愛猫トロ、20歳5か月と11日

トロは元気な頃はよく、ワオワオと大声で鳴いておかわりを要求した。家の中はもちろん、庭にいても聞こえるほどの大声で。

「たりにゃいよぉ。ごはん、たりにゃいよぉ。もっとちょうだいよぉ。おかわり~!」

今はすっかり大人しくなった。一日中、寡黙に過ごして、ほとんど声も出さない。

けれども、おかわりは今でもする。頻繁に。

現在のトロの、おかわりアピールは

トロ

空っぽなお皿に顔を突っ込んだまま、じっとしている。

トロ

ごはんがないことをアピールしつつ、フリーズ。ただじっと待っている。

トロ

じっと・・・

「ごはんが、ない・・ごはんが、ない・・・ごはんが・・・・ごはんが・・・」

おもいきり哀愁を漂わせつつ、ひたすら「お皿が空っぽ」アピール。全身で、ひたすらにアピール。悲しそうに、寂しそうに、「おさらが からっぽだよぉ ごはん もっとたべたいのに ごはん もっとほしいのに・・・」

お爺ちゃん猫にこんな格好をされたら、あげずにはいられにゃい!「ちゅ~る」を2本、お皿に。

嬉しそうに食べるトロ爺。

トロ

ところで、トロの食事のしたくに必要な品々はこちら。すり鉢、すりこ木、ステンレスざる(裏ごし用)、それから、ゴム(シリコン)べら。

ゴムベラは、すり鉢からフードをすくい取るのに使う。やわかいので、スプーンよりもきれいに掻き出せて便利。

ブレンダーも持ってはいるのだが(というか、トロのために買った)。

なぜか、トロは機械でつぶされたフードより、すり鉢+すりこ木+裏ごしの方を好む。はっきり目に見えるほどの差異で、機械より私の手作業でつぶされた方を好むのだ。これには参った。だってすり鉢でごりごり、さらに裏ごしって、時間も力も手間も馬鹿にならないのだもの。だからブレンダーを購入したんだもの。

まあたしかに、昔から「おばあちゃんがおろした大根おろしは甘くておいしい」とはいう。またネット等で検索すれば「すり鉢の方が風味がでる」の記述はよくみる、けれども私はそんなのは、古い頭の料理人の頑固なこだわりくらいにしか思っていなかった。私自身は、機械だろうと手作業だろうと、全然味の違いなんてわからないのだ。だからさっさとブレンダーを購入したのだ。

なのに。

猫に、これほどはっきりと、態度で現わされては仕方ない。トロは、手ですりおろせと仰るのだ。

というわけで、毎日、シコシコ、グリグリと、すりおろしています。

【トロ、20歳5か月と11日、無事に迎えられました。】