クマより怖い生物

2025年の今年もツキノワグマ・ヒグマのニュースでマスコミは賑わっています。

 

  
私が住んでいる地域もツキノワグマが生息していて、注意深く見ればクマの痕跡は山のあちこちに残されているどころか、柿が実れば、ほぼ必ず庭にやってきます。いつクマに遭遇しても不思議ではありません。

・・・ってか、すでに何回も遭遇しています(笑)最短距離で3メートルくらい?なにげなく庭の柿の木の下まで歩いて、ふと見上げたら、上にクマさんがいた、なんてこともあありました。そのときは、クマさんにやさしく声をかけながらゆっくり後ずさりして、10メートルほど離れたところで、そのクマさんはドサッと落ちるように木から下り、私とは反対方向へ逃げていきました。

それ以外のときも、たいてい、クマさんの方が私よりずっと先に人間の存在に気づいていて、私に気づかれたとわかった瞬間に身を翻して逃げてくれました。

これだけ頻繁に出会うほど近くにクマたちがいるのですから、いつか私とクマさんとの間に何かあったとしても、それは仕方ないと思っています。その場合も、クマさんが(人間の殺人犯が人間に対して抱くような)悪意を持って私に何かするなんてことはないと、そこは固く信じています。人間は己の欲や怨恨で人間を殺傷しますが、クマさんたちの理由は常に「自分や我が子が生き延びるため」なのですから、そこにドロドロとした「悪意」は存在しません。

  

↓うちの庭にきたツキノワグマ

 

動画も撮りました。(ってか、トレイルカメラが撮ってくれていました。)

 

 

クマより怖い生物とは

 

この田舎には、私にとって、クマよりずっと怖い生物も多数生息しています。 

その生物とは、

 

マダニ。 

 
ヤマトマダニ、フタトゲチマダニなどのマダニたち。

 

 

マダニこそ、無数に存在しています。防虫スプレーを忘れた服装ですこしでも草叢にはいれば、必ず、服につきます。それも1匹ではなく、ときには足首から膝上までまでビッシリと。
困ったことに草叢にはいらなくても、なぜかつくことがあります。

マダニは重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱のような致死性の高い病気をはじめ、ライム病や回帰熱等も感染させます。ツツガムシ病を媒介するツツガムシもダニの幼虫ですし。(日本語で病気や災難がなく無事という意味の「つつがなく」は「ツツガムシがいなければ安泰」が語源という説も。)

とくに最近は重症熱性血小板減少症候群=SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome )が増えて警鐘がならされていますよね。
国立感染症研究所の研究によると、日本のSFTS患者の致命率は27%もあるそうで(※1)、これは新型コロナCOVID-19のパンデミック初期(2020年)の致死率0.5~1%(※2)より、はるかに高い数字。

(※1)厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A」(第7版 令和6年8月2日作成)
(※2)natureダイジェスト「コロナウイルスの致死性は? その答えに迫る科学者たち」

 

クマは体は巨大なのに臆病な性格ですから、対策もとりやすい相手です。でも、小さなマダニは本当に厄介。

肌はもちろん、衣類にも防虫スプレーをしっとり濡れるほど吹きかけても、なぜかついていることがあります。おふろでは、自分のヌードを(笑)じっくり眺め、見えない箇所は手でさすりまくって、マダニがついていないか調べます。
これだけ用心していても、今年だけでもう3回も咬まれました。

一般的には、「マダニに咬まれたら、決して自分で取らず、病院に行って専門器具でとってもらえ」といわれています。無理に引っ張ると口器が皮膚内に残ったり、マダニの体液中の病原体が体内に逆流してSFTS等の感染症を引き起こす可能性があるためです。
でも、農家がマダニにさされるたびに病院にかけつけていたら、病院は農家であふれちゃうでしょう。そのくらい、マダニは多い。

私も自分でとっています。ペット用マダニピンセットで。
(と、ここでも犬猫は人の役に立っている・・ニャハ!)

 

マダニ吸血前と、

 

吸血後。まん丸!

 

 

 

それにしても、なぜ、ほとんどの動物はSFTSウイルスに感染しても発症しないのでしょうね?シカやイノシシが発症しないのであれば、ヒトに有効なワクチンが開発できそうなものですが、まだなようですね。

 

地球温暖化が進んでいる

ことし2025年の夏の日本の平均気温は、平年と比べ、2.36度も高かったそうです。気象庁が1898年に統計を取り始めてから、ダントツに暑かったとか。

NHK公式サイト『ことしの夏 平均気温は平年比2.36度高い“異常な高温” 気象庁』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250901/k10014909411000.html
NHK公式サイト『ことしの夏 平均気温は平年比2.36度高い“異常な高温” 気象庁』

  

去年とおととしも過去最高となりましたが、平年との差はプラス1.76度で、ことしは大幅に上回り、「異常な高温」だったとしています。地域別で見ると北日本が特に高く、平年を3.4度上回っているほか、東日本は2.3度、西日本も1.7度上回り、いずれも地域別の統計を取り始めた1946年(昭和21年)以降で最も高かったそうです。(ref ; NHK公式サイト『ことしの夏 平均気温は平年比2.36度高い“異常な高温” 気象庁』

 

昔、SFTSといえば、あたたかい西日本でみられる病気でした。が、近年はその発生地域が北上する傾向にあり、今年2025年は現時点で、同時期比で過去最多の報告件数となっています。今年は北海道でもマダニ咬傷が報告されるようになりました。
SFTSは全国区の病気となりつつあります。

マダニだけでありません。

 
スズメバチも、温暖化により越冬する女王蜂の割合が増加し、その結果、営巣期間が早まって活動時期が長くなり、また巣も巨大化する傾向が見られています。

 

うちの柿の木に作られたスズメバチの巣。

 

拡大すると、スズメバチのお尻らしきものが見えますね。

 

日本でもっとも人間を多く殺している動物はいうまでもなくヒトですが、スズメバチは2番目に多くの人間を殺す(目に見えるサイズの)動物なのです。毎年コンスタントに二桁の犠牲者が出ていて、これはクマよりずっと多いです。

 

 

その危険なスズメバチが、気候変動(地球温暖化)の影響で、ますます活発になってきているというのです。

スズメバチはハチとしては大きいとは言え、クマさんたちほど大きくありませんから、1匹や2匹飛んでいても気づかないことが多いです。やっと人間が気づいたときは、すでに立派な巣ができあがっている!スズメバチたちは巣を守るため攻撃的になっています。巣が出来たらもう、専門業者でなければ危険で近づけません。なぜか玄関横など、人通りの多いところに巣をかけるスズメバチもいて、場所によっては撤去しなければ人の命にかかわることにあります。

でも、スズメバチの巣の撤去には数万円~十数万円の費用がかかり・・・

スズメバチって、ほんとうに怖いですね!!

 

私たちは、どうしたいいの?

そうでなくても暑すぎてイヤな夏。さらに危険生物も増えるなんて耐えられない!!!

と、思ったなら。

 

地球温暖化を少しでも抑えるにはどうしたらよいか、こちらのページに書きました。お読みいただければ幸いです。

 


 


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