猫とネコとふたつの本棚猫の小説(日本)>宇江佐真理「深川にゃんにゃん横丁」 
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「 深川にゃんにゃん横丁 」
宇江佐真理(うえざ まり)

新潮社
2008年9月発行  NDC:913.6
ISBN : 9784104422043
登場ニャン物=まだら、るり

 

 

【推薦:管理人】

江戸時代。

深川にある、人一人がようやく通れるような、ある狭い小路は、猫の取り道にもなっていて、必ず一匹や二匹の猫を見かける。
その町の住民達にも猫好きが多く、路上の立ち話といえば猫の話題がもっぱら。
野良猫たちもここではあまり人を恐れない。

いつしかその小路は「にゃんにゃん横丁」と呼ばれるようになっていた。

にゃんにゃん横丁に住む住民達、いずれもしがない町民ばかりだが、とはいえ平和な日々ばかりではない。
殺人のような凶悪事件こそないけれど、それなりの事件はおこる。
その度に、大家の徳兵衛や、岡っ引きの岩蔵、書訳の富蔵、幼なじみで男勝りのおふよ等は、心を痛めたり、走り回ったりと、翻弄されることになる。

猫たちは、活躍するというほどではないが、シーンのあちらこちらに出てくる。
当時のことだから、不妊手術なんてものはない。
雌猫は次々と子猫を生む。
住民達は子猫の行く末を案じ、具合の悪い子がいれば手当をしたり、飼い猫に昇格させてやることもある。

人間達も、猫たちも、のんびりと自然体で、その暮らしぶりは贅沢とはほど遠いけれど、暖かくて居心地よさそうで、猫も人も家族も他人もお互いに寄り添い助け合いながら、せちがらい世の中を頑張っている、そんな、なんとなくふうわりと懐かしい世界に、一気に読んでしまえる時代小説だ。

(2009.1.2.)
★面白さ4:猫度3:お奨め度4

 

*****著者プロフィール(本著より)*****
宇江佐真理(うえざ まり)
1949(昭和24)年、函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。95(平成7)年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞。2000年『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。著書に『春風ぞ吹く』『深尾くれない』『玄治店の女』『桜花を見た』『たば風』『無事、これ名馬』また『幻の声』で始まる〈髪結い伊三次捕物余話〉シリーズなどがある。
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