ちゅぱちゅぱ、ちゅぱちゅぱ

ビクは、親の私の目から見ても、あまり美しい猫とは言えません。 でも他の子にはできない、とっても可愛い癖があるんです。 「肉球しゃぶり」です。

ビクはうちの7ニャンの中で一番痩せている猫です。 体重は3.5キロ前後。 トロの半分しかありません。 (トロが重すぎるというのもありますけれど。)

体重の割には体長が結構長いので、ますます痩せて見えます。 腰回りなど一握りしかない感じです。 外を歩いていたら間違いなく飢えた野良猫と間違われるでしょう。

この子は拾った時から小さな子でした。 育つかどうかさえ不安でした。 一緒に保護した姉妹猫のチャトランが400グラム近くあったのに対し ビクは230グラムくらいしかなかったのです。 その上、食も細かったのです。 チャトランの半分も食べません。

そんな小さな子猫でありながら、 保護直後は、いっちょまえに全身の毛を逆立てて 必死にフーフー怒っていました。 触ろうとするとビクッと体をこわばらせました。 あまりにビクビクしていたので、ビクと名付けられたくらいです。

が、馴れてからは甘えん坊になりました。 チャトランがナデナデ大好きなのに対し、 ビクは抱っこ大好き猫になりました。

体は細いままでしたが、背丈は順調に伸びました。 縦ばかり伸びたようでした。 ひょろりと細長い猫に育ちました。

このビクと、約半年後にうちに来たみけの2ニャンが、 うちのチュパチュパ猫たちです。 他の子もチュパチュパするときはありますが この2ニャンは毎日のようにチュパチュパします。

ビクがチュパチュパするのは、私に抱かれた時だけです。 ウール生地などに一人でチュパチュパする猫は多いけれど ビクは孤独なチュパチュパは決してしません。 抱かれたときだけ、しかも私限定です。 ほかの人に抱かれてもチュパチュパはしません(ちょっと優越感♪)。

ビクは、しばしば抱っこをせがみます。 私の行くところ行くところ先回りし、家具に飛び乗り、にゃあと鳴き、 私と視線を合わせては、ビク独特の「おじぎ」をして 抱っこを訴えるのです。 ようやく抱っこされると、実に嬉しそうに ゴロゴロ激しく咽を鳴らしながら私の胸に顔を埋ずめます。 左前足はさかんにモミモミします。 そして自分の右前足の掌球をチュパチュパ吸うのです。

ビク

この、人間の指シャブリにも似たチュパチュパがたまらなく可愛いと、 親ばかな私は思わずにいられません。

ビクはまだごく幼い時に保護された子ですから、親猫と過ごした時期は非常に短かった。 痩せこけていましたから、きっと十分にオッパイも貰えていなかったのでしょう。 その寂しさが、今でもチュパチュパ癖となって残っているのかも知れません。 ビクは多分、私を母親と思っていると思います。 どんな時でも私が抱き上げるとたちまち赤ん坊の顔になってしまいます。 私の顔をじいっと見つめ、視線をそらしません。 普通、ネコが視線を合わせるというのは、闘争を意味します。 喧嘩するとき以外はじっと見つめ合うということをしません。 唯一の例外が、子猫が母猫を見つめるときです。 子猫は全幅の信頼を寄せて、母猫の顔を飽かず眺めます。 それと同じ事をビクは私にするのです。 そして、お手々を伸ばして私の顔を触り、私が撫でると 安心したように胸に顔を埋めて、自分の肉球をしゃぶり始めるのです。 その表情は恍惚として、安心しきっています。 赤ちゃん猫がお母さん猫のオッパイにとりついているときと全く同じ顔なんです。 ビクの幸福の絶頂は数分間続きます。 チュパチュパが始まったら、ビクの気が済むまで、私は席を立てません。 しばらくチュパチュパすると、目が覚めたような顔をして膝を降ります。

チュパチュパ吸われた肉球は、ビッチョリ濡れています。 においを嗅ぐと、右前足だけよだれ臭いのです(笑)。 気のせいか、チュパチュパした直後でなくても、 ビクの右前足の肉球は少しよだれ臭いような気がします。

もうひとりのチュパチュパ猫は、みけです。 みけは、おそらく、シャムの血が濃い猫だと、私は思っています。 捨て猫だから血統など分かりようがありませんが 多分みけの血筋にはシャム系の血が流れているはずです。 大きな耳に小さな顔、ちょっとハスキーなボイス、テーパーテール、 硬めのシングルコート、硬質な筋肉、張ったお腹。 色模様だけは純和風だけれども、その他はシャムを強く連想させます。

ウールサッキングもシャムに多い癖です。 うちの7ニャンではみけだけがウールサッキングをします。 毛布やセーターに一人でチュパチュパと吸い付くのです。 寝ぼけている時にチュパチュパ癖が出るようです。 4キロになる立派な大人猫が、毛布に吸い付いて チュパチュパ、モミモミと、おっぱい吸い行為をしているのですから ちょっとおかしな光景ではあります。

みけ

みけはかなり甘えん坊な猫です。 特に朝は十分に甘えるまで朝ご飯も食べません。 うにゃあ、うにゃあと鳴き続けて抱っこを強要します。 みけの場合、ただ抱くだけでは満足しません。
「みけちゃん、かわいいなあ、、美人美人、良い子良い子~~」と メチャクチャ褒めながら、スリスリとなで回すと 嬉しそうに
「うにゃあぁぁ」と言います。
そして、私の左胸に吸い付くようにして チュパチュパ、モミモミを始めます。

特にウールやフリースを来ているときはそれが激しいのです。 みけのお気に入りのセーターはお陰で 左胸だけ茶色く変色してしまいました。

チュパチュパする猫ちゃんって、かわいいですよね~~~!!! いくつになってもチュパチュパしてね♪ビクちゃん、みけちゃん!

猫
みけ