかった。 そして、ついにこの家を買ってしまいました。いずれマイホームが欲しいと思っていたとはいえ、こんなに早く実現するとは思っていませんでした。

買ったのは、ド田舎の、築70年以上の、ボロボロの古民家です、とても人様に自慢できるような家ではありません。 が、それでも、家は家です。柱が爪研ぎと化しようが、畳が運動会でボロボロになろうが、誰にも文句は言われません。 壁に猫棚を打ち付けるのも、窓を改造するのも、私の勝手、私の自由です。

この家を買って本当に良かったと、今でも思っています。

子猫時代のレオ

*こんな本も出版されています。内容に納得~~!
『猫は犬より働いた』須磨

*この本を読めば、農村でいかに猫達が有能だったかわかります!
『縁側ネコ一家ありのまま』渡部久

みけ、トロ、ビク