猫がヘビに咬まれたら(2)

猫

*同居の工夫:猫と暮らす知恵*

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人が咬まれないよう注意!

【著:管理人 2006年】

愛猫があぶないと、うっかり手を出して人が咬まれないよう、十分に注意してください。普段は大人しいタイプのヘビでも、猫にもて遊ばれて気が立っている可能性があります。

もし人が咬まれた場合;

  1. 毒ヘビ(マムシ・ハブ・ヤマカガシなど)の場合、および、ヘビの種類がわからない場合は、慌てず騒がず、すぐ病院へ。
  2. 噛まれた人がふつうに健康体であり、かつ、無毒ヘビとはっきり種類が分かる場合は、よく消毒して様子をみてください。
  3. 幼児や高齢者、病気を持っているなど、免疫力の弱い人が噛まれた場合は病院へ。
  4. 万が一、を噛まれた場合は、咬まれた人の年齢や健康状態に関係なく、有毒ヘビなら即座に救急車、無毒ヘビでも速やかに病院へ行ってください。咬傷部が腫れてくると気管が圧迫され窒息する可能性があります。

すみやかに適切な治療を受ければ、毒ヘビに咬まれても、普通に健康な大人が死ぬことは滅多にありません。(マムシの場合、死亡率は0.5%程度だそうです。)

とはいえ、侮らないように。マムシもハブもヤマカガシも、人を殺せるだけの毒は持っているのですから。

「野外における危険な生物」より

フィールドガイドシリーズ 「野外における危険な生物」(財)日本自然保護協会編集・監修(1994年発行)、によれば、ヒトがヘビに咬まれた場合の対処法は次の通りです。

まず、毒ヘビに咬まれた場合、『日本の場合、注入された毒をとりだしたり、症状を軽くしたりするために素人にできる手当はまったくない。』とした上で、つぎの6点を厳守しろと書いてあります。

  1. あわてるな!
  2. やたらにしばるな!
  3. やたらに切るな!
  4. 酒を飲むな!
  5. 氷、その他の方法で冷やすな!
  6. 勝手に血清をうつな!

そして、『F.E.ラッセル博士によると、もっとも適切で安全な応急手当は次の5つである。』と書いています。その5つとは、

  1. 患者を休ませる。
  2. 患者を安心させる。
  3. 咬まれた局部を動かさないようにする。
  4. 好ましくない全身的な症状に気をつける。
  5. できるだけ早く患者を医療施設につれていく。

本には、なぜ上記のようにすればよいかの説明もありますが、あまり書き出すと例によって著作権法に触れる危険が(汗)。ごめんなさい!詳細をお知りになりたい方は、本をお求めください。

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ポイズン・リムーバー

【著:管理人 2006年】

ポイズン・リムーバーとは、 毒ヘビや、ムカデ・ハチなど毒虫、クラゲ、その他、毒を持った生物に噛まれたり刺されたりしたときに、効率的に 毒を吸い出すための器具です。見た目も大きさも注射器のような小さな器具で、いわば逆注射器?

猫の皮膚は被毛に被われている上、皮膚にたるみがあるので、ポイズン・リムーバーが有効かどうかはわかりませんが、少なくとも飼い主である人間にはかなり有効な応急処置だそうです。アウトドアスポーツをされる方、お子さんと海や山へいらっしゃる方は、ポイズン・リムーバーの用意をおすすめします。

ポイズン・リムーバー

私が持っているのは「エクストラクター」というフランス製のもの。(購入時2500円くらい)。傷口にあわせて、4種類のノズル(上列)から選び、黄色い注射器のような器具にセットして使います。

ポイズン・リムーバー

自分の腕に当てて吸引した写真。皮膚が吸われているのがわかります。

毒を持つ生物に噛まれたり、刺されたりしたらすぐにポイズン・リムーバーで応急手当してください。咬まれて2分以内が理想的、15分以内でもある程度の効果が認められるが、30分後では毒の吸い出し効果は期待できないとのこと。

あくまで応急処置ですので、その後すみやかに病院へ行ってください。

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日本に生息するヘビについて

【著:管理人 2006年】

日本には、ウミヘビを含めると、4科19属39種(14亜種)ものヘビがいるそうです。しかし猫は海に潜りませんから、ここ猫サイトではウミヘビは除外して考えて良いでしょう。

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北海道・本州・九州・四国とその周辺の島々に生息するヘビたち

【著:管理人 2006年】

マムシ(有毒:クサリヘビ科)

  • 対馬に生息するツシママムシと、本土に生息するニホンマムシの、2亜種がある
  • 生息地:北海道・本州・四国・九州・佐渡・壱岐・対馬・伊豆大島・八丈島・大隅諸島
  • 全長:45~65cm、最大77cm
  • 毒の種類:出血毒

人が近づくと、逃げるよりその場にとぐろを巻いて威嚇します。さらに近づくと、パッと首を伸ばしてサッと咬みつきます。隊列を組んで山道を歩くとき、先頭の人より後続の人の方が噛まれやすいといわれるのは、先頭の人は威嚇されたが気づかずに通り過ぎ、後続の人が噛まれるからと思われます。

毒の力は強く(実はハブより強力)、まともに噛まれると10日以上の入院を要するほど腫れたり後遺症が残ったりしますが、マムシは体が小さく毒量が少ないため、すみやかに(6時間以内が理想)適切な治療を受ければ、喉を噛まれるなどしない限り、普通に健康な成人が死ぬことはめったにありません。

ヤマカガシ(有毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:本州・四国・九州・大隅諸島
  • 全長:1~1.2m、最大1.5m。
  • 毒の種類:血液凝固に作用する

日本に多数生息するヘビで、私自身もよく見かけます。大人しい性格です。長らく無毒ヘビとされていましたが、比較的最近、有毒であることがわかりました。

つまり無毒ヘビと勘違いされるほど被害が少ないということでしょうけれど、人の死亡例も複数報告されていますので注意するに越したことありません。

毒牙は口の奥の方にあります。また頸部の頸腺からも毒を飛ばします。もし万が一目に入ったときは即座に水でよく洗浄し、病院へいってください。

アオダイショウ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:北海道・本州・四国・九州・国後島・伊豆諸島・行き・津島・薩南諸島・口之島
  • 全長1~2.5m、最大3m。

日本最大のヘビ。人家に侵入してくるのは、たいていコイツです。無毒ですが、気が荒いことで知られているヘビですから、いたずらしないように。

シマヘビ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:北海道・本州・四国・九州・国後島・伊豆諸島・大隅諸島
  • 全長1~1.5m、最大2m。

4本の縦縞がすらりと通った、いかにもヘビらしい模様のヘビ。幼蛇は薄い地色に小豆色の横縞と、親とは全然違う色模様です。私個人的には、本州のヘビの中で一番服装(?)のセンスが良いヘビだと思っています(笑)

ジムグリ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:北海道・本州・四国・九州・国後島・伊豆大島・隠岐・壱岐・屋久島・種子島。
  • 全長0.8~1.2m。

日本全国に広く生息している大人しいヘビ。

ヒバカリ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:本州・九州・佐渡・三宅島・隠岐・壱岐・屋久島。
  • 全長:40~65cm。

ヒバカリという名前は「咬まれたらその日ばかりの命」の意、という説があったりしますが、無毒で大人しいヘビです。飼えば人にも馴れるらしいけど、野生動物は飼わないでね。

シロマダラ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:本州・四国・九州・奥尻島・伊豆大島・佐渡・壱岐・薩南硫黄島・屋久島。
  • 全長:30~70cm。

外見はけっこう派手な横縞模様ですが、無毒です。生息数が少なく夜行性のため、会えたらラッキーなヘビ。

タカチホヘビ(無毒:ナミヘビ科)

  • 生息地:本州・四国・九州・屋久島・種子島。
  • 全長:25~53cm。

夜行性で半地下性のヘビで、見た人は少ないでしょう。私も多分一度も会っていません。

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奄美諸島・沖縄諸島・その他南西諸島の島々に生息するヘビたち

【著:管理人 2006年】

ハブの仲間(有毒:クサリヘビ科)

  • ハブ(ホンハブ):奄美諸島・沖縄諸島。全長100~230cm。
  • ヒメハブ:奄美諸島・沖縄諸島。全長30~80cm。
  • サキシマハブ:石垣島・西表島・小浜島・竹富島・黒島・新城島・嘉弥真島。全長60~120cm。
  • トカラハブ:宝島・小宝島全長60~150cm。
  • ハブの毒の種類:出血毒

ハブは、世界でも10本の指に入るという、猛毒ヘビ。生息地にお住まいの方は誰でもその恐ろしさはよくご存じでしょう。

最近は医療の発達のお陰で人が咬まれても致死率はぐんと低下しました。とはいえ、猛毒であることにかわりはありません。まともに咬まれれば長期入院やしびれなどの副作用、場合によっては負傷部位の壊死や切断などの影響も出ますので、要注意です。決して近づかないように、近づかせないように!

コブラの仲間(有毒:コブラ科)

  • ヒャン:奄美大島・加計呂島・与路島・請島。全長30~60cm。
  • ハイ:徳之島・沖縄等・伊平屋島・伊江島・渡嘉敷島・久米島・渡名喜島。全長30~56cm。
  • イワサキワモンベニヘビ:石垣島・西表島。全長30~75cm。

コブラ=猛毒、のイメージがあるかもしれませんが、日本に住む陸性のコブラは大人しい子が多いのか、人間が咬まれたという被害報告はないそうです。とても美しいヘビたちですから、ヘビの写真が恐くない方は、画像検索して見てあげてください。

ヒバァの仲間(有毒:ナミヘビ科)

  • ガラスヒバァ:喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島・沖縄島・伊平屋島・渡嘉敷島・久米島。全長75~110cm。
  • ミヤコヒバァ:宮古島とその周辺の島々。全長60cm。
  • ヤエヤマヒバァ:石垣島・西表島・小浜島・竹富志摩・黒島・与那国島・波照間島。全長70~90cm。

毒を持っているらしいので有毒ヘビに分類しているが、被害報告は無いらしい。

その他のナミヘビ科(無毒)

  • イワセキセダカヘビ:石垣島・西表島。全長60cm。
  • アマミタカチホヘビ:奄美大島・枝手久島・徳之島・沖縄島。全長20~55cm。
  • シュウダ:尖閣諸島。全長1.5~2.5m。
  • ヨナグニシュウダ:先島諸島。全長1~2m。
  • サキシマスジオ:宮古諸島・八重山諸島。全長1.8~2.5m。
  • リュウキュウアオヘビ:南西諸島中央部の各島々。全長1.1m。
  • サキシマアオヘビ:先島諸島。全長60~80cm。
  • キクザトサワヘビ:久米島。全長60cm。
  • アカマタ:南西諸島に広く分布。全長0.8~1.7m。
  • アカマダラ:対馬・魚釣島。全長60~120cm。
  • サキシママダラ:先島諸島。全長50~100cm。
  • サキシマバイカダ:宮古島・石垣島・西表島。全長訳70cm。
  • ヒメヘビ:宮古島・伊良部島・沖縄島。全長16~20cm。
  • ミヤラヒメヘビ:与那国島。全長32~36cm。

ブラーミニメクラヘビ(無毒:メクラヘビ科)

  • 生息地:トカラ列島以南の南西諸島、小笠原諸島の父島。
  • 全長:15~18cm。

一見ミミズ、よく見てもやっぱりミミズ?(汗)こんなヘビが日本にいたとは、ってくらいにヘビらしからぬ小さなヘビです。

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お勧めへビサイト

【著:管理人 2006年】

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