BCS(Body Condition Score)の一般的な求め方は、視診(目で見る)と触診(手で触る)です。猫を横や上から目で観察し、皮下脂肪の付き方は触って判断します。
BCSは一般的に5段階に評価されます。理想体重はBCS3です。
体脂肪率 |
肋骨 |
お腹 |
腰・背中 |
|
やせすぎ |
5%以下 |
脂肪がほとんどなく、すぐに触れる。 | 皮下脂肪がなく、骨格が浮き出ている。 | 腰のくびれがかなり深くなっている。 |
体重不足 |
6~14% |
ごく薄い皮下脂肪に覆われていて、容易に触れる。 |
皮下脂肪はわずかで骨格が浮き出ている。 | 腰のくびれが深くなっている。 |
理想体重 |
15~24% |
わずかな皮下脂肪を通して触れる。 | わずかにへこんでいる。 | 適度にくびれている。 |
体重過剰 |
25~34% |
皮下脂肪より触るのは困難。 |
平坦。 | 腰のくびれがなく、背中がわずかに広がっている。 |
肥満 (太りすぎ) |
35%以上 |
暑い皮下脂肪により触るのが困難。 | 垂れ下がっている。 | 腰のくびれがなく、背中が著しく広がっている。 |
BCS 1 |
やせすぎ 理想体重の85%以下 |
脂肪が少ないため、肋骨や骨の突起に容易に触れることができる。腰のくびれが目立ち、脇腹のヒダがない。 |
BCS 2 | 体重不足 |
わずかな脂肪を通して、肋骨や骨の突起に触れることができる。上から見ると腰のくびれがわかる。 |
BCS 3 | 理想体重 理想体重の95~106% |
肋骨は皮下脂肪を通して触れることができるが、外見からはわからない。上から見るとわずかに腰のくびれがある。脇腹にヒダがある。 |
BCS 4 | 体重過剰 |
肋骨になかなか触れることができない。上から見ると腰のくびれはほとんどなく、腹部は丸くなっている。脇腹のヒダに脂肪がつき、やや垂れ下がっている。 |
BCS 5 | 肥満 |
肋骨は厚い脂肪に覆われ、触るのが困難。著しい脂肪沈着で腹部は垂れ下がり、脇腹のヒダも歩くと揺れるようになる。顔や四肢にも脂肪が沈着している。 |
*ペットショップなどペット産業従業者の為の専門書ではありますが、獣医学専門書にくらべ、わかりやすい文章で図も多く、前半の「基礎編」(~115p)は、一般飼い主さんにもお勧めの本です。後半の「実践編」は、ペットショップ勤務者以外は不要でしょうけれど(汗)。
- 須崎恭彦 著
- ブロンズ新社 2004年発行 NDC:645.6
- ISBN 4893093126
その子その子で骨格などが違うため、体重という数値は参考にはなりますが、絶対的な指標ではありません。一般に使われている指標は、次の通りです。
背筋のラインを指でなぞって、背骨の突起がポコポコとわかるか? わからないなら減量を!
脇腹を指で軽く触って、ピアノの鍵盤を指でなぞったときのように、肋骨があるのがわかるか?わからないなら減量を!
上から見てウエストのくびれがわかるか?わからないなら減量を!
*須崎先生は「薬を使わない」「ワクチンも接種しない」「手術もしない」「体質改善で自然治癒力を高めて病気を治す」「往診・電話相談専門」というこだわりを持った獣医さんです。『ネコに手づくりごはん』はすごく考えさせられる本です。 手づくりごはんに興味の無い方も愛猫さんの健康のためにぜひ一度読んで見てください。私が 自信を持っておすすめします。
管理人
*須崎先生のHP→須崎動物病院
- 石田卓夫 著
- 講談社 1994年発行 NDC:645.6
- ISBN : 4061953648
肥満になると、糖尿病や心臓病などの病気にかかりやすいので、基本体重を保ちましょう。ペルシアねこなどの西洋ねこや、典型的な日本ねこは基本体重がわかるのですが、雑種はそうはいきません。
目安としては、通常の西洋ねこや日本ねこは、雄で5kgくらいが平均。がっちりしたねこは7~8kgにもなります。
一般的には観察して判断するのが正しいようです。次のポイントをチェックしましょう。
この中に、一つでも当てはまるものがあれば、太りすぎということになります。
肥満防止の基本は、もちろん、フードを与えすぎないこと。かといって、毎回キッチンスケールで測るのは面倒ですよね(汗)。
そこでまず、キッチンスケールで適量をはかり、プラスチック容器などにいれます。そしてマジックで印を付けます。次回からは、その印までカリカリを入れるようにすれば、毎回測らずに済んで楽です。
ガラス瓶など、マジックで書けない容器を使う場合は、ビニールテープや布製ガムテープをガラス面に貼れば、自由に印付けできます。
また、世の中にはこんな「文明の利器」も。これならドライ・ウェット、さらに液体まで簡単に測れます。
*商品例*
【アキュレックス】デジタル計量スプーン↓
たとえばこの商品なら、0.1g~300gまで測定可能で、大・小2つのさじ部分が交換可能という優れもの。もちろん、人間用食材にも使えます(ってか、もともとは人間用ですけど)。
*「キッチンスケール」を探す*
*「デジタル計量スプーン」を探す*
猫さんは、犬と違い、品種間の体格差は大きくありません。そのため、体重に一定の値を掛けることで、おおよその数値を求めることができます。
●成猫の1日に必要なエネルギー量の目安
体重(kg) x 60~80kcal
●避妊・去勢手術済みの猫、非活動的な猫の場合
体重から換算したエネルギー量から20~40%程度減らす
●肥満猫・減量の必要がある猫の場合
体重から換算したエネルギー量から40~50%程度減らす
●妊娠中・授乳中
子猫の数により、体重から換算したエネルギー量の1.5~4倍
●成長期
体重から換算したエネルギー量のおよそ1.8~2倍
【参考文献】インターズー社 『ペットビジネスプロ養成講座 Vol.2 フードアドバイザー』p.65