ネコの嫉妬は女より怖い

なかなか手に入らなかったポール・ギャリコの「トマシーナ」。 ようやく古本で手に入れて、早速読んでいたら。

いつも内気で控えめなちびまる太が、 いつものように、そっとやってきて、ひっそりと私の横に座った。

が、私は、やっと手に入れた本に夢中でついかまってやらず。

突然、ちびまる太が伸び上がって、本をバリバリ爪で引きちぎった!

ちびまる太としては、 珍しくママの膝が空いている、 やった♪ 抱っこの独り占めだ♪ と、喜んでやってきたのに

ママったら本なんか読んでいて 抱き上げてくれない。

つい、ヒスをおこして、本を引き破ってしまったらしい。

ごめんね~許して! キミはいつもあまりに大人しいから、 他の子達なら遠慮なく膝に乗ってくるのに、 キミはいつも横でじっと待っているだけだから、 つい、気がつかなかったのよ。 大好きよ~~。

* * *

子猫を保護したときのこと。

夜遅くお風呂に入った私は、いつもは風呂場のドアを開けたまま入るのだが、 その日は疲れていたので閉めてしまった。

開けたままだと、猫たちが覗きに来て、楽しいけれど、時間がかかるのだ。

さて、お風呂から出て、寝間着を着ようとすると、 なぜか濡れている? 臭いをかいでみたら オシッコだ! 寝間着にオシッコをかけられていたのだ。

磨りガラス越しに、レオの姿が見えていたけれど。

子猫がきて、焼き餅の鬼となっていたレオが、そうでなくとも、パパラッチとあだ名されるくらい いつも私べったりのレオが、

ママがお風呂にいくのに、いつものようについてきたが、ドアが閉まっていたので、怒って、腹いせにオシッコかけていったらしい。

なんていとおしいの~!! レオ、愛しているよ~~

* * *

同じく、子猫を保護したときのこと。

トロが、私から離れない。 どこへ行くにも、付いてきて、

「うな~ん、うな~ん」

と甘えた声を出す。

どうやら、すっかり子猫に焼き餅を焼いてしまったらしい。

できるだけトロをかまってはあげるものの 、夕食の支度など、トロをかまえない時もあり、 そうすると、 トロは私のふくらはぎをガブリガブリと噛み始める。 勿論、力を加減した甘噛みだが、 それでも、けっこう痛い。

ふくらはぎを噛まれても、 なお無視していようものなら、 鋭いかぎ爪に7キロ超の体をあずけて 私の体をバリバリとよじ登ってくる。 これはたまったものではない。

仕方なく、抱き上げれば 「うな~」とそれは嬉しそうに 私の親指の付け根をちゅぱちゅぱ吸い始める。 もうすっかり赤ちゃん気分。 その幸せそうな顔を見ていると こちらまでヘロヘロになってしまう。

子猫も可愛いけれどやっぱり子猫から育てた大猫さんは もっと可愛いのにゃ~~

うふ~~~ん、トロちゃん、だぁいすき~

* * *

私が犬をかまうと、 ちびまる太、トロ、チャトラン、とやってくる。

ちびまる太は、私の膝に乗ろうとし、 トロは私と犬の間をウロウロ、 チャトランは犬の鼻柱をネコパンチする。

犬は、8kgとネコより大きいのに チャトランが怖くて仕方がないらしい。 大人しく引き下がってしまう。

嫉妬は種の違いをも超える。

* * *

ウサギを抱っこしていても、猫はやってくる。

大人しいミーは、ネコパンチされて「あ~ん」と私にしがみついているが 気の強いフーは、猫なんか怖くない。 それどころか、猫共を追いかけ回し、頭突きする。 ウサギは、猫とちがって爪を引っ込めることができないので、 ウサギに飛びかかられるのは、猫でもイヤなようだ。

「にゃんだよ、仲間でしょ?家族でしょ? にゃんで爪出してるんだよ」

「だって、僕、ウサギだも~ん」

そんな事でも言い合っているのだろうか。 ウサギの爪は、長くて結構痛いのだ。