猫話抜粋(掲示板より)
HP開設1周年を記念して、この1年間に掲示板に書いた猫話を抜粋します。
2002年4月 ~卯月~
ガッターン!
と、大きな音がして、棚が落ちた。 棚の上に乗っていた様々な品物も落ちた。 品物の上に乗っていたトロも落ちた。
音に驚いて走り回る他の猫達。 トロだけは、ボーゼンと、ガレキの上で腰を抜かしていた。
トロたん、キミが悪いんじゃないよ~。 日曜大工の腕が悪かったのよね。 手作りの棚が、キミの体重を支えきれなかっただけなんだ。
2002年5月 ~皐月~
かなり暖かくなってきたらしい。 昨夜まで、
布団布団布団布団布団
猫猫 私 猫猫
敷き布団敷き布団敷き布団
という構図で寝ていたのに、昨夜は
猫
猫猫 布団 猫猫
布団布団 私 布団布団
敷き布団敷き布団敷き布団
という構図であった。布団に簀巻き状態で、まったく身動きできず、非常に暑苦しかった。
2002年7月 ~文月~
告白します。
昨夜、お風呂にはいって、頭を洗おうとしたら、 シャンプーが切れていました。 しかし、7月のこの時期、どうしても頭を洗いたい。
仕方がないので、猫用のみ取りシャンプーを借りてしまいました。 みんにゃ、許してね。
追伸:使い心地は、人間用と大差ありませんでした。 ちょっと臭いがきついけれど。
2002年8月 ~葉月~
稲光がビカっと光り、カミナリがゴロゴロ鳴ったと思ったら、 いきなり停電した。 文字通り、真っ暗。 鼻をつままれても分からない暗さ。
手探りで懐中電灯を探し出し、パッとつけた。 光りの輪の中で私が見たものは・・・
猫達全員が匍匐前進している姿だった。
君たちね~~ ネコでしょ? 真っ暗でも、ヒゲというものがあるんでしょ?
暗闇の中に私の笑い声が響き渡ったが、誰かそれだけを聞いていたら、 かなり不気味だったかもしれない。
2002年9月 ~長月~
今日、スーパーの鮮魚売り場で、若い店員さんをつかまえて
「あの、どれが生ですか? うちに、解凍の刺身は食べてくれないうるさいのがいるものですから」
と尋ねました。 店員さんは、
「ちょっとお待ち下さい!!」
と愛想良く叫ぶなり、 どどどどーっと猛ダッシュで奥に駆け込んでいき、すぐに、だだだだーっと駆け戻ってきて、
「これと、これが、生です!はぁはぁ!」
もし、奥で職人さんが
「お、今時、味の分かる人がいたもんだ。 嬉しいねえ」
なんて喜んでいたら、どうしよ? 解凍刺身を食べてくれないうるさいの、というのは、もちろん、・・・
レオのことなのよ
ごめんなさいね。 きっと猫の話だとは夢にも思わなかったでしょうね・・・
2002年10月 ~神無月~
今日は町まで買い物に行こうと思っていたんですよね。 でも、雨がじゃあじゃあ降って面倒で。 一日ぐだぐだして終わりそうです。 トロはもうお腹が空いたようで
「うなあああああ、あわわわああん、なおぉぉぉぉんんん」
ねこ達にゴハンあげて、ついでに私も早い夕食にしちゃおいうかな。 冷凍しておいた物を電子レンジで温めるだけ。
さて、では今日は一日何をしていたかと申しますと、 もっぱら掃除でございます。 髪の毛を結び、呼吸を整えて、いざ!
一番の大行事・はたき掛け。 なにしろ パタパタパタと3回振っただけで お目々をキラキラ輝かせた猫達が7ニャン、 飛び出してくるのだから、それはもう大変です。 うっかりしていると、手にとびかかられて たちまち血だらけになってしまいます。
右から、左から、
上から、下から、
飛びつき、飛びかかり、じゃれつき、じゃれ回し、 夢中で追いかけてくるアクロバットねこ達を いかにかわし、避けながら、はたき掛けをするか。 ほとんど新体操の世界なのでございます。 しまいには私も何をしているのか忘れて ついつい一緒に踊ったりしてしまいますので まあ時間がかかること。
一番華麗な空中舞をみせるのがビクでございます。 チャトラン、みけ、ちびまる太もサーカス並。 おつうとレオはもう少しおしとやか。
トロは
「わ~ん、追いつかにゃい!どこだ、どこだぁ?」 と、うろうろした挙げ句、
「見ぃつけた!」 と、モモンガのような大の字になって
「ドッピャーン!」
と飛びついてくるのだから怖いのです。たいてい失敗してどこかに激突しております。
はたき掛けが終わると、いつも私はぐったりして、 お茶ついでにパソコンでも、と、なってしまいます・・・
2002年11月 ~霜月~
さっきから、トロがウロウロ~。 私の膝に乗りたいのです。
が、膝にはすでにレオが丸くなっています。 巨猫トロも、先住猫のレオにだけは頭があがりません。
トロは、私の顔を見上げては、情けない声で
「んなぁ?」
私の膝に手をかけて立ち上がり、レオの毛皮に鼻先を突っ込んで、くんくん臭いをかぎます。 何回臭いを嗅いでもレオの臭い。
「レオ兄ちゃんじゃあ・・・仕方ないなあ」
と、しょんぼり歩み去りますが、 数分もすると、また戻ってきて 私のまわりをウロウロ。
レオは、勿論、トロの存在に気が付いていて、こちらは意地でもどくものかと、爪を立てて膝にしがみついているのです。
トロは悲しそうにレオの顔を見つめ
「んな? (そろそろ代わって)」
レオは
「ウーッ! (やなこった!)」
トロはそれでも、なかなかあきらめきれず、 パソの下をウロウロ、ウロウロ。 プリンターの上に飛び乗って、 私の顔をじっと見つめ
「なお~~」
ごめんね、トロちゃん。かわいいね♪ でもレオ兄ちゃんの方が順位が上だからね、我慢してね・・・
2002年12月 ~師走~
また、トロのヒゲが無くなりました。 右側だけ、根本1~2㎝で皆プツリと切られています。 多分、また去年と同じです。 シマリスの巣材にされているのです。
いくら呑気な猫だからって、毎年毎年 大事なヒゲを全部シマリスに噛み切られるなよ~!
*詳しい事は
「悪戯帖その1:おひげを切ったのは誰?」
をご覧下さい。
2003年1月 ~睦月~
トロがまた首輪をなくした。
ま、そのうち、変な場所からでてくるだろうと 別の首輪を(予備は沢山あるもんね♪)しておいた。 そして、外に出ようとスノーブーツを履こうとしたら ブーツの中にトロの首輪が。
どうしてブーツの中にあるんだろう? もしかして、もしかして、 ブーツに首を突っ込んで抜けなくなり、 あせって引っこ抜いた時に、首輪だけ抜け落ちた?
だとしたら、おい、トロ! そういう美味しいシーンは目の前でやってくれなきゃ!
2003年2月 ~如月~
夜に外出しなければならい日が2日つづきました。 いつもねこ達の晩ご飯は6時半~7時ですが、 帰宅が8時過ぎるので、外出前の5時頃早めの晩ご飯をあげました。 トロが空腹のあまり凶暴化すると困りますからね。
で、今日は、外出予定はなかったのですが、 4時半になるとトロが騒ぎ出し、5時には台所で待機していました。 たった2日で腹時計が素早く調整されてしまったらしい。
おそるべし、トロの腹時計!
2003年3月 ~弥生~
最後はちょっと趣向を変えます。
Fさんの「玄関から猫が脱走しないようにするにはどうしたらよいか」
というご相談に対し、次のようにレスしました。
このような躾方法もあるという参考にされてください。
廊下などにもう一つ扉をつけられれば、それが一番確実でしょう。 が、うちは、構造上それは無理なので こんな荒療治でしつけました。
まず、玄関を片づけます。靴は全部しまいます。 それから、バケツ一杯の水をくんで来ます。 玄関の戸を少しだけ開け、中からは見えないように、 玄関の外にバケツを持って隠れます。
ニャンコが開いた隙間から頭を外に出した瞬間に ザバンとバケツの水をぶっかけてしまうのです。
この時に遠慮してはいけません、腹をくくって思い切りよく水をかけてしまいます。 ニャンコはビックリ仰天し、それから数ヶ月間は・・・ うまくいけば一生・・・玄関から外にでようとしなくなります。
勿論、玄関を開けっ放しにはできませんが、少なくとも 一瞬のスキをついて外へ走り出ることはまったく無くなりました。 玄関の戸が開いていても、ものすごく用心しながら、 抜き足差し足で一歩ずつ進み、私が「おんもはダメよ」と声をかければ 私の顔を見て立ち止まります。 例えば、玄関を大きく開けたまま、宅急便を受け取ってはんこを押したり、 回覧板を受け取るついでに少々立ち話しても、ねこは、 玄関までは来ますが、私がそこにいる間は、 戸が開いていても外に出ようとしません。 人間側にとっては、それだけでも随分楽です。 水をぶっかけられるニャンコは少々可哀想ですが・・・
皆様、1年間、どうもありがとうございました。 今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。